死闘

死闘

ついにこの日が来た。
開始は10時40分からだったが、弁護士が10時からちょっと打ち合わせをしましょうとのことなので、 10時に裁判所へ。

時間に律儀(?)な私は、9時50分頃到着して、買ってきたおにぎりを食べながら本を読んでいると、 そこへ弁護士さん登場。 電話の声からして、結構な年を取った方だろうな〜とは思っていたが、 まさかこれほどとは!!(笑)
まーでも、話のしやすいおじいさん(!)で、私は好印象を持ちました。 最近は弁護士の仕事はそこそこにして、宇宙物理学の勉強がしたいんだとさ。 ただ、物理をやろうとすると、どうしても数学を理解しとかにゃならんので、 とりあえず数学のお勉強をしてるんだそうだ。
この方も言っていたが、「もっと若いうちに勉強しておけば」というのは、 誰しもが思うことであろう。 私も最近は勉強ばっかりだが、「大学時代にもっと勉強しとけばよかった」 といつも思っている。

話しが大幅にそれちゃったが、その弁護士と時間までお話しをして、いざ出陣。

法廷ではまだ前の裁判が終わっていなかった。 まー、どんなことをやるんかを見るのもいいだろうと、じーっと見ていた。 被告人は私と同じぐらいの年齢で、内容を聞いていると、どうも事故を起こしたらしい。 しかも、居眠り運転をして、歩道にのりあげ、そこを歩いていた歩行者を次々にはねちゃったんだってさ。
めちゃくちゃ重罪やん!
あっちゃーである。しかも任意保険に入っていないとさ。もうW(ダブル)あっちゃーである(笑)。 「さすがに人様を傷つけるようなことはわたしゃしちゃおらんよ〜」とちょっと私は安心してしまった。
んで、最後に検察側の言い分で、私も多分言われるだろうフレーズの 「本件、極めて悪質であり、酌量の余地無しであります」 という水戸黄門の「この印籠が目に入らぬか」と同じぐらいの決まりきった文句を聞いちゃいました。

んで、この人が終わると、やっと私の番。いやー、どんなことが起こるのだろう?ドキドキ。
裁判官に、「被告人前へ」と言われ、真ん中へ起立させられ、名前と住所を言わされる。 検察側から、今回の起訴内容を読み上げられ、素直に頷くと「戻って良し」と言われ、 すぐ横の席にまた戻る。

ちなみに見取り図は以下のような具合である。

         +----------------+
         |       〇裁判官 |
         |----------------|
 雑用係?|〇  〇書記官?  |
         |----------------|
         |                |
         |--+          +--|
         |  |          |  |
   検察官|〇|   +--+   |〇|弁護士
         |  |   |〇|   |  |
         |--+    私    +--|
         |                |
         |                |
         |----------------|
         |〇 ギャラリー 〇|
         |                |
         +-------------  -+
                     出入口
起訴内容の確認が済むと、今度は証拠提出である。証拠・・・、まー簡単に言うと私を写した記念写真だね。 あと、その付近の道路の写真なんかも含まれていた。それらを私も確認のため見させられた。

次に、こちら側(弁護側)からの言い分を喋っていくのだが、 弁護士が「この道路で制限速度の40Kmで走っていると、他の車が80Kmぐらいで走ってるので、逆に危ないよ〜」 とか、そんなことを喋っていたような気がする。

今度は、あちら側(検察側)から私へ容赦無いほどの質問攻めである。 しかも、この検察官は女性であった。 ロボットみたいな感情のこもってない非情な口調で私を攻めてくる。 まー、こーゆー喋りがメインの職業は女性の方が向いているのかもしれない。 関係無いが、この女性は30歳前後の方で、たぶん一生独身であろう方だ(笑)。

その質問攻めがようやく終わると、今度は裁判官が私に質問をしてきたのだが。これが困った。 先ほどまでは検察官と熱いバトルを繰り広げていたのだが、一気に意気消沈。 その質問はと言うと、
「警察でとった調書の最後に、"今後交通ルールを守り、安全な運転を心がけますので、今回は罪を軽くしてください" と書いてありますが、あなたにとって"交通ルールを守る"とはどうゆーことですか?」
だって。いきなりこんな質問されると、今まで軽やかに動いていた私の口がぴくりとも動かなくなってしまった(笑)。
「なんや、交通ルールって? 標識とか守ることか? っちゅーかそもそも俺そんなこと言ってないぞ。 あのじいさんが勝手に書いたんやぞ・・・」
とか1分ぐらい、目を瞑(つむ)って考えてから、回答した・・・、したんやけど、なんて答えたっけなー?(笑)
でも、この1分はみんな物音一つ立てずに「シ〜ン」としてたね。

そんで、裁判官からの質問タイムが終わると、検察側からの求刑内容の読み上げである。 ここでも、「本件、極めて悪質であり、酌量の余地無しであります」 と言われたね〜。これはこの人の口癖かなんかかな?ってゆーぐらい慣れた口調で読み上げる。 「死亡事故の増加する昨今を鑑みると、警鐘を鳴らす意味で、懲役六月を求刑します」 だってさ。心の中で思ったね。そんな警鐘鳴らさんでよし!

それに対して、こちら(弁護士)からは、 「前科も無いし、今までの交通違反は一時不停止の一回だけなので、執行猶予付きの判決を望みます。」 とのこと。実は駐禁もあるんだけどね、と心の中で思ってたが。

これを受けて裁判官が、私をまた起立させ、 「最後に言いたいことがあったら一言だけ、手短に話しなさい」
と、今回の件についてどれだけ反省してるか ということをしゃべる時間を頂けるのだ。 たぶん何を言っても対して変わらんと思うが、「別に何も無いです」 というのは大減点だと思うので、一応「反省してますよ〜」という内容のお話をする。
それが終わると、いよいよ判決の日時が告げられる(なんや、今日すぐに判決ってでーへんねや、と思った)。 「判決は2月21日の午後1時からこの法廷で」と言って終わった。

また来週 来なあかんのかー、めんどくさいな〜。

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