1.蒲郡市の概要
2.公営住宅などの概要
3.立体交差事業
4.都市再生整備計画
5.市街地再開発事業
(1)蒲郡駅南都市軸西地区第一種市街地再開発事業
(2)駅西地区について
6.土地区画整理事業
(1)蒲郡駅南地区
(2)蒲郡蒲南地区
(3)蒲郡中部地区
7.中心市街地活性化基本計画
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●区画整理について Q.保留地処分はどんな状況か。 A.そもそも保留地が少ない。蒲南地区、中部地区とも4%(地積)。駅南地区は保留地はない。保留地が散在しており、移転を進めつつ保留地をあみ出している状況である。
Q.区画整理の今後の予定はどうなっているか。 A.地価が下落しており保留地処分も思うようにできない。中部地区以降は予定が立てられない状況。
Q.蒲南地区は準工業地区が多いが、地場産業の状況はどうか。 A.元々繊維産業が多かったが衰退が進んでいる。区画整理事業を始めた当時は多かったが、平成5年以降外国製品に押されて急速に衰退し、現在は最盛期の1/3 。工場跡地は賃貸マンションなどに変わっている。
Q.分譲マンションの建設はどうか。 A.分譲マンションよりも賃貸住宅が多い。現在は供給が過剰ぎみ。核家族化で世帯分離した世帯が、持ち家を取得できなくて賃貸に流れている。
●都市特性と中心市街地の状況 Q.都市再生整備計画の対象である蒲郡中央地区ではピーク時に比べて人口はかなり減っているのですか。 A.ピーク時の人口データは把握していないが、減っている。
Q.市内でどこが増えてどこが減ってということはあるのですか。 A.増えている地区はあまりない。郊外化の傾向が見られるが、春日浦住宅(形原地区の埋立地)までは行かず、中心市街地の外側の工場跡地等で建設された賃貸住宅や分譲住宅に出て行くケースが多い。
Q.商店主が郊外に住むという傾向は見られないのか。 A.商店主の老夫婦は商店街に住んでいるケースが多く、なかなか家屋敷を手放せない。区画整理を行っても商店をやるだけの余力が無い。
Q.人口がピーク時よりかなり減っているが、どのような人が出ていったのか。 A.働く場所がないので若者が地元に戻ってこない。高齢化率が県下30市の中で3番目に高い。子供は外に出ていってサラリーマンになり、商店を続けている老夫婦は、どちらか一方が体調を悪くすると商店を閉めてしまうのが現状。
Q.蒲郡は、都市形状が海に沿って線形になっているので、中心性が弱くて不利だ。また、平地が少ない点も不利。 A.JRの駅が4つある。平地が少なくて地価も高かったため、隣接の幸田町や小坂井町に転出した人も多い。西浦、形原からは、蒲郡の中心部に来るよりも幸田町へ行く方が早い。
Q.売れる土地がないということか。国道247号バイパス辺りは、宅地や大型店、沿道店舗の需要もあると思うが、引き合いはないのですか。 A.あまりない。交通量も少ないし、土地を売らない傾向もある。
Q.中心市街地というよりも全体が地盤沈下している印象だ。どこか1ヶ所でも活力を見出せるところがあればよいのだが。 A.国道247号バイパスが全部完成し、国道23号も整備できれば変わる。蒲郡インターまでなら10年程度でできると思う。
Q.高齢者向けケア付き住宅はどうか。幸田町では民間がデイサービス付き賃貸住宅を建設している。蒲郡駅周辺には商店もあり観光もあって、抜群に住みやすいと思う。ユニーの跡地辺りに、スポーツジム、デイサービスセンターと賃貸住宅の複合的施設の整備も考えられる。 A.商店街を見ていると、大型店と競合する店舗は閉店してきている。高齢者のために、まちなかで商店があるとよいと言うが、現在残っている商店だけでは生活できないのが実情だ。
Q.駅前にはアピタもあるし、やめたいお店はやめてもらっても構わないのではないか。豊橋の駅前に比べれば状況はよいと思う。 A.シャッターが下りたところをどう使うかが問題。
