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「ICE BREAKER」 輝風龍矢  (MAIL)
The last song

第6章:ICE BREAKER
 タッタッタッタッタ‥‥‥‥。
 盲目になったのではないかという錯覚を覚えるような暗闇の中を、禅鎧は休む事無く走り続けていた。闇を切り裂くように走っている禅鎧の目の前には、彼すらも飲み込み覆い尽くしてしまう、更なる深い闇の空間がまるで禅鎧を異次元の世界へと誘うかのように、その不気味な黒い腕を広げて静かに横たわっていた。
 ただただがむしゃらに走り続けている。その空間には、禅鎧の心地よい足音だけが、むなしく響き渡っているだけ。自分らしくないこの行動に、禅鎧はわずかながら苛立ちを覚えていた。言葉より先に手が出るような性格ではないが、禅鎧はただ黙っているのがイヤだった。
 旅先で宿泊した宿屋で奇襲攻撃を喰らって意識を失った。目が覚めたらこのような暗闇の中にポツリと佇んでいた。大抵の人間ならば、このような状況に置かれたとき「自分は死んだのだ」と絶望のどん底に落とされてしまうところだろう。
「ハァ、ハァ、ハァ‥‥‥‥」
 とうとう疲労が限界にまで達した禅鎧は、その足を止めた。顔からしたたり落ちた一滴の汗の粒は、皮肉にもその暗闇の中ではかなり目立つ程光輝いていた。気の遠くなるような距離を走り続けたのだろう、かなり大きく肩で息をしている。
「ここは、一体‥‥‥」
 どこなんだ? と続くところなのだが、疲労のために言葉がうまく続かない。禅鎧は「くそっ!」と一言嘆くと、その場にへたり込んでしまった。
 再び辺りを見回す。だが、そこにあるのは、360°距離を掴むことが困難なほどの闇の空間が広がっているだけだった。
「俺は‥‥‥死んだのか?」
 自分でも思いたくもない思考が、口から出てしまう。だが、意識ははっきりしている。疲れも感じる。腕をつねっても痛みは感じる。
 ‥‥‥しばらく休んで、体力の約7割が回復してきた。息切れももうしない。鼻からの呼吸だけで充分やっていける。
「体力も大分回復してきたな…。さて、どうするかな‥‥‥」
 疲労度も大分低くなり、精神的にも肉体的にも涼しくなってきた禅鎧に、いつもの調子が戻ってきた。
 キラッ…
「‥‥‥‥‥!?」
 禅鎧が立ち上がろうとしたその時、暗闇の向こうで何かが光ったような気がした。
 ピカッ…
 また光った。今度はきちんと確認できるほど明るく光った。禅鎧はその光に吸い込まれるように歩き始めた。先程までにもこのような光は何度も見たものの、行けども行けども近づくことが出来ずにいた。
 だが今回は違った。歩くたびにその光が大きくなってきている。近づいてきている証拠だ。確信を覚えた禅鎧は、だんだんとその足の動作を早めていった。更に光が大きくなる。
「‥‥‥‥?」
 禅鎧はふと足を止めた。次第に一陣の光に近づいてきたと思うと、その正体が明らかになってきた。禅鎧の目の前には、何らかの真っ黒な扉が建っていた。扉自体がバックグラウンドの暗闇と同化していてよく分からないが、ドアノブ(と思われる)部分が光っていた為に、それが扉であると確信できたのだ。さっき見た光はこの光だった。
 それは黄泉の国へと続く扉なのか、はたまた異次元の全く別の世界へと通じる扉なのか。禅鎧は心を決めて、そのドアノブに手をかけ、そしてゆっくりと扉を開いた。
「‥‥‥‥‥!!」
 次の瞬間、無数の光の柱がわずかに開いた扉の隙間から飛び出してきた。思わず禅鎧はドアノブから手を離してしまうが、扉はその後自動的に開け放たれてしまう。
 パアアアアアッ!!
