APPLE PARADISE BBS Vol.9-Thread No.890

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890
date	2001/5/27(日)02:24
uname	真
subject	メトロポリスを観て

作品世界にただただ浸りきるだけで、最初から最後まで堪能しっぱなしでした。
満足とか、そんなレベルの作品ではなかった。

先行の批評や評価に警戒していたのだけど、そんなのなーんにも関係ない。
ケチをつけたり、いまいちとか言ってるのは、その人が馬鹿なだけです。
結構批判的な評価があるようですが、いっぱい恥をさらしているようです。

「キネマ旬報」の批評もさっき読みましたが、まったく何を書いているんだか・・・。
つまらない読み取り方や無意味な解釈なんて、必要な人間はいないってのに。
そのくせフォローでもしているつもり(なのか?)で、肝心なシーンの内容ばらし。
あきれます。
映画をまだ観ていない方はこんなの読まないほうがいいと思いますが、
そんなのも気にならないほどです。

大友克洋の名前が前面に出過ぎているのも、気になってしまっていたんですが、
それも完全に消えて無くなりました。
誰も文句の付けようの無い、まさしく“手塚治虫”であり(キャラクターが、とか
そういうつまらないことではなく)、
それに向かい合ってきたりんたろう、大友克洋、関わったクリエーター達すべての、
(自身にとっての)手塚治虫作品の再現、再構築を、それこそ思うがままに作り上げた、
という感じです。

ジェームズ・キャメロンの賛辞だって、もうおまけおまけ。
海外でだってものすごく評価されるんじゃないだろうか?作品自体は比類無いものなんだから。
これで日本でたいして評価されなかったら、本当にみっともないことになる。

あー、まだ作品の魅力がほとんど言えてない。上手く表現出来ない。
まあ、観れば解るということで。

分岐スレッドが No.923 に続きます。

891
date	2001/5/27(日)03:49
uname	もむもむ
subject	re(1):メトロポリスを観て

僕も今日観ました。いや、予想以上でしたよ。
実はあんまり期待してなかったんですが(笑)
とにかく映像はモノスゴイ。現在のアニメの間違いなく最高水準でしょう。
お話もよくできていたと思います。ただ主人公とヒロインのキャラ設定が
淡白なのに対してロックがやけに濃いキャラ設定なので(笑)そこで好き嫌いの
評価が分かれるかもなあと思いました。自分は大満足でしたけど。
この映画は確かに大友だけが評価されるべき内容ではないでしょうね。
手塚治虫に対するオマージュで作られた懐かしい過去になってしまった21世紀の
未来都市の再構築なわけだし。作品全体にスタッフたちの愛を感じます。
ただ宮崎アニメのような感じもして大友さんもつくづく変わったな〜と思った。
相変わらず大友さんらしい過激な部分もあるんだけれど。
895
date	2001/5/29(火)02:09
uname	真
subject	re(2):メトロポリスを観て

私としてはキャラクターやストーリーは文句の付けようがない、
というか、そういう類のものではない、と思いました。
それと大友作品として見る場合、手塚治虫の存在を無視するわけにはいかないと思います。
あくまで“手塚治虫の再現”だと思うんです。
巷で言われているような「大友克洋の世界になっている」というのは適当でないように思います。
それぞれのクリエーターが持てる技術を使って“手塚世界”を作り上げたと見るのが、
観る分にもより楽しめるんじゃないでしょうか?

「宮崎アニメのよう」というのはそれぞれの捉え方なので、異議は出しません。
それより予告で流れた「千と〜」って、森本晃司の世界みたいな気がした・・・。
宮崎駿→森本晃司→押井守→宮崎駿・・・なんかこういう傾向があるような・・・。
916
date	2001/6/4(月)18:03
uname	真
subject	re(3):メトロポリスを観て

登場するキャラクターとして、とりあえず“手塚治虫”は目に入った。

そういえば「幻魔大戦」でも、制作者を所々に出してたなあ。
大友克洋は群衆シーンにも自身を登場させているので、2シーンに出ていることに
なるだろうか。

ところで私は「これぞ手塚治虫」みたいなことを言っているけど、
実際には手塚治虫作品はなんとなく程度でしか読んでないと思う。
読んだ作品数も他人より多いというわけでもない。
だから説得力はほとんど無いと言っても過言ではないものなのです。
そんなわけで、手塚治虫をよく読んでいる方に、
この作品理解はおかしくないのか訊いてみたいです。
それを訊いてどうなるというものでもないけど、参考として読んでみたいんです。
939
date	2001/6/17(日)20:50
uname	鉄
subject	re(4):メトロポリスを観て

遅くなりましたが、本日観てきました。

・美術すごし!完成不可能とも言われたことがうそのように素晴らしかった!
・セル画すごし!作画水準も素晴らしすぎ。
・ラストで、ガンガン泣いた。ティマ!
・間違いなくこの数年のアニメとしてナンバー1である!