C.郊外の一戸建て用地を斡旋してシャッター店舗用地を買収し、駅前にマンション建設をすることもできる。 C.まちづくり3法には期待していいのでしょうか。 C.蒲郡の場合、それほど郊外に大型店ができている訳ではないので、まちづくり3法で解決できる問題ではないと思う。 ●ラグーナ蒲郡周辺の開発について Q.今度、蒲郡で中高一貫校ができますね。 A.今日が開校式。海陽学園。全寮制で1学年が120人。全学年で720人。
Q.ラグーナのマンションが本来は週末利用を想定していたが、実際は定住者が予想以上に多いと聞いた。蒲郡市の底力ではないか。まだ、マンションの建設は続くのか。 A.マンションは立地等の条件がよかったと思う。今3棟目を建設していて、6棟建設する計画がある。
C.普通のマンションではなくて、ケアサービス施設もつけたらどうか。 Q.マンションの入居者はどこから来るのか。 A.ヨットの係留施設があるので、ヨットやモーターボートのオーナーがマンションを買って、週末にヨットを楽しんで泊まっている。そのため、ウィークデーは人がいない。
Q.ホテル建設の可能性はどうか。 A.ホテルは、近接する三谷温泉との調整もあり、まだ決まってはいない。
Q.蒲郡東高周辺(ラグーナのある大塚地区の山側)の市街化調整区域内の住宅開発の可能性もあると思う。 A.地盤が岩質で造成が難しい。またJRで分断されていることもネックである。
C.高校の辺りからは、ラグーナの観覧車も見えて、南斜面で抜群の立地だと思うのだが。 Q.蒲郡市は市街化区域内の未利用地が少ないので、市街地の拡大も可能ではないか。 A.県からは、区画整理予定地として建ぺい率を厳しくした地区が2地区あり、市街化区域内の未利用地が多いと言われている。
●蒲郡の観光と文化、産業 Q.蒲郡は観光地のため、物価も少し高い。元は蒲郡の主要産業は何だったのか。 A.文献によれば、農業と漁業。三谷、形原、西浦に港があり、蒲郡にも港があった。戦前から三河木綿があり、戦後ガチャマン景気で繊維が一気に栄えた。昭和40年ごろまでは繊維に関する一連の工程が全てまちの中でできたが、現在はあやしくなってきている。
Q.有松のような文化にはなっていかなかったのか。 A.ない。木綿の生地は元々作業着用。戦後は木綿が衰退して化繊が主力になった。最近、三河木綿を復活させようという活動が始まった。昔の手織りの機械を探してきて、希望者を集めて、綿を植えるところからはじめて、糸をつむいで、自然の染料で染色して、織ってという一連の活動を行っている。繊維産業を復活させて、これを観光資源に使おうという産業観光にも取り組んでいる。小物や服地をお土産にしようと取り組んでいるが、絹織物や有松の絞りのようなものなら付加価値も高くなるのだが、木綿はそうはいかない。
Q.蒲郡は熱海に似ている。熱海では、寛一・お宮に頼って、新婚旅行ブームに頼って、ふと気づいたら団体客がいなくなっていた。蒲郡も他に何もない時はここしかないということで客が来たが、今後は地元の文化が重なるような取り組みをしていないとダメではないか。 A.観光のスタイルが変わった。一昔前までは、バスで団体で駆けつけて、宴会をして、帰りにお土産をどさっと買って帰るスタイルが主流だった。しかし、今は小グループや家族旅行に変わってきた。昔は大浴場があればよかったが、現在は部屋付きの風呂があるとか、少々高くても良いから家族がのんびりできるという風に観光が変わってきた。熱海も蒲郡もこのあたりの読みが遅かった。名古屋からの観光客にとっては、蒲郡は遠いというイメージが強い。
Q.昔ながらの観光に拘っていても先が無いのでは。 A.従来の観光ではダメで、交流をしていこうと昨年の3月に観光交流立市宣言を行った。現在の取り組みとしては、健康と観光を結び付けようとか、市民を巻き込んでいこうとか考えている。
C.大変よい試みだ。青森ではりんごの木を1本単位でオーナー制にしたりしている。みかんの木もできないのか。 A.そのような取り組みも始めた。 C.収穫だけではなくて、途中も手入れに来させるようにしたらよいのではないか。世話をしてもらうことを通して、蒲郡の魅力を感じてもらって、リタイアした後に住んでもらう。2007年以降の団塊の世代の退職者を呼び込むことを考えたらよい。 C.伊豆に高齢者向けのマンションができている。遠いというイメージを逆に利用してみてはどうか。蒲郡にはこじんまりして暖かいというイメージがある。そういうイメージは売りになる。高齢化を逆手にとって、高齢化した人を呼び込んではどうか。温泉があることもアピールポイントだ。 C.そのような高齢者に木綿を織ってもらったりしてはどうか。
