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「NO-8 〜闘いの中…怒りの少女達〜」 とも  (MAIL)
 NO-8 〜闘いの中…怒りの少女達〜






 「ヴァニシング・ノヴァ!」
 キュォォォ!
 詠唱もなしにいきなりヴァニシング・ノヴァを放つ四号。
 「!」
 朋樹は、腕や足等をかすりながらも何とかそれをよけている。しかし、災難な
のはヴァナだ。朋樹の後ろにいたため、よけられたヴァニシング・ノヴァがヴァ
ナめがけて飛んでくるのだから。
 「な、なんて反則なのよ?!信じられないわ!それに朋樹!ちょっとは攻撃受
けて数減らしなさいよ!」
 「ん、んなこといわないでよぉ〜〜〜。」
 ヴァナは朋樹に、冗談とはとらえにくいコトを言う。しかし、しゃべりながら
も魔法障壁をはり、それに耐えていた。
 「…紅蓮、使わせてもらうよ…!」
 素手や単なるナイフでは無理と判断した朋樹は、紅蓮に言われたとおりに指輪
の石を回してみた。すると、指輪が光ったと思うと両手…と言うよりは両腕に近
いが…を光が包み込み、徐々に爪手甲へと姿を変えていく。紫の刃ということは
ライトニング・ジャベリンの具現化のようだ。
 「重さを…感じない?!」
 普通なら、物があればそれ特有の重さ…質量…があるはずである。だが、紅蓮
のよこしたそれは重さを微塵も感じさせなかった。思い切り振ってみて、そこら
にある中くらいの木ならきれいにスッパリと斬れてしまうのに、だ。朋樹はそれ
に驚き、あらためて自分の幼なじみが人間離れしているコトを再認識させられた。
(朋樹も十分人間離れしてるが…)
 「カーマイン・スプレッド!カーマイン・スプレッド!!」
 四号は、魔法障壁をはろうとせず、手甲をぼんやりと眺めていた朋樹めがけ、
カーマイン・スプレッドを連発させた。

