中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲

「NO-9 〜闘いの中…意外な援軍〜」 とも  (MAIL)

 NO-9 〜闘いの中…意外な援軍〜







 一方、クリス達は…
 「ちっ…。ちょいときついかもしれへんな…。」
 二人の攻撃で倒れた男達の人数は数人、アルザの視線の先にはまだ半分くらいが
残っている。
 「どうする?」
 「所詮はガキと女の二匹だ。…一気にたたんじまうぞ。」
 男達は耳打ちしながらジリジリとにじり寄ってくる。

 「アルザさん。僕が前に出て、ありったけの魔力で魔法唱えます。そのスキに、
あの人達を倒して下さい。魔法でも、何人かは倒せるはずです。」
 「ちょ…。何言うてんのや!クリスは後ろからうちの援護しとる言うたやろ?無
茶言うたらあかん!」
 「大丈夫です。」
 クリスの提案に怒るアルザ。無理もない。クリスには悪いが、はっきり言って戦
闘向きの体つきではないのだ。それこそ、前に出でもしたら眼前の屈強な男達にに
ひねり潰されてしまうだろう。しかし、クリスは額に汗を浮かべながらもアルザに
笑いかける。
 「僕だって男です。それに紅蓮さんや朋樹くんから護身術として、技を教えても
らってますし。じゃ…、行きますよ…エンチャント・マジック!」
 駆け出しながら、クリスはあらかじめ詠唱しておいた魔法を解き放つ。そして、
さらに詠唱を重ねる。
 『金色の旋風よ…
 我が意のままに、彼の者共に襲いかかれ!
 ヴォーテックス!』
 ゴオォォォ!
 「な、なにぃ?!」
 油断していた二〜三人が竜巻に巻き込まれる。そして、クリスの放った魔法が他
の男達をも巻き込もうとしたとき…。
 「ヴォーテックス。」
 男達のなかの一人が魔法を放ち、竜巻同士でその効果を相殺させてしまった。
 「なかなか…しかし、これで終わりだ!」
 魔法が打ち消され、一人前に出ているクリス。その無防備さに、男の一人が殴り
かかってくる。
 「ちっ!ま、間に合わへん!」
 「てぇい!」
 一瞬の出来事だった。男がの拳がクリスの顔面をとらえようとしたとき、クリス
がその一撃をすんでの所でかわす。
 『勢いを利用して、威力を上げることができるんだ。』
 手ほどきを受けていたときの声が頭に響く。
 クリスは相手の攻撃による勢いを利用し、全体重をのせた一撃をみぞおちへ叩き
込む。いわゆるカウンターである。
 『バランス崩したら、投げて反撃されないように!』
 再び響く、友人の声。
 そのまま相手の懐に入り込み、男を背中に乗せるような感じで投げ飛ばす。皆、
その動きの良さに言葉を失った。
 「…これくらい、僕にだって…」
 ドゴッ!
 アルザに向かって走ろうとした矢先、クリスの目の前に現れた男が、クリスを殴
って気絶させる。
 『闘いの時は油断しないこと。それが命取りになるときもあるんだぞ。』
 「ふん、手間ァ取らせやがって。そこで寝てな。」
 崩れ落ちる意識の中、クリスは耳にタコができるほど聞いた言葉を思い出し、自
分の浅はかさを悔やんだ。

 「ちっ!手間取らせやがって!」
 「…(これで終いなんてイヤや…!)」
 しばらく粘ってはいたが、救援に来るはずのトリーシャ達がいつまでも来ず、つ
いに逃げ場を失ったアルザ。それでも一矢報いようとはするものの、体が言うこと
をきかない。
 「ん?なんだ、いい首飾り持ってんじゃねぇか。金になりそうだぜ。」
 「!」
 取り囲んでいた内の一人が、強引にアルザの首からぶんどる。と、その拍子に鎖
が切れた。
 「な、なんや?!これ…!?」
 途端、アルザの体が淡い光に包まれたと思うと負っていた傷が全て癒される。首
飾りはアルザが全快すると同時にその形を崩していき、男の手からその姿を消した。
 「チィッ!しくった、マジックアイテムか!」
 舌打ちをした者を筆頭に、いっせいに襲いかかろうとした!アルザも全快した体
で徹底抗戦使用とした…その時
 「ブレイク!」
 「ウゲェッ?!」
 声と共に赤い一筋の光が一人をとらえる。
 「て、てめぇ?!」
 「女の子一人に何人がかりだ?大の男が。」
 「ヤロォ!」
 声の主はさらに近くにいた男をこれでもかと言わんばかりにしばき倒す。
 バキ!…キィン!ドゴォ!
 「…?」
 アルザからはちょうど逆光になるため、声は聞こえても顔はよく認識できない。
しかし、アルザがよく知っている人間のにおいがする。そして、次の声で気がつい
た。
 「よぉ、久しぶり。なにやってんだ?こんなとこで。」
 しゃべりながら二本の剣をかまえたデューク。残りの男達はいつの間にか距離を
取って三〜四m向こうにいる。そばには気絶したクリスもいた。
 「デュークか〜〜〜。助かったわ。おおきに。」
 「ま、いいや。こいつら倒したらゆっくりと…。」
 「トリーシャチョップ!」
 ゲシィ!
 デュークらに気を取られてた男達は、後ろから忍び寄っていたトリーシャの存在
に気付かず、チョップのさびと消える。
 「ごめ〜ん、こっち来ようと思ったらさ、倒した人達が復活しちゃって…てこず
っちゃった。」
 「大丈夫ですか?…あれ?デュ、デュークさん!」
 「あ、久しぶり〜。帰ってきてたんだ。」
 「ああ、二人とも久しぶり。で、いったいどういうことなんだ…?」








 後書き

 ども。ともです。んむむ…。ちょいと無理矢理な展開ですな。(←わて的に言う
と。)デューク無理矢理出てきたし。今回は都合により短いです。こっからまた長
いんですけどね。

 クリス…何かキャラ違ってきてるし。本当は前線に出て闘うようなキャラじゃな
いんですけどねぇ。でも、ゲーム中では「カウンター」使えるんですよね。だから
こんな表現しちゃいました。

 さて。次回は…まだ闘いは続きます。…あ。って言っても闘い自体は次が最後か。
…訂正。話自体はまだまだ続きます。

でわでわ。ともでした。

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