 扉は完全に開け放たれ、遮るものを失った光は容赦なく禅鎧を襲い、そして身体を完全に飲み込み覆い尽くしていった。
「うわああああ〜〜〜‥‥‥」

「‥‥‥あああ!!」
 ガバアッ!!
 禅鎧はベッドから跳ね起きた。息が荒い。心臓の鼓動が激しく波打っている。身体は汗でビッショリになっていた。汗で身体にくっつく衣服の感触が気持ち悪い。‥‥‥衣服? 禅鎧は自分の着ている上着が、全く別のものである事に気づいた。それに、今自分がいる空間も全く別の場所になっていた。部屋もわずかながら狭く感じる。窓は2つだが、少し小さめだ。そこで、やっとここがさくら亭の客室ではない事が分かった。
「ここは…、何処だ?」
 頭をブンブンと激しく左右に振り、まだはっきりとしない意識を呼び起こす。身体にのし掛かっている布団をまくり上げ、身体を起こした。そして、大きく伸びをする。軽く肩や首を回すと、関節がポキポキといい音をたてた。
 シャアアア!
 無地の緑色で統一された分厚いカーテンを開けると、心地よい太陽光線が飛び込んできて目の奥を指す。お昼あたりなのだろう、かなり日が高くなっている。徐々にその明るさに目が慣れてくると、外の風景が一望出来るようになる。
 小鳥たちが、気持ちよさそうに目の前を通り過ぎていく。無意識に禅鎧は、前髪を掻き上げた。
 トン、トン‥‥‥
 とその時、部屋のドアがゆっくりとノックされた。禅鎧は戸惑いながらも「どうぞ」と促すと、ドアがカチャッ…とゆっくりとした動作で開かれた。
「失礼するッス〜」
 そんな鈴を転がしたような可愛らしい声を挙げて出てきたのは人間ではなかった。犬‥‥‥と一瞬思ったが、それにしては所々シルエットに違和感があった。フワフワしていて触り気持ちがよさそうなほど、フサフサの毛で身体が覆われている。
「あ、やっと目が覚めたッスか〜。おはようございますッス〜」
 少し変わった口調でその生物は話しかけてきた。反射的に、禅鎧も「お、おはよう…」と戸惑い気味の口調で言ってしまう。
「まる2日間も眠ってたんスよ〜。ひょっとして、死んじゃったんじゃないかと思ったッス〜」
「2日間…?」
 反芻するように繰り返して言う禅鎧に対して、その生物は首を何回も縦に振った。
「失礼だけど、ここは何処なんだ? 『さくら亭』…だったかな、じゃないのか」
 禅鎧はまず、今一番頭の中で引っかかっている事を尋ねてみることにした。
「違うッスよ。ここは『ジョートショップ』ッス」
 そう言いながらその生物は禅鎧の方に背中を向けて、なにやらゴソゴソやっている。はっきりとは確認できないが、何処から出したのか古ぼけた小箱の中をあさっているようだ。
「よっと‥‥‥」
 そして、その中からきれいにたたまれた衣服が出てきた。そしてそれを、自分の身長の倍はあるベッドの上に器用に飛び移ってそこに置いた。
「着替え、ここに置いておくッスよ。早く着替えて下に降りてきて下さいッス。食事の用意が出来てるッスから」
「あっ、ちょっと‥‥‥」
 バタン。
 用件を済ませるや否や、その不思議な生物は部屋を出ていった。まだ聞きたいことが沢山あるんだが‥‥‥そう思いながら、1つやるせないため息を付いた。そして、再び汗に塗れた衣服の不愉快な感触を覚えた禅鎧は、差し出された衣服に着替えることにした。

 言われた通り、禅鎧は着替えを終わると布団を直し部屋を出ていった。差し出された衣服は、エンフィールドを訪れた時に着ていた服だった。恐らくは洗濯をしてくれたのだろう。汚れも臭いも完全にとれていた。
「アラ、目覚めたのね。おはよう」