大友氏の描くストーリーの特徴のひとつは、群集劇にあると思います。
単純なヒーローの活躍ではなく、ひとつの仮想のアニメーションという世界の中に、
様様な人間、機械が有象無象に入り乱れてうごめいている様を切り取って見せ付けるのが、
氏の得意とするところではないでしょうか?
今回も、レッド公、大統領、市長という3つの権力者のなかでのレッド公と大統領の
ポリティカルな争い、そこに絡むロックとティマという図式があるようなんですが、
やや演出がそこまで追いついていなかったのではと多少感じるところがありました。
ランプやスカンク、ハムエッグと言ったいい脇キャラがいまいち生きていない。
そこだけが惜しかった。
また、氏が自身で演出したら?と想像するのも楽しいですね。
きっともっとべたべたで、こってりした感じかなぁ?

しかし、実際のシナリオとどのくらい違うのでしょう?
シナリオムックの発売が楽しみです。

No.890 からの分岐スレッド。

923
date	2001/6/7(木)05:54
uname	真
subject	キネマ旬報の批評

「キネマ旬報」の評論の文句を書き込みましたけど、ちゃんと全部読んでませんでした。
対談インタビューとその次の評論だけだと思ったら、他にも2つあったんですね。
最初の評論で頭にきて、放っちゃったもんで・・・。

で、改めて残りのを読んだんですけど、実に良かった。
何がって、まるで今の状況を予測していたかのような分析があったから。
これ読んでたら公式サイトの掲示板でむきにならずに、引き合いに出して、
皮肉の一つでも書き込んでやれたのに・・・。
でもひょっとしたら、評論家の意見に賛同的になってしまうってのは、
もう自分は一般の感覚では観られなくなってしまっているのだろうか?
「よーわからん」、「描きたらん」、「つまらん」ってのが、普通の人の
自然の感覚なのかなあ・・・。
だとしたら寂しいな。
たぶんそれは、この後の評価でわかるんだろう。
このまま世間の視界から消えていくようなら、今の評価が自然当然ってことで、
評価が上がっていけば、万人に受け入れられるエンターテイメント性を持った
傑作だったってことになるんだろうと思う。
私としては後者であってほしいと願わずにはいられない
(自分がまともな評価の感覚を失っていないと証明されるためにも)。
925
date	2001/6/7(木)23:54
uname	DIO
subject	re(1):キネマ旬報の批評

メトロポリス観ました。

私は結局、自分が分かっていればイイと思ってしまうんですよね。
これが正しいという評価なんて無いと思うし、評論家だって一個人だし。
世間の視界から消えてしまったって、自分の中に残っていればイイし。

「メトロポリス」はともかく、大友さんの作品が万人に受け入れられるような
作品になってしまうと、私はちょっと悲しいかな。

まあ、ひとそれぞれの感じ方がありますということで。
ちなみに私的には、「メトロポリス」 殿堂入りです。
926
date	2001/6/8(金)03:02
uname	もむもむ
subject	re(2):キネマ旬報の批評

>「メトロポリス」はともかく、大友さんの作品が万人に受け入れられるような
>作品になってしまうと、私はちょっと悲しいかな。

残念ながら大友さんってどんどん万人受けする方へ向かってると思う(笑)
大友さんて最初は凄くマイナーなとこから始まったんだけど、押井さんは
メジャーからマニアックなほうへ向かってるような・・・。
ただ万人受けする方へ向かってるのはマチガイじゃないと思う。
昔からのファンからすれば少し物足りなさを感じるかもしれないけど、
自分が支持してきた作家がどんどん認知度を上げていくのはやはりうれしいことだし。
スチームボーイなんかさらにラピュタ的な冒険活劇を目指しているような感じが
かなりするんですが・・・。
927
date	2001/6/8(金)12:22
uname	鉄
subject	re(3):キネマ旬報の批評

>スチームボーイなんかさらにラピュタ的な冒険活劇を目指しているような感じが
>かなりするんですが・・・。

聞きかじりですが、「AKIRA」を作ったときに、周囲から「わかりづらい」
「絵はいいが話が難解」「一部のマニア向け」などの評価を日本のみならず世界中から受けて
そのアンチテーゼとして「スチームボーイ」を作るきっかけになったなんてことを発言して
いたように思われます。
物を作る人は、一度やったことは繰り返しても面白くないという気持ちが強いのでは
ないでしょうか。「スチーム」が実際、どんな作品になるかは想像がつきませんが、
きっとまた見る側をいろいろな意味で驚かせてくれるものと期待しています。
「メトロ」は今週末に見に行く予定です。
いろいろな評判があるようですが、きっとまた新たな感動があることを期待して行ってき
ます。

This page last modified at 2012/02/21.