中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲

「第一章〜出会い…、と引き裂かれる絆〜」 とも  (MAIL)
 過去より… 第一章〜出会い…、と引き裂かれる絆〜

 どこから話そうかな…。まあ、デュークと会った頃でいいか。

 そん時、俺は自殺騒ぎを起こしたことがあってな。理由は簡単。元
の世界に戻れなかったショックだよ。まあ、そのおかげで合成魔法が
出来るようになったんだけどな。

 「なんで自殺と合成魔法が関係あるの?」
 「分かんねーか?魔法と魔法のぶつかり合いで自分自身を消し去ろ
うとしたんだよ。その結果が合成魔法ってわけさ。話続けるぞ。」

 バーリアの街からレミットんとこに招待されて、何だかんだで気持
ちの方も落ち着いてきた時。ひょんなことからマリエーナ国で武闘大
会が開かれた。第一王女の誕生記念だったっけかな。俺は見学組だっ
たんだけど、その大会で優勝したのがデュークだった。

 デュークの優勝が決まったとき、あっさり優勝が決まったのが気に
くわなかったのか、「優勝者は我が国の第三王女レミットの友人であ
る、紅蓮殿との謁見試合をするように。」って言い始めたんだ。んで
も、国王が言ったんだからな。きかねぇわけにはいかねぇ。しゃぁな
いんで、俺もデュークもその申し出を受け入れ、急きょ謁見試合の始
まりになった。

 「お前も災難だな。優勝したばっかりに俺と闘うことになっちまっ
たんだかんな。」
 「いや。手応えのない奴らばっかであきあきしてたんだ。」
 デュークはそう言うと、今でも使ってるあの剣をかまえた。今でも
そうだが、あいつが使ってる剣はいい物だぜ?俺が具現化させた得物
に匹敵するぐらいだからな。
 「手応えのない…ね。いいね、久しぶりに張り合いがあっかな?!」
 そう言いながら、俺は腰に下げてた剣でデュークに斬りかかった。
 キィン!
 「甘いね。あんた、剣にはあんまりなれてないだろ?」
 俺の一撃をあっさりと受け流したデュークは、懐に入り込みながら
斬りかかろうとした。けど、それが俺の狙いだったんだ。朋樹と一緒
で、剣よりは拳の方が闘いやすい方だからな。間合いを縮めてきたデュ
ークにさらに密着して、斬撃が出来ないようにした俺は思いきりみぞ
おちに掌打を叩き込んだ。
 ドコッ!
 「ぐっ…。」
 「俺の名は紅蓮って言うんだ。さっきの聞いてなかったのか?」
 デュークは俺の方を見てニヤリと笑うと、さらに突っ込んできた。
 「紅蓮、か。久しぶりに面白い闘いになりそうだ!」
 ビュォン!
 ギィン!ガギィン!
 俺とデュークの剣がぶつかり合い、火花を散らして交じり合う。押
しつ押されつの攻防戦が何度も何度も続いた。
 ………数十分後…。
 お互いに打ち合いまくって、どっちも疲れてきて限界になってきた
とき。不意にデュークの体がよろめいた。俺はそれを見逃さず…!
 「旋撃蹴!」
 ガッ!ゲシッ!ゴガァッッ!!
 俺の得意技、「旋撃蹴」。ま、平たく言えば三連蹴りなんだけどな。
ともンとこで俺が教わった蹴撃術だ。これは、俺なりにアレンジ加え
てるヤツで、たいていのヤツは一発目はよけられても二発、三発目は
喰らっちまう。喰らったら最後、しばらくは歩けはしないはず…だった。
 「たたた…。鍛えててよかった…。危険なモン使うじゃねぇか。なら…!」
 ただ痛がるだけで、ダメージは見た目には感じられなかった。しかも…
 「近づくと危険なら、これでどうだ!」
 気合いと共に剣を振り下ろすデューク。すると、切っ先からかまい
たちを繰り出してきた。今ならニードル・スクリームかヴォーテック
スで何とかなるけど、そんときゃ風系の魔法なんて知らなかったから
な。とすると、俺のやることはただ一つ…
 『右に集うは内に秘めし力
  エネジー・アロー!』
 俺は魔法を地面に向かって放った。途端に起こる爆発。それによっ
ておこる砂ぼこり。視界はさえぎられちまうが、かまいたちは砂ぼこ
りなんか関係無しに飛んでくるからな。それに、通り道のほこりは風
の力で吹き飛んじまう。どこから来るかが一目瞭然ってことだ。
 「…ライトニング・ジャベリン!」
 「ぐああぁぁ!」
 これにしたのは、デュークが剣持ってるからだ。イヤでも当たっち
まうからな。
 「それまで!勝者、紅蓮!」
 今だただようほこりのせいでよく見えなかったが、どうやらデュー
クが倒れたみたいだった。近づいていったら、痺れてピクピクしてたっけ。

