Libretto電池セル入れ替え実験
2001.01.20〜(未完)
 

 

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このLibretto電池セル入れ替え実験用に、電池セルを購入したオンラインショップです。
ウチのバイクの整備を引き受けてくれている、尼崎市のバイク屋さんです。
 
     

 


 

プロローグ

リブレットが不調になった。
今まで、出張時には常に持ち歩き、資料/議事録作成やメール送受信に活躍し、最近ではポータブルプロジェクタとともにプレゼンテーションツールにもなっていたのだが、そろそろ古くなってきたのか、原因不明のハングアップやキートップの破損など、いろいろと調子が悪くなってきた。
特にバッテリの劣化は顕著。まず、満充電まで充電できなくなってしまった。ACアダプタを繋ぎっぱなしにしても、充電量モニタは30%から40%までしか上がらない。バッテリによる稼働時間もどんどん短くなり、精一杯充電した状態からでも15分ほどしか使用できない。PHSカードを使ってメール1通送信するのも、ヒヤアセが出そうになる。さらに悪いことに、最近、突然電源が落ちるようになった。正常に動作している状態から、プツッ、ヒュゥゥゥンと音がして(ヒュゥゥゥンはHDDの回転が止まる音)、突然電源が落ちる。そしてACアダプタ接続を示すLEDが、意味不明のオレンジ色点滅を繰り返す。
これはいけない、こんな状態では、大事な資料をHDDに入れて持って歩けない。出張用マシンとして使用できなくなり、小型軽量PCの元祖であるリブレットの存在意義がなくなってしまう。。。。
 
そういうワケで、リブレット100の交換用電池を探してみたのだが。。。
普通の店には、まず置いてない。置いてたとしても、ムチャ高い。定価は標準バッテリPA2502Uで\12000、大容量バッテリPA2503Uだとなんと\20000だ!
インタネット上のオンラインショップやオークションを探しても、1万円程度の出費を覚悟せねばならない。
 
しかもショックだったのは、同僚が持っていたLibretto1000の電池。なんと容量が2700mAh。大して大きさも変わらないのに、Libretto100の大容量電池2400mAhより大きいじゃyぁないか。純正品じゃぁ1万円以上も出費して、なお及ばないというのは、これは悔しいじゃぁないか!
 
というワケで、安い出費でより高性能を!
バッテリーパックの大改造を決断したのでありました。チャンチャン。
 
 

◆重要◆ ご注意! ◆重要◆

ここから先を読み進める方は、以下のことに留意してください。
 

● 改造は、自己責任で!
  まず、お約束のコトを書かねばなりません。
ここに書いてある情報は、私が個人的に行った実験の紹介に過ぎません。
改造を奨励するものではありませんし、改造の結果を保証するものでもありません。
ここに記されている内容は、私が行った実験について、可能な限り判り易く、実験の事実や私の考えを記述したものですが、私はここの内容に一切責任を負いませんし、ここの記事を読んで何かをなさった方に対しても一切責任を負いません
当然、パソコンや電池パックのメーカー、およびそれらを販売している販売店も、何の保証もしてくれません。
 
ここに書いてある情報をヒントにご自分のパソコンや電池パックを改造されようという方は、自己責任にてお願いいたします。
 
● 電池パックは、高エネルギー物体です。
  ノートパソコンの電池は、より長時間の駆動のために、大量の電気エネルギーを蓄積しています。普通に電池を使用している場合には、このエネルギーは安定に電池の中に閉じ込められていますが、電池セルの破損やショートなどが起こるとこのエネルギーが一気に解放される可能性があります。
 
たとえば、今回使用する富士通のMC/30用リチウムイオン電池は、10.8Vで3200mAhです。
これらの電池が満充電された場合のエネルギー量をカロリーに換算しますと、
10.8(V)×3200(mAh)=34.56(Wh)=29721.6cal=約30kcal
30kcalというエネルギー量はたいしたこと無いようにも思えますが、500ccの水の温度を60℃上昇させる、つまり、小さなペットボトル1本分の水を熱湯に変えるだけのエネルギーです。このエネルギーが、貴方の指の先で、一瞬に開放されたとしたら・・・・
 
