みんなが大好き、という気持ちと あたしの中にはどちらもあって、それが時々、思い出したように浮き上がって、また沈んでいく。 気が付かずに、苦しまずに、何も感じないように、誰かあたしを殺せばいい。 そんな風に。 思うこともある。 「それが思春期ってやつじゃないの?」 そんな自分が嫌になって、友人に相談したら、彼は少し遠い目をして言った。 あたしは、というと、なんだか情けなくなった。 あたしって小さい。 そう思ったらまた落ち込んできて、ぐるぐる廻って、雪に埋まって、溶けて消えたくなった。 「あー…寒い」 なんだか、急に人が恋しくなって彼に電話した。 優しい声。 少しだけ 世界が明るくなった。
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