中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲

「NO-11 〜解かれた縛め〜」 とも  (MAIL)
 NO-11 〜解かれた縛め〜







 「アリガトウゴザイマス…。アナタ達ノオカゲデ自由ノ身ニナレマシタ…。」
 ひざまづき、八人に頭を下げる四号。その目にはもう、先ほどの笛による縛めから
逃れようとする感じは消え、意外なほどに優しい雰囲気がただよっていた。そのせい
か、近くにはリスなどの小動物の姿も見える。
 「ソレデ、一ツ頼ミガアルンデス。…ボクヲ…殺シテクダサイ。」
 ガササッ
 四号の雰囲気が変わったことに驚いたのか、リス達が急に逃げ出す。
 「な…なんで?なんで僕たちに…?」
 「ボクハ…絶対ニ生マレテキテハイケナイ存在ナンデス。」
 四号はポツリ、ポツリと語り始めた。
 「ボクハ…アラユルモンスターノ長所ヲ研究シ、ソシテ作ラレタ合成魔獣ナンデス。
ボク以外ニモ一号、二号…他ニモ一,二体ホドイタラシンデスケド…破棄サレタラシ
イデス。ソシテ、ボクガ最後ノ一体ダソウデス…。」
 「なるほど…。だから禁忌の古代魔法で魂を封印して、自由に操れるようにしたん
ですね…。」
 シェリルの言葉に四号は頷き、さらに話を続ける。
 「ハイ。シカモ、ヤツラガドウヤッタカハ知ラナインデスガ…ボクハボクヲ殺スコ
ト…ツマリ自殺ガ出来ナインデス。モウ、何回実行シヨウトシタカ分カラナイ。何度
コノ地獄カラ逃ゲヨウトシタコトカ…。デモ、ソノ度ニ直前デ体ガ勝手ニソレヲ止メ
テシマウンデス。ケド、アナタ達ナラボクヲ殺スコトヲ出来ルデショウ。オ願イデス、
ボクヲコノ呪縛カラ解キ放ッテクダサイ…。ボクヲ、本当ノ自由ノ身ニ…!」
 最後の方になってくると、頭を抱えてうずくまる四号。逃れられなかった苦しみを
思い出したのだろう。ガタガタと震え、怯えている様子が見られる。
 「四号…。」
 「…。」
 言葉を無くす一同。一時の沈黙のあと、不意にシェリルが口を開く。
 「本当に…。死ぬしか選択がないんでしょうか?」
 「?」
 「もう、魂の呪縛は解けたんですよね?なら、死ぬ必要は無いじゃないですか!」
 「シカシ、捕マッタラマタ操ラレテシマウンデスヨ!ナラバ、イッソ!」
 シェリルは必死に訴えるが、四号は捕まったときのことを恐れるばかりだ。
 「ふむ…。捕まる、か…。しかし、お前ほどなら追い払うことなどわけないのでは
ないか?」
 静かに見守っていた族長は、ゆっくりと話しかけ始める。
 「まあ、お前は奴らに作られた身だ。創造主を恐れるのも無理はないだろう。が、
逃げるのはどうかな?」
 「逃ゲル…、デスカ?」
 目の色を変える四号。しかし、族長は臆せず続きを語り始める。
 「ああ。お前はな。私から見たらただ逃げているようにしか見えん。自由からな。」
 「自由…?」
 四号の目に映る恐れの色が薄れていく。
 「そうだ。自由だよ。四号、お前は長く魂を縛られていたせいで、いつしかその状
態になれすぎていたのだ。そして、思いもよらないときにお前は自由を手にした。」
 「…」
 「長年追い求めていた自由。しかし、それを急に手に入れた反面、お前はそれに恐
怖を感じかのではないか?」
 「ボクハ…ボクハ…。」
 「自由ねぇ…。そんなに怖くなるもんなのかしら?あたしは自由が一番だと思うけ
ど。どう思う?アルザ。」
 「うちも自由が一番やと思うで。自由気ままに思うがままに、ってな。何かに縛ら
れるのは、うちはイヤや。」
 四号と族長が話し合う最中、ヴァナとアルザは四号の気持ちも何のその、勝手に話
し込んでいる。
 「う〜ん…。ねぇ、四号。族長の所にいれば?」
 黙りを決め込んでいた朋樹がポソリと言う。
 「?」
 「四号が族長達のことを守ってあげなよ。行くとこなんて無いでしょ?だったらさ、
もうあいつらが研究が出来ないようにしちゃいなよ。んでさ、時々族長と一緒にここ
らの森を見回るんだ。そうすれば四号みたいな可哀想なモンスターは生まれないと思
うよ。それに、自由って言ってもいろいろあるし。そういうコトは、ゆっくり考えれ
ば?」
 「ほほう…。それもいいかもしれんな…。よし、四号。お前に私たちの一族の名、
「フェーン」の名をやろう。それを名として受け取ってくれ。そして、ここら一帯に
住むモンスターや動物達を心無い者どもから守護して欲しい。」
 「アリガトウゴザイマス…。コンナボクデヨケレバ、イクラデモ命ニ従イマショウ。
コノ命、尽キヨウトモ…。」
 四号…フェーンは族長の前にひざまづく。そして、朋樹達の方に向き変えると頭を
下げた。
 「アナタ達ニハ本当ニ世話ニナリマシタ。マタ来テクダサイ。アナタ達ナラ、イツ
デモ歓迎シマショウ。」
 「うん!ボク達、ずっと友達だからね!」
 トリーシャはフェーンと握手を交わす。そして他の者も一人一人握手をしていった。






 後書き。

 ども。ともです。んむ。今回も短いですね。けど、キリのいいトコだったんで…。
(^^; 四号くん…いや、フェーンくん。今後どうしようかな…。

しかし…やっぱ、描写がいけてなぁぁぁぁい!!って、いっつも同じよーなコト言っ
てるなぁ、わてってば。学習能力ないように見られそう…。

 ふぃ〜〜〜。(−。−)次回、やっとシメです。長かった…。

んでは。ともでした。 

中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