西
2001/10/13

参加者:計11名
  名鉄西尾駅 今昔
小京都がブームになったのは随分前なので、西尾市も昔から「小京都」と称していたと思っていたのですが、全国京都会議への加入が平成7年度とのこと。ブームが終わってから三河の小京都と称し、それが全市のコンセンサスではなく、観光協会だけのとりくみになっているところが残念です。耕地整理でできた川に二条橋などと名づけ、京都を意識していたのなら、昔からそれを前面に打ち出していれば、もう少し違ったものになったのではないでしょうか。
  
                     西尾劇場とその内部      賀茂川に模した北浜悪水路
●西尾劇場 芝居小屋として建設され、依然現役。ただし入り口付近は駄菓子屋となっている。昨日まで「郡上一揆」を上映。次回は「伊能忠敬」。こうした現代映画も上映される一方、時代物も上映され、これらには遠方からの客もあるとのこと。
  中央通りの街並み
●道路拡幅 中央通りは相当数の建物が移転、又は後退し、かなり寂しくなっている。アーケードも取り外され、白い支柱だけが空しく並んでいる。中町通りも一部区間が幅員18mに拡幅され、両側が遠く離れ、却って寂しい感じがする。道路を拡幅すれば商業施設が立地する時代は今や幻想となっているにも関わらず、道路を拡幅するという目的のためだけに工事が行われているように感じる。道路を造ることで却ってまちを壊しているのではないか。
歴史的な面影を残すことが随所にありましたが、道路整備によってかなり改変されている印象です。中心市街地の道路の整備率は、他と比べるとかなりよいのではないでしょうか。細街路も多いけど、骨格道路が整備されており、それもかなり贅沢な感じです。財政が豊かだったので、一生懸命に整備してきた結果ということでしょうか。もっと早く整備されているか、そうでなければ未整備のままだった方がよかったのではという印象です。
  
順海町などに残る寺社と黒塀/肴町・中町の古い町並み
   
  
  
  岩瀬文庫と児童館
●岩瀬文庫 明治41年築の木造3階建て。赤煉瓦造り。西尾の豪商岩瀬弥助の蔵書10万冊以上を蓄え、書画も多い。現在は市立図書館の一部となり、隣接地に新図書館を建設中。また、近接する小さな木造洋館「児童館」も現存。
  
  
拡幅予定の中央通りに面する旧井桁屋の外観と内部、屋上から見た町家の構造
●旧井桁屋 大正14年建築の鉄筋コンクリート造3階建ての百貨店。ただし昭和17年には廃業しその後使用されてこなかった。市内の大学生がリーダーとなって「旧井桁屋を考える会」を結成し、将来の生活者・納税者である若者がこの建物の保存又は取り壊しを考えたい、とアピール。清掃活動や内部を利用したイベントなどを実施している。1階で西尾市内の懐かしい写真を展示するほか、みんなの意見などを掲示。ただし建物は既に2階部分で相当な雨漏りがあるなど、恒久的な使用には耐えないと思われる。屋上庭園は当初からあったもののようで、かなり立派な木も生えていた。
●市内のボランティアグループ「0563.net」の代表、榊原さんから話を伺う。本業は花火の卸を営む。「0563.net」では、市外局番0563の範囲の地域限定の情報を提供するポータルサイトを運営し、地域を支えるとともに、地域コンテンツの掘り起こしの意味から地域の活動を支援。「旧井桁屋を考える会」と「吉見家を活用する会」も実質、榊原さんたちがバックアップしている。
●岩瀬文庫を造った岩瀬弥助氏に0563.netの榊原さん。まちは、結構、こんな特異な人?の存在でもっているという印象も受けました。
 たまたま14日の中日新聞に「旧井桁屋」のことがとりあげられていました。道路拡幅と老朽化という現状から、保存はなかなか難しいと思いましたが、屋上庭園があり、当屋のある建物は、なかなか味があります。取り組みが遅すぎたというところかもしれません。ただ、この取り組みが次のまちづくりの展開につながれば、非常に面白い。高校生や大学生が関心をもつきっかけになれば、非常に楽しみです。
●吉見家 旧井桁屋の所有者である吉見家の邸宅。吉見家の人達は現在、名古屋その他の遠方に住み6年前から空き家となっていた。市内の高校生が代表となって「吉見家を活用する会」を結成し、8月から掃除を開始。庭師等のボランティアもあり現在はきれいな状態になっている。茶室や蔵も備える立派な屋敷。
吉見家では、旧井桁屋は市への寄付、この本宅は市が購入されることを希望していると言われるが、市はまだこれらの申し出を受ける方向にはない模様。客観的に見て、西尾の文化資産として、市民が税金を投入して維持管理しまた活用していくという気運がまだ十分熟していない感じ。市としてもどう活用していいかわからない様子。できれば市場経済の中で活用され残っていくことが一番いいのだが。固定資産税相当額で、きちんと維持管理してもらえる方に賃貸するとか。ボランティアベースで市民に意識啓発の活動を行い、市が手を差し伸べるのを待つという今の活動方針より、名古屋の撞木館のように、民間ベースで活用していくことを考えた方が、保存するにしてもより良い形になるのではないか。
 ほんちゃん工房  
 本町通りの町並みとかつての繁栄 
  伝想茶屋と西尾城内の門
●伝想茶屋 (株)デンソーからの寄付により建設された市が所有管理する飲食・休憩施設。観光協会が管理受託し、飲食販売等は業者に再委託。湯葉料理がうまく酒も出すとのこと。