中央改札 悠久鉄道 交響曲

「NO-3〜お手伝いっ♪〜」 とも
 エタメロinエンフィールド NO-3〜お手伝いっ♪〜

 カランカラン♪
 「おはよーございまーす。おーい、デューク〜。いるか〜?」
 「ぐ、紅蓮さん、待って下さいよ。」
 朝、朝礼を始めたデューク達の前に、紅蓮とティナが訪ねて
きた。
 「なんだ、早いな。と…あれ?ウェンディとアルザは?」
 「ウェンディは夕べ由羅に飲まされた酒で二日酔い。アルザ
はまだ寝てるよ。一応置き手紙おいてきたけど…。」
 シーラとシェリルが困ったような顔をしていたのを見たデュ
ークは、決まりの悪そうな顔をして言った。
 「あ、シーラとシェリルはまだ知らないンだっけ。俺が記憶
をなくす前に知り合った、紅蓮とティナだ。」
 「初めまして、シーラ=シェフィールドといいます。シーラ、
って呼んでください。」
 「あ、あの…シェリル=クリスティア、といいます…。シェ
リルでいいです。」
 「紅蓮だ。この街に住むことになるんで、よろしくな。」
 「ティナ=ハーヴェルです。ティナでいいですよ。よろしく
ね。」
 ティナは、シーラやシェリルとすでになごんでいた。
 「それはそうと、どうしたんだ?こんなに早く…」
 たずねるデュークに対し、紅蓮は頭をかきながら言った。
 「いやさ、パティに聞いたんだけど、この街って孤児院があ
るそうだな。」
 「ああ。セント=ウィンザー教会にあるけど?」
 「これから行こうと思うんだ。けど、パティのヤツ朝っぱら
から忙しくてさ。地図書いてくんねぇかな?」
 「なんだ。俺達これから仕事なんだけどさ…」
 「そっか、間が悪かったな。悪ぃ悪ぃ。」
 「いや、その教会に行くんだよ。一緒に行こうぜ。」
 デュークの言葉を聞き、紅蓮は少し驚いたような顔をすると、
 「ああ、すまねぇな。サンキュ…。」
 ちょっと申し訳なさそうにデュークの肩をたたいた。
 「じゃ、みんな行こう!アリサさん、テディ、行って来ます。」
 「ええ。無理はしないようにね?」
 「いってらっしゃいッス〜!」

 そして、一行はセント=ウィンザー教会に着いた。
 「おはようございま〜す。ジョートショップです。」
 いつものように、神父さんが出てきた。
 「おはようございます。デュークさん方。おや?そちらのお
二人は…?」
 「ええ、昨日にこの街に来た、俺の友人なんです。何でも、
ここに用事があるとかで…。」
 「そうなんです。少しご相談ごとがありまして…。」
 「そうですか、それでは、奥へどうぞ。デュークさん、あと
はよろしくお願いいたしますね。」
 神父さんはそう言い残し、紅蓮とティナを連れて奥の部屋へ
入っていった。
 「じゃ、シーラとシェリルは子供達の面倒を。俺とアレフは
棚とかの修理が終わり次第、合流するから。」
 「分かったわ、デュークくん。」
 「それじゃあ行きましょう、シーラさん。」
 「ちぇっ。おーい、デューク!早く終わすぞ!」
 「へいへい。」

