今回はちょっと数式の出てくる小難しいお話である。
でも、SS'S風に簡単に説明したいと思う。
皆さんはクルマのカタログなどを見たことは無いでしょうか?
まー、こんなページを見てる人なら、クルマのカタログぐらいは見ていることでしょう。
(じゃー聞くなって?)
カタログを見るとそのクルマのサイズや、
エンジンの性能などが絶対に書いてあり、
クルマのことをよく知っている人や、興味がある人は、
280馬力にピンとくる人もいることでしょう。
ところが最近この「馬力」の単位がなくなりつつあることはご存知でしょうか?
下の図を見てもらえればわかる通り、
最高出力・・・kW/rpm
最高トルク・・N・m/rpm
となっている。

これは我が愛車セブンのカタログである
しかし実際の値は 206/6500(280PS/6500rpm)
となっており、どっちがほんとの値なんだよー!
とつっこみたくなる。(ちなみに「PS」は馬力のこと)
これは実はどっちも本当の値である。
日本でも昔尺貫法という違う単位系が存在していたのと同じように、
単位系が違うため数値が違っているのである。
本来物理量を記述する際、SI単位系(System International Units)と呼ばれる
国際単位系を用いなければならない。
よって世界共通の単位である「KW/rpm」で最高出力を表示しないといけないのである。
だからかっこでくくられて、
申し訳なさそうに「280PS/6500rpm」と記述されていたわけである。
「PS」表示は工学単位系と呼ばれており、
工学というからにはそりゃー長い歴史があり、
ほいほいと単位を変更することができない。
今まで日本語をしゃべっていた人が、
すぐに英語がしゃべれるようになるわけがないのと同じように。(ん?ちょっと違うか?)
んが、最近になって、今まで野放し状態であったクルマ業界にも取締りのメスが入り、
みんなこぞってSI単位系を使い出した。
以前は「280PS/6500rpm」とでかでかと書かれていたのに・・・。
ちなみにSI単位系は以下のSI基本単位を基本として、
これらの組み合わせで物理量を表現する。
量 | 単位の名称 | 単位記号 |
長さ | メートル | m |
質量 | キログラム | kg |
時間 | 秒 | s |
電流 | アンペア | A |
温度 | ケルビン | k |
物質量 | モル | mol |
光度 | カンデラ | cd |
SI基本単位
それぞれに定義はあるのだが、聞きたい人にだけ教えてあげます(笑)
で、結局何がいいたいのかというと、
今まで馬力(PS)表示で慣れていた人が、
ワット(W)表示にされてもピンとこないので、
kW -> PS に変更するにはどうすればいいかというと、
1.36を掛ければよい。
206(kW) × 1.36 = 280(PS)
となりますね。
ちなみに、最大トルクは N・m -> kg-m と変更するには、
0.102を掛ければよい。
長々と書いてきた割には、結論は一瞬ですな。
さすがSS'S風である。(笑)