電池パックの改造や電池セル入れ替えなど本来の使い方と違うコトをする場合には、小さな爆弾を扱うものと覚悟したほうが良いでしょう。
 
 
電池パック入手

まずは、使えそうな電池パックを探さないと、話になんない。今回求める電池の仕様は、下記のとおり。

そこで、怪しいモノがいっぱい、ジャンクマニアの楽園(笑)、オンラインショップ「現品.com」を探してみる。すると、あったった、怪しい電池(笑)。
FujitsuのBIBLO-MC/30用バッテリーパック、FMVNBT15。電圧は10.8Vで、容量は3200mAh
そして値段は、世紀末特価で\2980。送料込みでも\3480。(←僕が入手した時点の値段です)
さて、問題は大きさ。電池パックの大きさに関する情報なんて、さすがのインタネット中捜しても無いだろうなぁ。そこで、PC本体の大きさで比べてみる。
Libletto100の幅と厚さは210×35mm、方やMC/30は230×31mm。ん〜長さが。。。こりゃちと苦しいかもしんない(^^;
でもま、モノは試し、使えりゃラッキー、注文してみる。
 
 

他に必要なもの

この電池セル入れ替え実験は、電池パック以外にも必要なモノがある。今回使用したものは、下記の通り。
 

 

電池パックを眺める

1週間後、電池が到着。(ホントはもっと早く届いてたらしいんだけど、週末まで受け取れなかった)
とりあえず、リブレット用電池と大きさを比較してみると、なんと、ほとんど同じ大きさ。こりゃぁ期待が持てる。


Libretto100本体とLibretto用標準電池(上)、
および今回購入したMC/30用電池(左下)

上がLibretto用標準電池、下がMC/30用電池。
奇跡的にも(笑)大きさはほとんど同じ。

しかし、ん? なんか重さが。。。調理用のハカリで計ってみると、リブレット用電池が150gなのに、MC/30用バッテリは300g。ん〜、やっぱ容量分の重さはあるのか(^^;


Libretto用標準電池PA2502U。
重さは150g。

MC/30用電池。重さは300g。

 

MC/30電池パックの分解

まぁ、ここでモッタイナイなんて言ったって他に使い道はないんだから、サッサとバラしてしまおう(笑)
先に「ご注意」の項に書いたとおり、バッテリパックは爆弾と言っていいほどのエネルギーを持ちうる。従って、バッテリーパックのケースは簡単にバラせるようには作られていない。しかし、MC/30用バッテリのケースに用はないのだ。可愛そうだが砕け散ってもらおう(笑)
MC/30用バッテリのケースは上下2ピースのケースが組み合わさって接着してある。このケースの境目を、叩いてみたりマイナスドライバーの先を突っ込んだりしているうちに、弱点を発見(笑) そこへドライバーの先が刺さった後は、バリバリ言う音を無視して、強引に開けてしまった。


ドライバーの刺さっている個所がMC/30用電池の弱点。
ここだけプラスチックが薄くなっているようだ。

ヒラキのMC/30用電池。
電池セルはA&TバッテリーのLGR18650P。
写真左下の電池、ケースを開ける際に外装ビニルを破っちゃった。

 
ここで注意すべき点は、ドライバーの先などで電池パック内部の電池セルやコントローラを損傷させないこと。
いくらケースに用は無いからといって、あまりムチャをすると、ほーら電池パックの外装ビニルが破れてる(笑)
 
 

リブレット電池パックの分解

さぁ次はリブレットの電池をバラそう。
コチラは、中の電池セルはともかく、ケースや電池コントローラ、コネクタはこの後も使うのだ。短気を起こしてバリッと行かないよう、慎重に。
ただ、なにせ僕およびリブレット本体と一緒に各所を旅してきた電池パックだ、接着強度もかなり弱くなっていて、ちと力を入れて電池パックをヒネるだけで簡単に隙間が空く。そこへマイナスドライバーの先端を差し込み、ゆっくりと接着個所を剥がして行く。