「改めて、おはようございますッス」
 下に降りると、テーブルに美味しそうな食事を並べている1人の女性が優しげな声をかけてきた。茶色がかった若干短めの髪の毛は前髪と共に後ろの方でまとめてある。髪の色と同一の瞳は実に優しげな光を帯びている。使い古しのエプロンを付けたその女性は、禅鎧には体全体から人を引きつけるような、包容力のある優しいオーラを放出しているように見えた。
「…お、おはようございます」
「さあ、朝倉さん。早く席に付くッスよ」
 着替えを持ってきてくれた不思議な生物も、テーブルの上にチョコンと座っている。禅鎧は戸惑いながらも、言われた通り席に付いた。
「さあ、遠慮なく食べてね。病み上がりなんだから、沢山食べて体力付けないとね」
「は、はい…」
「いただきますッス〜」
 テーブルの上に並べられたのは、焼きたてのロールパン、スープ、サラダの盛り合わせ、エビフライ・コロッケ・キャベツの千切り、そしてホットミルク。
 不思議な生き物は、禅鎧のすぐ横でロールパンにパク付いている。禅鎧も遠慮がちながらもロールパンを手に取っているが、口に入れようとはしない。さっきから、頭の中で何かが引っかかっているのだ。そして、それはいとも簡単にはずれた。
「…どうして、俺の名前を知っているんですか?」
 確かにその通りだ。禅鎧はこの2人(1人+1匹?)に対しては、まだ自分の名前を名乗ってはいないのだ。
「ああ、その事ね。ホラ、まずは冷めないうちに食べちゃって。その後で、ゆっくり話してあげるから」
「そうッスよ。じゃないと、ボクが全部食べちゃうッスよ」
「は、はい。じゃあ‥‥‥、頂きます」
 やっとの事で禅鎧は、手に持っていたロールパンを食べることにした。

「まずは自己紹介ッスね。こちらがボクのご主人サマでもあるアリサさんッス。ここ『ジョートショップ』のオーナーッス」
「アリサ・アスティアよ。よろしくね」
「は、はあ‥‥‥」
 席を立って深くお辞儀をする禅鎧だが、その返事は何処かしら曖昧だった。テディは、構わず自己紹介を続ける。
「そしてボクはテディッス。ご主人サマの右腕として活躍してるッス。どうぞよろしくッス」
「テディに、アリサさんか…。俺は隼‥‥‥、朝倉禅鎧です。改めて、よろしくお願いします」
 自分の名前を名乗ろうとした瞬間、禅鎧の脳裏に何らかの情景が浮かび上がったかに見えたが、すぐにそれは消えてしまった。我に返った禅鎧は、1つ咳払いをして改めて自分の名前を名乗り、もう一度深くお辞儀をする。
 その後、禅鎧はアリサから、さくら亭神隠し事件のこと。自分がその事件の被害者となっていること。今後自警団からいろいろと取調べがあるために、一時ここで謹慎処分にあること。そして、自分の名前は荷物の中の楽譜から確認されたことを聞いた。禅鎧は表情には現さないものの、内心驚いていた。
「そんなバカな…」
「でも、事実ッスよ。お陰で町中が大騒ぎッスよ」
 禅鎧は、腕組みをしたまま考え込んでしまう。
「とにかく、しばらくは謹慎処分なんだからここでじっとしていた方がいいわ。その間、あの部屋は自由に使っていいわよ」
「は、はあ‥‥‥。ご迷惑をかけます」
「ううん、いいのよ。‥‥‥私も、何だか家族が増えたみたいで…内心、嬉しいの」
 禅鎧が申し訳なさそうに言うと、アリサは人の良い笑みを浮かべてそれを優しく受け止めてくれる。そんな彼女の言葉に、禅鎧はさらに何もできない自分の無力さを恨んだ。
「‥‥‥‥‥1つ、聞いてもいいですか?」
「なにかしら?」
「どうして、僕にここまでしてくれるんですか」
 禅鎧のその言葉に、アリサはイヤな顔1つすることなく笑顔で答えた。
