中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲

「NO-5 〜いざ、洞窟へ〜」 とも  (MAIL)
 NO-5 〜いざ、洞窟へ〜








 「ふぁぁぁ…、おはよぉ…。」
 「何か眠そうですね。そんなに遅くまで起きてたんですか?」
 洞窟探検の日。朋樹以外の四人は以外と早く起きていた。一人遅れて起きて
きた朋樹に、たまたま一人で火の番をしていたクリスがたずねる。火の上では、
女の子達が作ったのだろうスープが煮えていた。
 「うん…。ちょっとね…。僕、朝に弱いんだ…。ふぁぁぁ…。ちょっと顔洗
ってくるね…。」
 ふらふらと朋樹は川の方へと歩いていく。クリスもあくび混じりにのびをし
た。と、クリスは何かを思いだしたように川の方を向く。
 「いやぁぁぁぁ!!!」
 「きゃぁぁぁぁ!!!」
 「エッチィィィィ!!」
 「「「……ヴォーテックス!!」」」
 「うっわあああぁぁぁぁ…………!」
 ちょうど、その時に女の子達の悲鳴が響き、朋樹は竜巻に吹っ飛ばされてい
るところだった。
 「ごめん、朋樹くん…。言うの忘れてました…。」
 クリスはそれを見、人知れず手をあわせて謝っていた。女の子達は、今朝は
以外と暖かかったので、川の方で湯を沸かし、体を洗っていたのだった。

 「まったく…。クリスくんってば…。ちゃんと朋樹くんに言っといてくれな
かったの?」
 「ごめんなさい…。」
 「もう、ビックリしたじゃないですかぁ!」
 「…お星様ァ〜〜〜〜〜〜…☆」
 トスッ!
 「へ?…あれ?僕…何してるの?」
 「洞窟行くんでしょ?ほら、早く支度!」
 「う、うん。…あれ?何かいいことあったような…とんでもない目にあった
ような…。」
 いっちゃってた朋樹をチョップで元に戻し、出発を促すトリーシャ。朋樹は
何事かブツブツと言いながら、とりあえず支度に取りかかる。その様子からい
って、さっきのことは忘れているようだった。

 「じゃ、行ってくるね、お父さん。」
 「ああ。それでは、気を付けて行って来るんだぞ。みんな、怪我の無いよう
にな。」
 「はい。」
 用意の終わった五人+一匹は族長に見送られ、洞窟へと入っていった。

 ピチョン…ピチョン…
 洞窟の中は以外に広く、絶えず水滴の音が反響して響きわたる。
 「うう…。やっぱり気味が悪いですね…。」
 「やっぱりって?普通、洞窟ってこういうもんでしょ?気味が悪くない洞窟
なんてある?」
 「ないない。」
 「でも、やっぱり恐いですよ。こうやってしゃべってるのだって反響してる
んですから。」
 シェリルの言う通り、皆のしゃべる声が反響している。それに驚いたコウモ
リが時々羽ばたいて逃げ、さらに皆を驚かせる。
 「そういえばさ、イリス。」
 「なに?」
 「ここってモンスターとかでる?」
 「ちょっと…。やめてよ、朋樹くん。あんまりそういうことは…」
 「出るわよ。もちろん。」
 その言葉にびくっと後ずさる五人。
 「う…嘘でしょ?」
 「ううん。ほんと。ま、滅多に出ないけどね。あ、もうすぐキノコがある場
所よ。ここは高いとこにあるから…朋樹にクリス。出番よ♪」
 「…ええ〜〜〜!あ、あんなに高いんですかぁ?!」 
 「…あれ、パスしよっか?」
 その高さを見、怖じ気づく二人。しかし…
 「あのキノコ、結構珍しいのよね。ひょっとしたらポイント高いかも。」
 「よし!クリス、早くとろう!僕が支えるから!ほら。早くってば!こうい
うところに生えてるキノコは、いしづき…あ、岩にくっついてるとこが堅くな
ってるから。このナイフ使ってギリギリのとこで切り取ってね。」
 「朋樹くん…。そんなにテスト受けたくないんですか…?(僕もあんまり受
けたくないけど…)」
 イリスのポソッとした一言に、急にやる気を出す朋樹。ナイフを受け取った
クリスも渋々ながらも手伝いを始める。
 「どう?届く?」
 「あ、もうちょっと右によって下さい。そうそう、もう少し…。」
 フラフラしながら、キノコの採集にかかる二人。しかし、後の三人と一匹は
ただ見守るしかできないのだ。下手に声をかけるとバランスを失って倒れかね
ない。よって、できることといったら、足下のつまづきそうな石を素早くどけ
たりするしかない。