Libretto用標準電池の分解。
接着剤が劣化していたので、結構楽。

ヒラキのリブレット用電池。
電池セルは、松下のCGR17670HC。

 
ケースを開けてみて驚いたコトに、ケースの半分は空っぽ(^o^; 小型化を極めたと思ってたリブレット内部に、こーんな空間が残っていたなんて。。。。たぶん、大容量バッテリーの場合には、この半分の空間にも電池セルが詰まるのだろう。。。
 
 

電池セルの比較

さて、両者のケースを分解し、電池セルを拝んだトコロで、電池セルを比較してみる。
このご時世、インタネットでかなりの情報を入手できるから、とっても楽だ。


上の青い6本組が、MC/30用バッテリのセル。
下のピンク3本組が、リブレット用標準電池のセル。

 

MC/30用電池セル リブレット用電池セル
メーカー AT&B Panasonic
セル型番 LGR18650P CGR17670HC
情報入手先 東芝電池 松下電池工業
(OEM向けページ)
作動電圧 3.7V 3.7V
容量 1650mAh(typ)
1600mAh(min)
1250mAh(typ)
 
外形寸法 φ18.4×65.0mm φ17.0×66.7mm
質量 42g 35g
組電池構成 3直列×2並列 3直列×1並列
組電池容量 3300〜3200mAh 1250mAh
組電池質量 252g 105g

 
電池セルの作動電圧は3.7V×3=11.1Vになるんだけど、電池パックとしての定格電圧が10.8Vになってるのは、どういうワケだろう? コントローラによる電圧低下分かな?(よくわかんね)
 
心配していた電池の長さは、なんとMC/30用電池の方が短い。これならリブレットのケースに楽に入る。問題になるのは、長さじゃぁなくって太さ。本体サイズが薄いMC/30の方が、1.4mm太い電池を使ってる。これじゃぁリブレットの電池ケースに入らないかもね。でもいーや、電池パック交換なんてしないんだから(交換したくても、替えの電池が無いもんね(^^;)、ケース削っちゃお
そういえば、MC/30用電池を購入した現品.comには、「17670サイズの電池入荷」って載っていた。ん〜、コッチ買えばよかったかなぁ。でも1200mAhだしなぁ。
それにしても、富士通が東芝の電池を使い、東芝は松下の電池を使ってる???ニホンのメーカー、ヨクワカリマシェ〜ン(^^;
 
 

改造方法の決定

さぁ、ここで悩みが一つ増えた。MC/30用電池パックのコネクタが、リブレット用電池パックのコネクタに似てるのだ。
コネクタのピンピッチが違ってるからそのままは使えないが、どちらも11pinで、片側から2pin目が電極の無い空き端子となっている。もちろんそれだけの情報で「電気的に互換性がある」なんて言い切れないが、なんとなーくベースとなっている設計思想が同じような気がする
 
当初は、コントローラとコネクタはリブレット電池パックのものを使い、電池セルのみ交換しようという考えだった。しかし、容量が3200mAhにアップし、3直列×1並列の構成だった電池セルが3直列×2並列の構成に変わる。これをリブレット電池パックのコントローラが制御しきれるか否かは、不明である。さらに、リブレットの不調の原因が、電池セルではなくコントローラ側にある可能性もある。そう考えると、MC/30電池パックのコントローラを、捨てきれなくなってきた。


電池のコントローラ。上がリブレット用、下がMC/30用。

アスキーのデジタル用語辞典で「バッテリ」を調べてみると、「スマートバッテリ」と呼ばれる2種類の規格があると「インテリジェントバッテリ」の項に載っている。しかし、さすがのインタネットでも、二つのコントローラが電気的に互換であることを示す情報は、得られなかった。
 
とりあえず、空き端子をA番と仮定して、基板のパターンや電池セルとの接続を調べ,さらにテスターで電圧を測ってみる。

端子番号 MC/30用電池 リブレット用電池
@ 電池セルのマイナス極に接続 電池セルのプラス極に直結 11.46V
A 電極の無い空き端子 電極の無い空き端子
B   電圧不定   電圧不定
C   電圧不定   電圧不定
D   電圧不定   電圧不定
E   電圧不定   電圧不定
F   電圧不定   電圧不定
G   0V   電圧不定
H   0V   電圧不定
I   0V   電圧不定
J 電池セルのプラス極に向かって
太いパターンが走っている。
充放電端子プラス側と推定。
0V 電池セルのマイナス極に直結