「アラ、困っている人を見たら助けるのは当然の事じゃないかしら?」
「そうッスよ。困ったときはお互い様ッスよ」
 食後のホットミルクを飲みながら、テディもアリサの意見に大賛成する。
「‥‥‥ありがとうございます。何かお手伝いできる事がありましたら、何でも言って下さい」
「そうよ。…やっと笑ってくれたわね」
「あ‥‥‥‥」
 その言葉に、禅鎧は顔が真っ赤になってしまう。
「あ、禅鎧さん。赤くなったッス〜」
「イヤ、これは‥‥‥その」
 ジョートショップに2つの明るい笑い声と、1つの苦笑いが響き渡る。
「あっ、じゃあ1つお願いしようかしら」
「…何ですか?」
 と唐突に、アリサの方から切り出してきた。
「楽譜があったということは、当然、音楽をやっているんでしょう?」
「ええ、あくまで趣味としてですが…」
 禅鎧は照れくさそうに鼻の頭をぽりぽりと掻いた。
「何か1曲聴かせてくれないかしら?」
「あ、それナイスアイディアッス。聴かせて欲しいッス」
 テディもその意見に賛成のようだ。床の上をピョンピョン跳ねている。
「え、だけど‥‥‥」
「さっき、出来ることがあったら何でも言って下さいって言ったッスよね」
 テディが意地悪い笑みを浮かべてそう言ってきた。禅鎧はしばし考えると、首を静かに縦に振った。
「僕何かの曲で良ければ‥‥‥。ところで、荷物は何処ですか? ちょっと準備したいので」
「アラ、テディから聞かなかったかしら? ベッドの横に置いてあったはずよ」
「あっ、ごめんなさいッス。すっかり言うの忘れていたッス」
 テディが舌をペロッと出して謝る。禅鎧はそれを手で制すと、急ぎ足で2階へと上がっていった。
 ‥‥‥数分後。
 禅鎧は、アリサやテディが今まで見たこともないような楽器を片手に降りてきた。それはピアノのような鍵盤が付いていて、禅鎧はギターのようにそれを身に付けている。ところどころ何かのツマミやボタンが付いてあった。
「禅鎧さん、その楽器は何ッスか? ‥‥‥ピアノッスか?」
「いや、違うよ。ショルダーキーボードといって‥‥‥まあ、ピアノにちょこっと改良を加えたものだよ。違うところといえば、ピアノ以外の音も出せるという事かな?」
 音が出るかの確認のために禅鎧が鍵盤を押してみると、確かにピアノの音が鳴った。他にも人工的なピアノ音、ベル、ストリングス、はたまた風のヒュウ〜という効果音も出た。
「うわあ、凄いッスね」
 興味津々な目つきで、テディは禅鎧を見ている。
「それじゃあ、聴かせてくれるかしら?」
 アリサも食器を洗う手を休めて、イスに腰掛ける。その側に、テディがチョコチョコと寄ってくる。それを確認すると、禅鎧もテーブルの上にそれを置くとイスに腰掛ける。
「はい。それじゃあ、聞いて下さい‥‥‥」
 禅鎧はシンセサイザーを軽やかに弾き始める。リズムに合わせて首や体全体を小さく上下させながら。何処かしら人工的なピアノ音で全体が構成された曲だった。禅鎧は、なめらかな指使いで不思議な、それでいて気持ちいい旋律を奏でる。そんな静かなバラード曲をアリサとテディは、うっとりとした表情を浮かべつつ聞き入ってしまっていた。
 ポロロン‥‥‥。  
 短3度おきに音階が上がっていき、Cメジャーのスライドの余韻を十分に残しつつ、禅鎧は演奏を止めた。アリサはそのうっとりとした笑みを浮かべたまま惜しみない拍手を送った。テディも両前足を器用に使い惜しみない拍手を禅鎧に送った。禅鎧はしばし閉じていた目を開けると、照れくさそうに頭を掻いた。
