音量感の周波数特性 音の高さ(成分的な意味も含む)により音量の感じ方がどう変わるかが「音量感の周波数特性」で、それを調べた結果が右グラフのラウドネス曲線です。音量感の単位はdB(デシベル、詳細説明は略)というものを使います。右グラフは以下のように読みます。 例えば人が0dBと感じる音量は"Feeling 0"の曲線で示されますので、周波数100Hzならば物理音量は約40dB、1000Hzならば約0dBが必要となります。 大まかな傾向としては、特に500Hz以下の低域で、周波数が低くなるほど、また物理音量が小さくなるほど、音が聞こえにくくなる、ということがわかります。オーディオ・アンプに付いているラウドネス・コントロールとは、物理音量が小さい時の低域と高域の聞こえにくさを、物理音量が大きい時並みに補う機能です。ちなみに、人間が最も敏感に感じる周波数帯域は、赤ん坊の泣き声の最も強い周波数成分と一致する、ということを聞いたことがあります。 |
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マスキング ある刺激が、他の刺激の存在によって、その認知度を低下させる現象で、聴覚以外の感覚でも起こる効果です。下のグラフは800Hzの純音(倍音を持たない音、つまり正弦波)によるマスキング曲線で、800Hzの音が100dBの音量で鳴っている時は、他の周波数の音は「100」と記された一番上の曲線で示される分だけ減衰して聞こえる、また曲線以下の音量の音は聞こえなくなる、というものです。 グラフからもわかる一般的傾向としては、以下のような特徴があります。 専門書を見ると、この他にも様々な種類のマスキング効果に関する記述があります。デジタル・オーディオの世界で、この効果を利用してデータの削減をしたのが、カセットテープに取って代わりつつあるMini Disk(通称MD)や、インターネット音楽配信の主流となったMP3方式です。 合唱では子音が母音にマスキングされる、という現象が起きるので、合唱で歌う時は独唱の時以上に子音をはっきり発音する、またパート内あるいは全パートで子音の発音タイミングを揃える工夫が必要となります。 |
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