 
あ〜、こりゃアブナいわ(^^; 電池セルのプラスとマイナスの接続が、まるっきり逆じゃん(^^;
調べる前に繋いでみよ〜なんて短気を起こさんで良かった。こんなんパソコンに繋いでたら、リブレット本体が昇天しちゃうよ(^^;
 
しかし、リブレット電池の11.46Vって値は、こりゃ何だ?これじゃぁ過充電じゃんか。
一方MC/30用電池の方は、こりゃほとんど過放電(^^;。ま、ちょっと充電してやりゃぁ復活するんだろうけど、充電する方法がないからこれ以上チェックできないんだよねぇ(^^;
ツイデだから、各電池セルの電圧も計っておこう。後で何かの役に立つやも知らぬ。

MC/30用電池 リブレット用電池
セル3 1.38V 3.73V
セル2 1.40V 4.00V
セル1 1.68V 3.74V

 

電池セルへの配線チェック

さぁ、MC/30電池のコントローラが使えないとわかった以上、もうリブレット電池のコントローラに頼るしかない。
早速リブレット電池の中で、コントローラと電池セルとがどう繋がっているかをチェック。
リブレットのコントローラの基板には、とっても親切なことに、電圧の低いほうから順に、VG、VL、VM、VHと印刷されている。この接続は、ちゃんとメモしておこう。後で新しい電池セルを付ける時に間違って配線しちゃうと、コントローラが帰らぬ人となってしまうゾ!


コントローラと電池セルの接続。ピンボケでゴメン(^^;

 

さていよいよ改造実施

まずは、ハンダゴテを暖め、リブレットの電池セルを、コントローラから切り離す。
切り離す線の順番は、ヤマカンだが、電圧の高いほうから外して行くことにした。
なお、電池セルはともかくとして、コントローラはまだ使うのだ! 外した線がコントローラの基板に接触したりしないよう、注意すること。
 
同様にMC/30用の電池セルも、コントローラから切り離す。こちらの場合は、電池セルを再利用するのだ。ハンダゴテを直接電池パックに当てたりしないよう、また既に取り外したリード線が他の導電部に接触しないよう、注意する。


バラした電池とコントローラ。

 
次に、組み立て後のコネクタ位置がちょうど良くなるように、リード線の長さを調整しておく。上の写真のように、両方の電池セルとコントローラを並べ、目安をつける。組み立て段階で配線が邪魔にならないよう、よ〜く考えよう(^^;
 
さて、いよいよMC/30の電池セルをリブレットのコントローラに接続する。
といっても、長さをそろえたリード線を、マイナス側から順番に接続するダケなので、いたって簡単。
なお、ただでさえ電池セルが太っているのだ。後でケースに押し込む際のコトを考えて、配線がたるんだりしないよう注意する。


リブレット用コントローラを付けたMC/30用電池。さぁ動くんだろうか(^^;

特別出演。
意味ナシ。

 
接続が終わったら、念のため各電池セルの電圧を測定し、改造前の電池セル電圧から大きく変わってないかをチェックする。
マイナス側から順に、1.68V、1.40V、1.38Vだ。この段階では、どうやら問題ないらしい。ホッ。
 
 

電気的な動作確認

ここで、ケースに入れる前に、まずは電池剥き出しのまま動作確認を行う。電池セルの構成や型番を変えない場合はまず動作すると思うので、このステップは飛ばしても良いかもしれない。今回はかなり邪悪な改造なので、念を入れる。ケースに入れた後に動作しないことが判明しても、モトに戻す気力は起きないだろうから(笑)
 
まずリブレットを裏返し、ネジ2本を外しハードディスクカバーを開けて大事なハードディスクを抜き取る。次に残り5本のネジを外し、下ケースを外す。これでリブレットの中身が見え、電池パック接続端子も見える。この状態で、改造電池を、ゆっくり組み合わせる。
なお、リブレット本体の電池ケースが入る部分には、シールドが露出しており、リブレット本体内のグラウンドに接続されているようである。改造電池の端子がこのシールドに接触しないよう、何かを挟むのを忘れずに(今回は尼崎市水道局の領収書だ(^^;)