 そして、お昼近く…紅蓮達が話しながら出てきた。
 「すいません、長話になっちゃって…。でも、本当によろし
いんですか?別に、それを期待して寄付をしたわけではないん
ですが…。」
 「いやいや、お気になさらないで下さい。ちょうど、人手が
欲しかったんですよ。なかなか、良いお話も聞けたことですし
ね。そうだ、ご一緒にお昼でもどうです?」
 「…どうしましょう、紅蓮さん…。」
 「ねえねえ、デューク兄ちゃんのお友達の人でしょ?」
 神父と話をする中、急に一人の子供が話しかけてきた。
 「いけませんね。あいさつはどうしました?」
 神父が子供に注意した。
 「そうだ。へへへ、こんにちわ。」
 「はい、こんにちわ。ああ。そうだけど、どうしたんだい?」
 「ね、お兄ちゃん達も、ご飯一緒に食べよ?ね?ね?」
 いきなりのことに、紅蓮は少し考え込むと…
 「…よし、分かった。」
 と言った。
 「ほんと?」
 「うん。でも、お兄ちゃんのお友達がさくら亭でちょっと寝
込んでいるんだ。お姉ちゃんはすぐ一緒に食べれるけど、お兄
ちゃんはお友達の様子を見に行かなくちゃいけないんだ。少し
遅れちゃうけど、それでもいいかい?」
 その子は、少し考え、意を決していった。
 「…絶対に来てくれる?」
 「うん、約束だ。」
 「じゃ指切りしよ。ゆーびきーりげーんまーん…」
 「はーりせんぼんのーます、ゆーびきった。これでいいかい?」
 「うん!じゃ、お姉ちゃん、先にいこ!」
 その子は満足したようにうなずくと、ティナの手を引っ張っ
た。
 「紅蓮さん…。」
 「いいって、じゃちょっと行ってくっから、俺の分残しとい
てね。」
 そう言い残し、紅蓮はさくら亭へと走っていった。

 二十分ほど後…紅蓮が戻ると、さっき約束した子と、ティナ
が座って待っていた。子供の中には食べ終わっている者、まだ
食べている者と様々だが、ティナ達は食事にまだ手を着けた様
子はなかった。
 「ただいま〜。ってあれ?ティナと…もしかしてまだ食べて
ねーの?!」
 「はい、この子がどうしてもって…。」
 「うん!お兄ちゃん一人じゃ寂しいだろ。それに来てくれるっ
て言ったし!」
 その子は、頭をかきながら、照れくさそうに言った。
 「そっか…サンキュな。じゃ、早いとこ食っちまおう!」

 「紅蓮さん、そういえば、ウェンディさんとアルザさんは?」
 ティナが、食事が終わると同時にたずねる。やはり、ウェン
ディらが気になるよ
うだ。来ると言っていたアルザも来ていないのだ。
 「ん?あっそうだ。ウェンディは相変わらずで、アルザもちっ
とばかり具合が悪いらしい。寝てるってさ。」
 「そうですか…。」
 「大丈夫だって。さ、デューク達の仕事を俺達も手伝おう!
面倒は由羅達が見てくれてる。さすがに、未成年に飲ませちまっ
たからな。罪悪感感じたんだろ。」
 その時…
 「お兄ちゃん遊ぼうよ!」
 と、紅蓮を呼ぶ声がした。そう、いつの間にか、紅蓮達は子
供達に囲まれていたのだ。
 「ねえねえ、お兄ちゃん、なんかおもしろそうな遊び知って
る?」
 「ん…と、そうだ。「水切り」って知ってるか?」
 「しらな〜い。」
 「なにそれ?」
 興味を示す子や、分からないのでデューク達の方へ行く子も
いたが、紅蓮は周りにいる子らに説明を続けた。
 「ちょっと変わった投げ方で石を投げて、水の上を何回はね
たかを競うんだ。どうかな?」
 「おもしろそ〜!」
 「うん、僕もやる!」
 男の子が多い中、一人の女の子がおずおずと出てきた。
 「あの…、わたしもやりたいな…。」
 しかし、男の子の反応は冷たい。
 「え〜?やだな…。」
 「そうだよ、ぼくも…。」
 「……くすん、わたしやっぱり…」
 と、そこにティナが出てきた。
 「いいじゃないの。女の子は駄目って誰が決めたの?さ、私
と行きましょ?いいでしょう?紅蓮さん。」
 「いいよ。女の子だからって断る理由なんてないしな。それ
はそうと…こら。女の子いじめちゃ駄目だぞ?」
 「…は〜い。」
 「ごめんな。一緒にいこ?」
 「うん!」
 女の子は、仲間に入れてもらえてうれしそうだ。
 「なあ、お兄ちゃん達、昨日来たばっかりでよく分かんない
んだけど、ここの近くに大きな池か湖みたいの、あるかな?」
 「うん!ローズレイクなら大きいし、すぐだよ!」
 「そっか。おーい!デュークー!この子らと一緒にローズレ
イクってとこまで行ってくっからなー!よし行こう。ほら、ティ
ナも早く。」
 「ちょ、ちょっと待って下さいぃ。」
 ぱたぱたと後を追うティナとともに、紅蓮達はローズレイク
へと出かけていった。

