■見学ルート
名鉄半田駅前市街地整備事務所区画整理地内JR半田駅前中埜酢店運河沿い工場群国盛「酒の文化館」T’s Cafe


参加者:計11名
2002/6/29
 ミツカン酢前運河
  
名鉄駅前から北を見る       駅前から東側の駅前通りを見下ろす      駅前通りから西に駅を見る

高い建物はビジネスホテル

右側の建物は移転者用仮住居
  
事業開始当時に作成した地区模型                三階建て住宅                  マンション
■感想・メモ
名鉄の駅前通りが、区画整理前に較べ、かなり空き地が増え、淋しくなった。
駅前通りから南側の地区は一面空き地となり、まるでニュータウン整備をしているようだ。しかし、かつて繁栄していたという記憶があり、駅に近いという立地もある点で、単なるニュータウンよりは活性化するのは早いかもしれない。一方で、修復型の事業に較べ、地域内の商店が事業完了まで経営的に大丈夫か、そうしたことも踏まえ住民の同意が得られるか、の2点に疑問がある。
この区画整理事業の場合は、市施行で、保留地処分はなく、国・県も含めた補助金や市の単独費(先買等)で賄われている。この点で市民の同意(議会での議決)があって進められていると言えるし、組合施行と違って事業上の不安は少ない。
地区内に整備する広幅員の道路がことごとく地区の端で行き止まるということを実感した。これは、かつて地区外から集めていたであろう商業需要を遮る可能性もあるが、一方で記憶をとどめ、領域性を強く感じさせる面もあるだろう。地域のアイデンティティをアピールする方向で働けばいいのだが。
既存の商店者には、他地区へ移転して営業するなど、個々の努力で対応してもらっている。土地を売って出ていくことで儲けた人もいるようだ。
定借マンションは2000万円前後で分譲され完売。旧メッキ工場は、地区計画の制限もあって、ビジネスホテルに事業転換し7月オープン予定。
地区計画で、主な幹線道路沿いは1階住居用途が禁止されているのはかなり厳しく感じる。ただし、従前居住者には除外規定があり、住宅建設もされている。100m2以下の従前敷地は減歩をしていないが、それでも3階建てが多く建っている。
  
駅前通の空き地と末広交番             JR半田駅                     JR駅前商店街
 
中埜酢店本社(旧東海銀行半田支店)                 博物館「酢の里」
  
小栗家                  中埜半六邸               国盛「酒の文化館」
国盛「酒の文化館」に隣接する中埜半六邸は、現在、毎週日曜日にボランティアの人が通って修繕をしているとのこと。半六倶楽部
国盛「酒の文化館」ではなかなか興味深い話が聞かれた。雁宿の台地で汲み上げた地下水を木管で運河沿いの工場まで運び、完成品を江戸に出荷した。海に近いので土蔵の壁に保護のため下見板を張った。火事に備え、数カ所をはずすと全て取り外しができる仕掛けとなっている。などなど。
かつてあった3階木造建築の加登屋は取り壊され、普通の家になってしまったとのこと。
ミツカングループの総帥・7代目中埜又兵衛が5月に亡くなり、7月1日にお別れの会がある。子息が8代目を襲名するのではないか。なおJR線沿いの本宅は木立に囲まれ、まとまった林のようだった。
「T’s Cafe」は1階に30席程度。靴を脱いで上がる。2階は和室があり、学生等が利用している。
半田市は人口11万4千人。社会増を続けている。ミツカングループの他、日本碍子、川崎製鉄、豊田織機等がある。法人税は景気変動にはあまり左右されていないとのこと。ミツカン酢が内需型食材産業のゆえか。
 
(株)タウンマネジメント半田の事務所(元おもちゃ屋)                 「T’s Cafe」