 
この状態のまま、リブレットの電源をONにしてみる。と、当然動かない(^^; なんてったって、全セルが過放電に近い状態だ、充電せにゃぁ動くわきゃない(^^;
 
さぁこっから恐いゾ、この状態でACアダプタを接続せにゃならん(^^;
恐る恐るリブレット本体にACアダプタを接続する。すると、、、リブレット本体のACアダプタ接続を示す緑色LEDと、バッテリ充電中を示す橙色LEDとが点灯! まずは生きているらしい! かなりの希望が見えてきた。
 
と言いつつも、まだ楽観視するのは早い。手早く電池セルに手を触れて異常発熱の有無をチェック。目視で煙が出ていないかをチェック、鼻をクンクン言わせて異臭のチェック。どれも問題無いようだ。さらに、そのままの状態で電池セルの電圧を測定。マイナス側から、3.40V、3.38V、3.39V。コントローラも新しいセルをちゃんと充電してくれているようだ!!!
 
このまま、リブレットのLEDを気にしながらしばらく放置し、電池セルがある程度充電されるのを待つ。待ちながらも、ケースの加工方法を考える。この電池、リブレットオリジナルの電池よりも、1.4mmも直径が太い。それが2並列で入っているモンだから、上記写真の状態で、ケースの外形から電池がハミ出している。ん〜なんか良い方法はないものか。。。こうなりゃいっそ、コネクタも無くして直結にしちゃおうか(^^;
 
なぁんて考えながら、待つことフリーセル3回分(成績は3勝(^^;)、そろそろ放電試験を行うには十分なだけ充電されただろう。電池の放電試験は、当然、リブレット本体を使用して行う。 だって他に手が無いんだもん(^^; リブレット本体からACアダプタを外し、リブレット本体の電源をONにしてみる。すると、液晶画面に赤い「Toshiba」の文字が表示された。とりあえず放電も順調。その後画面は「HDC Error」と表示されるが、ハードディスクが付いてなんだからアタリマエ。目的は果たしたと電源を切ろうとしたら。。。あれ?切れない(^^; 電源ONを示すLEDが、うっすらと点灯+消灯を、2秒周期で繰り返している。なんでやねん(^^;
 
たぶんこれは、HDDが付いていないため、ハイパネーションにも行けずにイジイジしているんだろうと勝手に想像。ハードディスクを付けてみる(みなさん、バックアップは取ってますか?僕は当然、この実験開始直前にちゃんと取ってます。) 果たして電源を入れると、おー動いた動いた。ハードディスクが回転音を発し、ちゃんとWindowsが起動した。パワーマネージャを開いてみると、バッテリ残量は42%。そしてWindowsを終了させると、ちゃんと電源もOFFした。なんの問題も無ぁ〜し!


電池ケース無しの状態で、無理やり立ち上げる。
相変わらず水道局の領収書が挟まっている(笑)

うー、画面の写真って、撮るのシンドイ。
この時点でのバッテリー残量は42%。

 
 

ケースの改造

せっかくバッテリの大容量化に成功しても、ちゃんとケースに入ってなけりゃモバイル環境じゃぁ使えない。ココは何が何でも電池セルをケースに押し込めなくちゃ。
 
ケース改造と言っても、方法は原始的(^^; ケースの中に電池を押し込めながら、当たっている個所を調べ、そこをカッターで削っちゃう。下ケースの内側にある電池ガイドのようなリブもカッターで削り取る。また、ケース内の配線が電池セルやコントローラの隙間に沿って通るよう、ハンダ付けしなおす。これで何とか下ケースの中には収まったようだ。長さ方向には余裕があると思ってたんだけど、ほとんど余裕ないねぇ、これ。