 試合のあと、気のあった俺らは、レミットの協力を得てデュークを
しばらく客人としてもてなすことにしたんだ。そんなおり…
 「大変です!紅蓮さん!」
 一人で酒飲んでた俺んとこに、血相変えたアイリスさん…レミット
の侍女で魔宝探しの時もずっと一緒だった人だ…が駆け込んできたんだ。
 「どうしたんスか?アイリスさん。」
 「ティナさんの部屋に魔族が…!」
 俺はそれを聞いた途端、すでにティナの部屋に向かって走っていた。
部屋に近づくにつれ、兵士の数が増えていく。それと同時に強い魔力
を感じたよ、イヤな雰囲気のな。そして部屋に駆け込むと、魔族の男
がデュークやレミット達と向き合っていた。ティナは普段着のまま、
男の傍らに宙に浮かんでた。魔法で眠らされてたんだろう、かなりの
大騒ぎにもかかわらず眉の一つすら動かさなかったっけ…。
 「紅蓮!遅いじゃないの!」
苛立ったレミットが檄を飛ばす。俺は平静を保ちながらゆっくりと
答えた。
 「悪ぃ。廊下の兵士達が邪魔で手間取った。」
 男はレミットの「紅蓮」っていう言葉に反応して、俺の方を向くと
こう言ったんだ。
 「ほう…。お前が紅蓮か…。」
 「それがどうした?さっさとティナをはなせよ、おっさん。」
 「やれやれ…。我が娘ももうろくしたものだな。このような人間如
きに引かれるとは…。」
 「んだと…?」
 俺は気付かれないように詠唱をして、ヤツにゆっくりと近づいていっ
た。すると、やつはそれを見透かしたように…
 「やめておけ。エネジー・アロー如きでは私を傷つけることは出来
ん。それに、貴様のような人間如きに私の娘をまかせるわけにはいか
ないのでな…。さらばだ…。」
 と言った直後、部屋の物全てを吹っ飛ばすような風で視界を遮られ
た。気付いたら、風と共にティナとティナの親父の姿は消え去っていたよ。

 俺はすぐに仲間に協力を頼んだ。アルザ、ウェンディ、デューク。
そして、たまたま近間にいたカイル…魔宝探しの時のライバルだ…と
揚雲(ヤンユン)…カイルのパーティにいた、影の民の娘だ…の二人
も一緒に闘ってくれることになった。レミットも来たがっていたが、
あいつは国王らに外出を禁じられたうえ、十数人のボディガードに囲
まれて動くに動けない状態だったんで来れなかったけどな。で、三日
後…ようやくティナのいる城を見つけたんだ。


 後書き

 どうも。ともです。二話目、ちょいと短すぎる…かな?
でも、ここで切らないと次で切れそうもないので…(^^;
 今回は、無茶なことながら紅蓮くんの語りで話を進めています。な
れていないせいもあり、ちょっと読みにくいかもしれません。ご了承
ください。m(__)m

 では、また。ともでした。

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