 アリサとテディは拍手の手を止める。だが、拍手の音はまだやまない。それは外から聞こえてくるようだった。2人と1匹は視線をジョートショップの入口に向ける。徐々に拍手の音が近くなってきた。やがて拍手はおさまり、代わりにドアをノックする音が聞こえてきた。
「アスティアさん、自警団です」
 野太いが、何処かしら透き通った声がドアの向こうから聞こえてきた。次の瞬間、ジョートショップに張りつめた空気に覆われた。
「開いてますので、どうぞ」
 ガチャッ。
 ドアが開くと、ところどころ白髪の混じった体格の良い中年男性と、その後ろから2人の衛兵が入ってきた。
「アリサさん、お忙しいところ急にお邪魔して申し訳ありません」
 まずその男は、アリサに向かって謝罪の言葉を述べ深くお辞儀をした。アリサも軽くではあるがゆっくりと頭を下げた。
「いいえ、リカルドさん。お仕事ご苦労様です」
 ‥‥‥リカルド。その言葉を聞いた禅鎧のキリリとした眉が少しだけピクリと震えた。何処かで聞き覚えがある‥‥‥。だが、その既聴感はすぐにチリヂリになって消えていった。リカルドはアリサと丁度対称的に座っている禅鎧の前まで歩み寄ってくる。
「君が、朝倉禅鎧君だね?」
 優しさと威厳が見事にミックスされた口調で、リカルドは禅鎧に話しかけてきた。
「…そうです。あなたは?」
 禅鎧もまた、アリサやテディとある程度打ち解ける前までの、少し警戒じみた静かな口調で答えた。
「私は、エンフィールド自警団一番隊隊長を務めているリカルド・フォスターという者だ」
 嫌味さが微塵も見当たらない口調で、自分の肩書きを途中で噛むことなく言った。リカルドはチラリと禅鎧の身に付けているショルダーキーボードの方を見やる。
「なるほど、見事な腕だ。これならシェフィールド家のお嬢さんが言ったことも納得ゆくな」
 そしてリカルドは一呼吸置くと、さっそく本題に切り出してきた。
「アリサさんから一通り聞いているとは思うが、君は『さくら亭神隠し事件』の被害者となっている。自警団事務所までご同行願いたいがいいかね?」
「‥‥‥‥わかりました」
 しばし間をおいて、禅鎧は静かにそう答えた。リカルドは「うむ」と1つうなずくと、後ろに従えていた部下の団員になにやら話すと2人はリカルドに敬礼すると、急ぎ足でジョートショップを後にした。
「‥‥‥素直に同行できなかったら、無理に連れていくつもりだったんですか?」
 団員2人が入口を出ていくのを確認すると、禅鎧は少し皮肉じみた口調でリカルドに尋ねてみた。驚きの表情1つ見せることなく、リカルドはその意見を肯定した。
「…態度によっては、やむを得ずそうするつもりだった。だが、君が素直な性格で安心したよ。だから、あの2人を返すことにした。イヤな気分にさせてしまってすまなかったな…」
「‥‥‥いえ」
 微かに笑みを浮かべながらも、静かな言葉で禅鎧は首を横に振った。
「ああ、そうだ。すまないが、荷物も一緒に持ってきて欲しいのだが…」
「このショルダーキーボードも一緒ですか?」
「出来れば…」
 禅鎧は「分かりました」と言うと、小走りで2階に上がっていきナップサックを取ってくる。そして、ショルダーキーボードをナップサックに入れておいたソフトケースに入れて肩にしょった。
「これでいいですか?」
「うむ。それじゃあ行こうか」
 禅鎧は心配そうに見つめているアリサとテディに軽く会釈すると、リカルドと共にジョートショップを後にした。

To be countinued...


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