改造後のケース。
でも写真じゃぁ、どこを改造したのか
見えないでしょ?
下の方に、組み立てた後の写真を
載せますから、そちらと見比べて
ください。


早速上ケースと組み合わせてみる。ん〜、まるで閉まんないや(^^; 上ケースは、チョットやソット削ったくらいじゃぁ収まりそうに無い。電池部分が見えるようにスッポリ穴を開けるコトにした。
こういう工作は、なんてったってアクリルカッターが便利だ。これ、カッターという名前が付いてるけれど、絶対に「切る」ための道具ではない。その役割は「削る」だ。 まぁ、「切削加工」と言ってしまえば同じなんだが(^^;
電池パック上ケースに定規をあて、アクリルカッターの刃先を走らせる。すると、アクリルカッターの刃先が、幅1mm弱のV字刃の彫刻刀のように、プラスチックの表面を削り取って行く。これにかかれば超硬質のアクリルだって切れるってんだから、軟らかい電池ケースなんて簡単に四角い穴をあけることが出来る。 ノートパソコンのプラスチックケースの加工を考える方、アクリルカッターは持ってて損は無いですよぉ! まぁ、マグネシウム合金にゃ歯が立たないと思うけど(^o^;


これがウワサのアクリルカッター
ホームセンターなんかで売ってる。

 
さて、電池パックを組み立てては当たってる部分を削り、削っては組み立てを何度か繰り返し、なんとかリブレット本体に収納できそうな感じになってきた。ただ、上ケースの穴から電池の電極が見えてしまう。これは困った。リブレットの電池パックが入る部分は、アルミ板のようなシールド板があって、これがグラウンド(0V)に繋がっているようだ。こんなとこショートして欲しくない。もういちどケースから出し、表面に剥き出しになる電極を切り取り、配線を修正する。念のため、電池の隙間や配線の上に接着剤を流し込んで、使用中に動いたり振動したりしないように保護しておく。


なんとか収まってくれたように見える。。。

 
ケース加工の最終段階は、ケースの固定だ。もうベタベタに接着してしまおう。今回の改造電池が数年持ってくれれば、その後はもう電池セルを入れ替える必要はないだろう。だって、数年後のノートPCってばきっと、100GHzのCPU+1GByteのメモリ+1000GByteのハードディスク・・ってなスペックだ(ホントか?!)、さすがのリブレットも現役では居られないだろう。
というワケで、ケースの勘合個所に接着剤を塗布し、ついてにケース内で電池が固定されるよう、ケースと電池との間にも接着剤を流し込んで、組み立てる。もとの標準電池の頃と比べるとチト膨らみ気味だが、なんとかリブレット本体に収まるだろう。


剥き出しになる電極をなくし、ケースに組み込み接着。
カメラのレンズのせいで真中が膨れているように見えるけれども、
実は本当に膨れています(^^;

特別出演だムー。
特に意味は無いムー。

 
接着剤が乾いたら、改造電池パックをリブレット本体に取り付けてみる。ん〜、やっぱチトはみ出している。ぶっさいくぅ〜。やっぱ18650電池は無理だったかなぁ〜。でもまぁ、リブレット100では世界最高水準の(^o^;) 3200mAhだ。少々のコトはガマンしよう(^^;


バッテリの前縁が、本体からハミ出している(^^;

キーボード開けてもほら、ハミ出してる(^^;

前から見ると。。ん〜隙間が。。(^^;

 
 

充電と駆動時間

改造電池パックをリブレット本体に取り付けた状態で、ACアダプタを取り付け、「省電力設定プロパティ」を見ながら充電してみる。なんか、「バッテリの状態」の数値が見る見る上がって行く。これって、なかなか感動。さぁ100%に達するだろうか?わくわくしながら、フリーセルをやる(笑)
しかし。。。。「バッテリの状態」が99%になったトコロで、ピタリと充電値が止まってしまった。充電中を示す橙色LEDは点灯しているが、待てど暮らせど100%にならない。うーん、これはどうなるんだろう。どっちにしろ充電限界で何が起こるかは知っておく必要があるのだ。そのまましばし待つ。もしかして、リブレット本体が消費する電流が多いもんだから充電完了にならないんだろうか?リブレット本体をローパワーモードに設定して、しばし待つ。
すると、いきなり画面表示が消えた! 一瞬ビックリしたが、単に省電力モードに入ったダケだった。このまま充電LEDが消えるのを待つ。あ、今度はハイパネーションに入ってしもた(^^; まぁいいや、このまま充電LEDが消えるのを待とう。
 