C.イタリア北部のトリノなどでは、染色や機織りなどの産業を活用して持ち直してきている。 C.蒲郡は駅から歩いて2分で観光地。高齢者向け産業に新しいニーズを見出すことは可能性がある。 C.海洋レジャーもある。 C.蒲郡は「三河の鎌倉」。 C.駅前の区画整理を活用し、マンションを建設して、よいイメージで売り出せないか。 C.吉良町で、トヨタの寮を特別養護老人ホームに活用している事例がある。三谷温泉の山側の建物を福祉施設として活用したらどうか。高級高齢者向けケアハウスといったイメージ。 Q.若い人たちには蒲郡ブランドのジーンズを作ったら売れるのではないだろうか。 A.一部の繊維業者は新しい取り組みを行っているが、全体としてはまだ昔のイメージが強い。中国製品と同じものを作っていても勝てないということで、最近は中国では作れないものに特化する動きが出始めている。
Q.競艇場の来場者を中心市街地に呼び込むことを考えてもよいのではないか。 A.最近は競艇場の来場者も高齢者が多い。昔は競艇場のおかげで飲食店が賑わった。それが駅南に飲み屋街を形成していた要因の一つ。最近は客層が変わってきた。
Q.三谷や形原に2泊して、1日は競艇場で遊んでもらうというような企画はどうか。 A.温泉と競艇のタイアップ企画はいろいろ実施している。イベント時の旅館宿泊券の提供やツアー企画も実施している。
Q.以前の会社で西浦にマンションを造ったことがある。蒲郡までは東京圏で、西三河から大阪圏になる印象だ。安城駅近くにトヨタ資本の25階建てマンション337戸が分譲されたが、即日完売した。トヨタとの連携を模索したらどうか。また、幡豆3町連携して三河湾を活用することが必要。さもないと、西尾蒲郡線は廃止されてしまう。 A.現在、幡豆3町に加え、岡崎市と幸田町を含めた広域の観光協議会を立ち上げようとしている。将来的には西尾市まで含めた展開をしたいと考えている。すでに幡豆町とは色々と協力している。
C.鎌倉・室町時代から海の道があるので、幸田町では、幡豆町、吉良町に海の東海道で売り込もうと声をかけている。リゾート法の時に三河ネットワークという組織を作ったが、それをもう一度活用しようという話もある。蒲郡には古墳もたくさんある。 A.今は工業に元気がないから観光も元気がない、そして商業も元気がない。どこか一つでも元気になったら、また変わってくるのだが、なかなか噛み合わない。悪循環だ。蒲郡は歴史、産業、産物などの売りに乏しい。 C.そんなことはない。十分売りはあると思う。
C.簡単に作れる売りではダメ。三河木綿も学校教育に取り入れて、後継者を育成するように仕組んでいく必要がある。 A.学校の総合学習では取り入れている。 C.デザインの先生を呼んできて、デザイナーの素養を持った職人を育てなければいけない。10年20年という期間をかけて、地元の文化とマッチしたものを作り上げていく覚悟が必要。 ●協働のまちづくり Q.8月頃協働のまちづくりの条例を作ったようだが、どんな内容か。 A.市民も巻き込んでまちづくりをやっていこうという趣旨だ。NPO,ボランティア活動が活発になってきているので、それらをもっと増やしていこうという動きはある。また、今後退職者が増えるので、ボランティアでまちづくりに協力してもらおうという意図もある。
C.最近は退職した高齢者がまちをパトロールするという活動も見られる。そういう活動を通して、また新たな活動が生まれることもあるのではないか。商業の活性化だけでなく、コミュニティの活性化についても考えることが必要なのでは。 C.時々は市民のことを必死で考えて、時々は全て忘れて新しいことを考えることが必要。全部行政が救ってあげるというスタンスではなく、市民が行政に協力するように促していく必要がある。 |
■ 蒲郡市見学会 ■ 3月21日実施 |