 『汝、破壊を司る者…
  滅びを誘う閃光(ひかり)を以て彼の者達を打ち滅ばせ!
  ヴァニシング・ノヴァ!』
 キュオォォン!…ドドォォン!
 「ぎゃああ〜〜!」
 「必殺!トリーシャチョップ・分散連撃ヴァージョン!」
 ゲシゲシゲシィ!
 「うわああああ!」
 紅蓮からもらったペンダントの効果のせいだろう、シェリルは景気よく魔法を
ぶっ放す。トリーシャのチョップもいつも以上にキレがよかった。ディアーナに
至っては出番をつぶされ、一人暇そうに経過をのんびりと見ている。
 「さあ、おとなしくその笛を渡しちゃいなよ!」
 ボディーガードの最後の一人も地に伏せ、勢いづいたトリーシャを先頭にし、
青年へ詰め寄る三人。
 「くっ…!我々の精鋭がたかが小娘三人如きにやられるとは…!」
 青年はジリジリと後退し始める。気付かれないよう、腕で口を隠して詠唱をし
ながら…。
 「逃げられないですよ!ここはおとなしく…。」
 「この笛は渡すわけにはいかないんでね…!カーマイン・スプレッド!」
 ドゴォッ!
 「きゃあああっ!」
 スキをつき、魔法を放つ青年。不意を付かれ、前に出ていたシェリルがモロに
喰らって吹っ飛ばされる。
 「シェリル!」
 「シェリルさん!」
 思わず駆け寄る二人。が、シェリルは何とか自分に神聖魔法をかけると、
 「大丈夫です!それより、早く!」
 と、二人を押しとどめるように叫ぶ。
 「…分かった!シェリル、待ってて!すぐに終わすから!」
 「まかせて下さい!」
 と二人はうなづき合うと、同時に詠唱を始める。
 『『汝、時の流れを司りし者…』』
 『彼の者を時の枷を以て縛めよ!』
 『我に汝の恩恵を与えん!』
 『タイムズ・ウィスパー!』
 『クロノス・ハート!』
 キィィィン!
 魔法が解き放たれ、青年は意識はあるものの一歩も動けなくなってしまう。
 「よお〜っし!必殺!」
 「あ、ちょっと待って、トリーシャちゃん。」
 さっそくチョップをかまそうとしたトリーシャを、ディアーナが急に止める。
 「なに?ディアーナさん。」
 『炎の精イフリートよ
  その猛る怒りの炎の加護を我が友に与えよ
  イフリータ・キッス!』
 何を思ったのか、急にトリーシャに精霊魔法を使うディアーナ。
 「こういう人にはきついお仕置きが必要ですよ。」
 「う、うん。ありがと…。じゃあ、気を取り直して…!」
 そして、トリーシャは自分の髪の毛に手を入れる。そして、そこからでっかい
チョップ棒を取り出し、軽く腕ならしのように一回転させると上に思い切り振り
上げる!
 「必殺!怒りのトリーシャチョップ・本気ヴァージョン!!(×三)」
 バキィッ!ドゴォッ!ドゲシィィッ!…パタッ
 さすがに最後の一撃には耐えきれなかったのか、パタリと倒れる青年。
 「ボク達の勝利ィ〜♪」
 さりげなく青年の体に足をのせ、チョップ棒を掲げるトリーシャ。腰に当てた
手には、いつの間に盗ったのか、笛が握られていた。おそらくチョップしている
ときにでも盗ったのだろうか…。…案外、抜け目がない。
 「あ。これの使い方聞き出す前に気絶させちゃった…。ね、シェリル。これの
使い方…なんて分かんないよね?」
 バツが悪そうに言うトリーシャ。しかし、シェリルからは意外な答えが返って
きた。
 「この紋様…。…!トリーシャちゃん、これ、古の魔法だわ…。」
 「ええっ!?な、なんで紋様だけで分かるんです?」
 ディアーナの疑問に、シェリルは少し早口で答え始める。
 「これは、失われたといわれている古代キスルク魔道王国の古代魔法の一つな
の。詳しいことは省くけど、簡単に言えば四号と呼ばれていたモンスターの魂が
ここに封じ込められているのよ。その非道さゆえ、闇に葬られたって記されてあ
ったわ。」
 「じゃあ、それを壊せば…!」
 「ううん。それだと、今のままかもしれないの。さっきの行動から考えたんだ
けど、『あのモンスターに命令した直後に笛を吹けばいい』と思う。そうすれば、
この人の行動のつじつまがあうから。壊して魂を解放するのは、正気に戻してか
らにした方がいいかもしれない…。下手をすれば、正気を失ったままかも知れな
いし…!くっ…。」 
 シェリルは怪我を負わされながらも、冷静に判断を下す。
 「じゃ、朋樹くんとヴァナさんの方はディアーナさんが行って。」
 「え?」
 いきなりの指名に驚くディアーナ。その手にはシェリルを治療としていたのだ
ろう、傷薬が握られている。しかし、トリーシャはそれにかまわず話を続けた。
 「だって、三人の中で一番足速いじゃない。早くしないと二人が危ないでしょ。
ボクとシェリルはクリスとアルザの援護に行くから。」
 ドン!ドゴォォン!
 トリーシャの話が終わった直後、朋樹達の方から大きな爆発音が響く。ディア
ーナは血相を変え、
 「あ、あたし行ってきます!トリーシャちゃん、シェリルさん、あっちの方は
任せましたよ!」
 と、言うとすごいスピードで爆発音のもとへと走り去っていった。
 「さ、シェリル!ボク達も行こ!(…悪いけど、こんな時に血を見て気絶され
たら困るもんね…)」
 「ええ!」
 そして、トリーシャもシェリルを気遣いつつ、クリス達のもとへと向かってい
った。








 後書き


 どもども。ともです。題名、すごいことになってますね。(笑)
わてとしては、ちょっと後悔してます。…キャラの性格が過激すぎたよーな気が
しちゃってちゃって。なんかお怒りの声が来そーで恐い。(^^;

 さて、次回も…うう、「こんなん○○じゃなぁーい!」って言われそうだなぁ…。
でもま、たぶん大丈夫!(なのか?!)

 ほんじゃ。また。ともでした。

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