 そしてデューク達はというと…
 「いっちったか…なあ、デューク。紅蓮ってなんなんだ?化
けモンじみたことしたりするくせに子供にやけになつかれてる。
よくわかんねーやつだな。」
 「そうだろ、アレフ。紅蓮はつかみ所がないからな。俺もよ
くわかんねーよ。強いて言えば…今のあいつが一番紅蓮らしい
な。どーせ、全滅させたっつっても死んだヤツは一人もいない
だろう。紅蓮はそーゆーヤツだからな。」
 「ふ〜ん。わっかんねーや………ぐへっ!」
 床に座り込んでいたアレフに、いきなり子供がのっかってき
た。
 「アレフ兄ちゃん!遊んでる途中だよ!お仕置きだい!みん
な〜!アレフ兄ちゃんの上にのっちゃえ〜〜!」
 「わ〜い。ぼくも〜。」
 「やっちゃえ、やっちゃえ〜!」
 ぴょん…ドス!うげっ!…ぴょん…ドス!げふぅっっ!ぴく
ぴく…
 アレフに遊びを中断され、怒った子供達はアレフに対して怒
り(?)の鉄槌を下した。
 つんつん…デュークはアレフを棒で突っついている。
 「おーい。アーレーフー。いーきてーるかー?おーい。」
 返事がない…ぴくりとはするが…。
 「へ、返事ないですね。」
 「アレフくん、大丈夫かしら…。」
 「…!うお〜!負けてたま…!」
 と、そこはアレフ。シーラとシェリルに心配され、復活の兆
しを見せたアレフだったが…
 「あ〜!アレフ兄ちゃんが!第二、第三部隊しゅつどー!」
 「分かったよぉ!」
 「OK!」
 さらに子供が上に乗り…十人乗ったとこでアレフは気絶して
しまった。…合掌
 「わーい。アレフ兄ちゃんの負け〜♪」
 教訓…子供は手加減を知らない上に集団で来るため、たちが
悪すぎ byアレフ

 「で…こうなった、と。」
 紅蓮が冷ややかにアレフを見つめる中、シーラとシェリルが
神聖魔法でアレフを回復していた。
 「あてて…。ンなこと言うなよ、紅蓮。こっちは大変だった
んだぞ?」
 ようやく目を覚ましたアレフが、肩をコキコキとならしなが
ら疲れたよーに言う。
 子供達はというと、昼寝の時間になったのでみんな寝てしまっ
た。一応、今日の仕事はこれで終わりらしい。
 「さあて。今からさくら亭にでも行くか。」
 「なあに言ってるアレフ。終礼が先だろう!」
 終礼をサボって逃げようするアレフのえりを、さっとデュー
クがつかみ、逃がそうとしない。
 「紅蓮とティナはどうする?」
 「さくら亭に帰るに決まってンだろう。アルザとウェンディ
が心配だかンな。」
 「そうですね。由羅さんだけに頼むわけにもいかないですし。」
 そういうと、紅蓮は「アリサさんによろしくと伝えといてく
れ」と言い残し、ティナとさくら亭へと帰っていった。
 「さて、それじゃ神父さん、どうもありがとうございました。」
 「いえいえ、こちらこそ。またお願いしますね。」
 「それじゃ、ジョートショップに帰りましょうか。」
 「そうですね。」
 そして…デューク達はジョートショップへと戻っていった。

 後書き

 ども、ともです。三話目は少し短くなってます。いや、二話目
かな?けど、一番手直ししたあげく時間が結構かかったとこです。
子供の口調に苦戦しました。
 今一番の疑問…これを読んでくれてる人は果たしてどれくらい
いるんだろうか…。って、こんなむなしいこと考えてちゃいかん!
自分なりのペースでいくぞっ!
それでは。また。ともでした。


中央改札 悠久鉄道 交響曲