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「天才は一人で充分よ」
あんな視線は。 nearly equal
誰も、そこから近付いてこようとはしなかった。 自分から近付こうとしても、その分遠くにかわされる。 そんな気がして仕方がなかった。 だからもうやめてしまった。いつの間にか。 「天才だ」 と 何度言われたかしれない。 確かに才能は有ったのかもしれないけれど。 でもそれを今この状態まで延ばしたのは、他の何でもない、努力だ。 気が遠くなるほどの時間と汗。 それが今の自分を支えているというのに。 「俺達とは違うから」
それが決まり文句。 何が違うと言うのだろう。 いつの間にか出来ていた周りとの壁。 別に馴れ合いたかった訳ではないけれど。 独りきりでいるのが好きな訳でもない。 誰かがそこにいるはずなのに。 誰も越えようとしない。越えさせてくれない。 同じものが、見られない。 「違う」、から。 「パターは私のプライドそのものなのだから…」
真正面からの怯みなどない真っ直ぐな強い視線。 長い長い2度目の勝負。 …予感が、する。 最後のパットを沈めて、彼女を見た。 一瞬諦めに似た表情が浮かんだ。眼を伏せ、敗北を認める。 外野が騒ぐ音が聞こえたけれど気にならなかった。 伏せられた瞳。 今はどんな色をしている? そればかりが気になった。 早くその瞼をあげて、もう一度 僕を 予感がするんだ。 君なら大丈夫 きっと前と変わらないその視線で そしてここへ来るだろう たとえ今は打ち据えられても 這い上がり、そこを越えて。 …そうして、同じ世界を。 早くおいで。 君なら見れる。 君と…見れる。 それは確信と酷似した予感 了
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