テレビを見ながら待つこと2時間弱、ふと見ると充電LEDが緑になっている(^^; 満充電になると、てっきり消えるモンだと思ってた、だまされた(笑)
早速リブレットを立ち上げなおし、バッテリーの状態を確認すると、祝!100%! これはメデタイ(笑) 99%から100%までかなり時間がかかったが、リブレットのコントローラは3200mAhに増えた電池をしっかり充電してくれたのだ。

時刻 状態 残量 LED
17:45 ハイパネから再起動 99%
18:05 再びハイパネに入る
19:30 充電LEDが緑に変わっているのを発見! 100%

 
さて、次は放電時間のチェックだ。とりあえず、CPUをぶん回すという意味で、DDbench(Version1.41)を使ってみる。これは、DirectDrawを使って、3D空間をウニャウニャと動き回る水玉模様を表示するソフトだ(ちと表現が怪しいかも?)。
ACアダプタを抜いて、バッテリ時の省電力モードを「フルパワー」に設定。そして、DDbenchを起動。起動から30分後、ハイパネーションに入ってしまい、あわててゴチャゴチャしたらハイパネ復旧に失敗、そしてリブートした(^^;。このときのバッテリ残量は56%。ハイパネに入らないように、時々シフトキーを押してやらねばならない。めんどい。
結局、バッテリーアラームが鳴るまでの駆動時間は、なんと2時間15分。この時のバッテリー残量は2%だった。


省電力の設定で、フルパワーモードを設定。

DDbenchを実行。毎秒14フレームをキープ。

 
さて、バッテリパックが空になったので、再び充電してみる。充電時間は。。。途中で寝てしまったので、判らない(^^; 起きてみると充電開始から3時間が経過しており、充電LEDは緑、バッテリ残量は100%になっていた。
 
もう一度、放電試験を行ってみる。今度は、フルパワーモードで省電力のプロパティ画面を表示しているだけの状態で放置する。この結果、バッテリーアラームまで2時間40分。なんか、DDbenchやってる時と、あんまし変わんない。CPUなんて何もするコトが無いハズなのに。。。もしかして、Windowsのパワーマネジメントって、とってもお・ば・か?
なお、電池放電の傾向としては、だいたい10分で10%ずつ減って行き、最後3%が表示されてからバッテリーアラームが鳴るまでの間が異様に長いってコトも判った。
 
 

さぁ、いよいよ実践動作!

さて、いよいよ本番。大容量化改造電池をケースに収めた状態で、実際にモバイル環境で使ってみる。
都合の良いことに早速3泊の出張があり、当然、満充電にした改造電池パックとリブレットも持って行く。
空港でのメールチェック。OK。PHSカードで10分ほど接続していたが、全然問題なし。
飛行機の中は、万が一のコトが起こると恐いので、電池パックは外しておく。
出張先での会議中も、まったく問題なし。こまめにセーブしながらのドキュメント作成でも、楽に1時間以上使えた。リブレット標準バッテリとの比較ができないのが残念だが、ま、十分実用になるので、満足満足。
 
とは言うものの、やっぱケースがぶっさいくなのは気になる。
やっぱ、Yahooのオークションあたりで、壊れた電池パックをげっとして、今度はちゃんと17670サイズの電池セルに入れ替えよっと。。。。

リブレット100用の電池パック(非動作品)をお持ちの方!
捨ててしまわないで、ぜひYahooのオークションに出品してください。
劣化したものや壊れたものでも、\3000〜\5000の値段が付くようです。
出品が無理なら、コチラへメールして僕に譲ってください(^^;

 
 

あとがき

 
とりあえず、セル交換から1ヶ月、何の問題も無く動作しています。
とは言え、いつか突然ショートしたりしないかって、チョットは気になりますが(^^;
特に、電池パックが膨らんで無理にケースに押し込んでいる部分が、振動なんかで絶縁被服が破れたりしないかが心配です。

そういうワケで、結局Yahooのオークションで使えなくなった電池パックを落札し、17670サイズの電池セルに入れ替えたものを作ってしまいました。普段はコチラを使い、3200mAh電池はスペアバッテリとして使っています。

