「学園を取り戻せ! 〜the day before〜」
とも
(MAIL)
ある、闇に包まれた夜…後幾日かで真円を描く月がそこを照らす中、数人の人間達が何
かを運んでいた。
「ドクター…こんなもの、いったい何に…」
「…何か問題でも?」
その重さに思わずググチをこぼした男を、にこやかに…そして冷たい視線で、白衣の男
は聞き返した。
「いえ…」
「ならよろしいです。いいですか? くれぐれも破損はしないようにして下さい。」
ズン…!
「ふう…ここで良いんですよね。」
男達の手によって、それは設置された。ドクターと呼ばれた者は、それを見て満足そう
に頷く。
「結構です。では、作戦に移りましょう。これは、明日の正午過ぎに発動します。それ
に合わせて、あなた方は行動を起こして下さい。他の方々には、すでに伝えてあります。」
「「はい。」」
ドクター以外の者は、ひとつ頷くと闇の中へと消えていった。
「ふふふ…。これで、私の野望が叶う…。ここならば、私の理論が証明される…!」
後に残ったドクターも、そう呟くと闇の中に消えていった。
…そこに…『それ』を残したまま。