 数分後
 「やっと採れた…。」
 「ごくろーさま。」
 「この次もこんなのじゃ、疲れちゃいますね…。」
 以外に手間取り、疲れる二人。しかし、キノコの採集は始まったばかりだ。
 「ね、イリス。後どのくらいあるの?」
 「う〜んと…。後十種類だよ。あたしの記憶によるとね。でも、あとはそん
なにキツイのはないはずだから。あるとすれば、一番奥にある灯火茸(ともし
びだけ)だよ。あそこ、ちょっと厄介なヤツがいるの。後は簡単よ。」
 「灯火茸?聞いたこと無いですね…。」
 「ディアーナでも知らないの?結構詳しいよね、薬草とか。」
 「そんな詳しくないですって。あたし、よくそういう本とか読んで知ってる
だけだから…。でも、先生や朋樹くんにはかなわないですよ。」
 「いや…でも、僕よりたくさん知ってたじゃない。名前とか、効能とか。そ
ういうとこ、すごいって思うよ。僕は。」
 「そんな…。そんな変わんないですよ。」
 朋樹のほめ言葉に照れるディアーナ。そんな中、トリーシャが思いついたよ
うにポンと手を打つ。
 「あ!もしかして、それって新種のキノコなんじゃない?!だとしたら、ボ
ク達有名人だよ!うわ〜、もしかしたら発見者として本や新聞に載ったりして…!」
 「あるかもしれないわ。だって、私も文献とかで読んだこと無いもの。私、
今まで読んだ文献思い返してみたんですけど、記憶に引っかかるものがないし…。」
 黙って聞いていたシェリルもその言葉にうなづく。その言葉を聞いた途端、
全員のやる気メーターが2.5倍(当社比)までアップした。
 「よ〜し!さっさと九種類集めて、灯火茸手に入れようよ!」
 「そうと決まれば…イリス、早く次いこう!」
 「分かったわよ、じゃ、ちゃっちゃと行きましょ、ちゃっちゃと。」
 と、イリスは急きたてられ、急ぎ足で奥を目指す。五人もその後に続いて行
こうとしたが…。
 「きゃっ!」
 「あたっ!」
 「いてっ!」
 …慣れているイリスはスムーズに進めるが、やはり洞窟に慣れていない五人。
ある者は天井からのびている石の氷柱(つらら)に頭をぶつけ、またある者は
急いだ拍子に暗がりに足を取られ、その場に倒れてしまう。
 「はぁ…。やっぱり…こうなると思ったのよね…。」
 「そ…そういうことは早く言って下さいよぉ…。」
 ヤレヤレとため息を吐きながら言うイリスの言葉に、ディアーナは頭にでっ
かいタンコブを作りながら弱々しく反論したのだった。




 後書き

 どもども。ともです。まずは復活一発目♪って、あと…いくつあるんだろ?

 やっと洞窟はいります。…でも、結構短かったりする…。(爆)自分でバラ
してどーするっ!!わてぇっ!!はぁはぁ…。
 気を取り直して…。今回のは、洞窟の頭です。いきなり苦労してますけどね、
みんな。ま、この後の苦労からすると軽い軽い。

と、ゆーわけで。ともでした。

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