摩擦円を科学するぺえじ

摩擦円を科学する(前編)

摩擦円ってなに?
とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんので、一応説明しておきます。

摩擦円というのは、タイヤのグリップを説明する時に出てくるもので、 縦軸にタイヤにかかる前後力(駆動力、制動力)、横軸に横力(コーナリングフォース) をとった円のことである。 現在のタイヤのグリップがどのあたりにあるかはこの摩擦円上の点で表せるようになる。
図にすると下のようになる。


摩擦円の絵

タイヤはグリップに限界があり、その限界は上の円内となり、 摩擦円を超えるとタイヤはグリップを失い、スピン状態に陥る。
「?」
となっている人がいるかもしれないので、具体的に説明しよう。

例えば、今クルマは静止状態だったとしよう。 当然、タイヤにグリップは必要ないので、グリップ座標値は(0,0)であり、図1のようになる。

さー、アクセルを踏んでクルマを加速させましょう。 すると、タイヤはクルマを動かすために転がりますが、このとき地面との摩擦で転がります。 アクセルの踏み方にもよりますが、ゆっくり踏めばそれ程グリップを必要としません。 仮に半分ぐらいのグリップが必要だったとしましょう。この時グリップ座標値は、図2のようになります。

ある程度スピードに乗ったら、加速も減速もしない一定走行の状態になり、また図1のようになります (もちろん厳密には若干の加速状態ではありますが、簡単に考えるためこのよう考えます)。

そのままの一定速度の状態で、右にコーナリングしてみましょう。 60Kmで300Rぐらいのゆるいカーブだと仮定すると、図3のようになります。

ゆるいコーナーを抜けると・・・、おっとーいきなり40Rのヘアピンだ―。 となったらまずは急ブレーキ(図4)して、ある程度減速しながらコーナー(左コーナーのヘアピンだと思ってください)に進入していく(図5)。 コーナー出口が見えたらなるべく直線的にアクセル全開にして抜けていく(図6)。

なんかいきなりサーキットになってしまったが、摩擦円が理解できたであろうか?

上の2つの絵を比較すると、通常走行時に、ほとんどタイヤのグリップを必要としないのがわかるだろう。 逆に、サーキットなどで速く走ろうと思うと、どれだけタイヤのグリップを摩擦円周上で維持できるかにかかってくる。 これがなかなか難しい。特に、ブレーキはプロとシロートの差が如実に表れるというのが一般的に知られている。
まー、最近のクルマはやれABS(アンチロックブレーキシステム)だの、 やれTRC(トラクションコントロールシステム)だのといった、最新兵器が備わっているので、 かなりドライバーを助けてくれるわけだが(良い世の中になったのか、悪い世の中になったのか・・・)。

なんだか、内容は薄っぺらいのに(←いつものことだが:笑)、やたらと字数が多いなー。 小学校の作文みたい (^^;
う〜ん、他にもいっぱい書きたいことがあるので、次回にしよう。


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