ま、ノートパソコンのバッテリーは消耗品です。だから消耗します(^^; そーすっと買い替えなきゃならないワケですが、これが異様に高いんです。
そういうワケで、今後このテの実験をされようと思ってる方に参考になればと思い、以下気が付いた点など書き記します。
 

アンケート

以上で、この電池セル入れ替え実験のレポートは終了です。(実験の後半はまだ書いてないけど)
このページを読んだ方々が、どのような印象を持たれたかが気になりますので(ほら、読んでるアナタも気になるでしょう?)、簡単なアンケートページを作成しました。コチラのページに移動し、5つの選択肢のなかから、あなたが今お持ちの感想に一番近いものの「投票」ボタンを押してください。投票した結果は、その場で集計され、すぐに画面に反映されます。
なお、投票はお一人様1回限りとさせていただきます(笑)
 
  

関連リンク

以下、この実験の途中や、このページ作成のために参考とさせていただきましたページを紹介します。
 

ページとリンク 無用のコメント(^^;
現品限りの通販ショップ ココを発見しなければ、この実験は始まりませんでした。
東京理科大学工学部工業化学科無機工業化学第二研究室固体化学班の、リチウムイオン電池関連情報のリンク集。
しかし、、よくもここまで。。。。開いた口バシが塞がりません(^◇^;
東芝電池 A&TBの電池に関する資料も、ここに載っているみたい。
松下電池工業 PDFデータシートまで公開している松下電池工業様、あんたは偉い!
SI単位換算表 よくわからないけれど、とにかくいろんな物理単位間の変換表が載っています。
こういうアタリマエのコトを丁寧にマトメたページって、意外と少ないんだよねぇ。
Think Pad 535系
バッテリセル交換実験
ThinkPadをこよなく愛するPONTAさんという方が、ThinkPadで電池セル入れ替え実験を行った報告です。
PONTAさんご指摘のとおり、僕のリブレット100は17670サイズのバッテリを使っていました。僕も17670サイズの電池を入手していれば、こんなに悩まずにセル交換できたと思います(^^;
PCGA-BP51研究所 こちらの方は、ソニーのノートの電池セル入れ替えを行ったようです。
ただ、この記事の中に「切れたヒューズをラッピングワイヤでショート」ってのが有りました(^^; これ、一般の方には絶対オススメしません(^^; ヒューズが切れたのは、何らかの原因があったハズ。その原因を放置したままヒューズをショートすると・・・下手をすると、恐いコトになりかねません。
Libretto100の電池入れ替え 僕と同様に吉野電装さん(現品.comさんと同一)から電池セルを購入し、僕と同様にリブレット100の電池セル入れ替え実験を行った方のページです。しかも、まったく同時期に(^^;
こちらの方は、ちゃんと大きさを考えて電池セルを入手しており、ケース改造などせず使えているようです。(いいなぁ〜)
家電製品不具合情報 内藤電機インターネット支店のページなんですが、家電品の不具合情報が一覧になって乗っているページがあります。
これを見ると、メーカー品でも、電池関係の不具合で発熱しケースが熱変形する事例が、あるようです。
魅惑の似非科学 僕が定期的に巡回している唯一の読み物系サイトです。
電池パックの大容量化など、フツーじゃない改造をしようという方は、こういうサイトを回ってアタマを軟らかくしましょう(^^;
 
苦情受け付け

このページの内容に関する苦情は一切受け付けません(笑)
それから、電池パックの改造は引き受けません。(そんなに自信ないもんね)
それでもこのページの作成者へメールを送りたい方は、こちらへ。でも返事は期待しないでください(^^;
 
なお、このページをリンクしたい方は、ご自由にリンクしてやってください(^^;
この実験を雑誌に掲載するなんてコト、ある? そーゆーのって、原稿料とか貰えるんだろうか? わくわく o(^-^)o
 


このページの作成は、Tamuroです。
このページの壁紙は、東芝電池さんのページから頂きました。(ちと淡色にしてあります)
このページは、Inter-Qのサーバーに置かれています。