中国へ留学する

 このページでは中国留学に必要な情報、知っていると役に立つ情報を、僕の経験上から、あるいは友人に聞いたものを、簡単にまとめて紹介しています。足らない部分、新しい情報など随時追加していきますが、留学についてのもっと詳しい内容については、個人的に厳選した「留学関連リンク」を用意しましたので、ご覧ください。



  留学の参加方法

 留学斡旋業者に申し込む。手数料は3万円から5万円。先に斡旋業者に申込金を払い、授業料、寮費その他は現地の大学に各自で支払う。大学によって年齢制限があるが、基本的にお金さえあれば誰でもOK。
 自分で大学に問い合わせて資料を取り寄せる。その場合、中国での保証人が必要。

  留学する大学

 北京市内だけ見ても留学生を受け入れている大学はかなりの数があるが、できるだけ有名な大学を選んだほうがいい。先生の質が明らかに違う。新しく留学生を受け入れ始めた学校や、小さな学校では、歴史や経済の先生が、中国語を教えたりするので、教え方もうまくないし、発音に訛りがある。やはり有名どころの北京大学、北京語言学院、北京師範大学等が、無難なのではないかと思う。まずは半年(一学期)みっちりと基礎を叩き込んで、その後は自分で北京市内や天津、上海などの他の都市の気に入った学校に移るのも一つの手段。
 各大学の詳しい内容については、留学関連リンク内の、ChinaForum中国留学信息を参照。

  宿舎

 基本的に大学内の留学生寮に住む。値段は二人部屋で一人40元ぐらいの部屋から100元くらいの一人部屋などさまざま。最初は、見ず知らずの人と同じ部屋に住むことに抵抗を感じるかもしれないが、それはそれで友達を作るいい機会でもある。気に入らなければ、途中で部屋を換えたりすることも可能なので、気にすることはない。
 大学外で部屋を借りて住むことも可能だが、留学生が一人で部屋を探すのは難しい。中国人の友達を頼って探せば、一部屋800元から1500元くらいで借りられる。大学の寮では、外国人の友達を作りやすいが、大学外で住むと中国人の友達が作りやすい。

  食事

 大学に留学生食堂や、中国人の利用する食堂があるが、基本的にあまりおいしくない。一食3元から10元。中国人の学生が利用する食堂なら、その半額くらい。ほとんどの留学生は、初めは留学生食堂で食事をするが、慣れてくると、学校内外の小さな飯館(ファングァン・外食店)で食べることが多くなる。学生食堂で食べるよりやや高めだが、数人で行けばたくさんのおかずを食べられて、しかも10元から20元で、おなかいっぱい庶民的な中華料理が食べられる。食は中国留学の大きな醍醐味の一つ。とにかく、安くておいしいものがあふれている。

  授業

 多くの大学は語学留学生を受け入れ、大学の本科とは別に留学生のために授業を開いている。学生はもちろん外国人ばかりである。大体日本人が一番多く、韓国人、インドネシア等東南アジアの華僑、西洋人と続く。男女の割合は日本人だけで見ると、女性が圧倒的に多い。
 授業開始前にクラス分けの試験をして、能力に応じてクラスを分けるが、自分に合わないと思ったら、クラスを変えてもらうことも可能。先生に言えばちゃんと相談に乗ってくれる。自分にあったクラスを選ぼう。だが、最初は怖がってレベルの低いクラスを選択しがちだが、思い切ってちょっと難しいかなと思うくらいのクラスを選ぼう。耳が中国語に慣れてしまえば上のクラスも同じ。一番下のクラスで西洋人と混じって漢字の意味や書き順などを勉強しても時間の無駄。
 授業はほとんどが午前中に集中している。先生はすべて中国人。授業中の会話もすべて中国語。最初は戸惑うが、一ヶ月もすれば授業ではほとんど問題なくなる。あとは自分次第。授業以外でどれだけ中国語を使う機会を持つかによる。
 授業の科目は大きく分けて読写(読み書き)、会話、聴力、報刊(新聞)の4科目。

  余暇活動

 映画、ビリヤード、卓球、お酒、カラオケ、ボーリング、ギター、麻雀、テニス等が留学生の主な暇のつぶし方。数人で近くのインターネットカフェに行って、日本ではあまり楽しめない対戦型のパソコンゲームで遊ぶということもできる。ビリヤードは大体一時間5元、一人ではなく、一台で計算。日本に比べて中国でギターを買えばとても安く買えるので、この機会の始めてみるのもいい。留学生の中にも多くギターを弾く人がいるので、初めてでも教えてもらえばOK。中国の流行曲のギターの弾き語りもとてもいい。

  買い物

 物によって違うが物価は日本の約5分の1から10分の1。電化製品等は少し日本より安いくらいだが、食品、本、衣服等は日本よりずっと安い。特に中国語を勉強するための教科書や辞書等専門的なものまで安い。辞書は高いものでも100元くらい。
 移動手段はやはり自転車が最適。遠出をする場合はバスやタクシーを使うしかないが、普段から慢性的な渋滞が発生しやすくなっていて、とてもいらいらする。歩けば5分でいける距離でも渋滞で30分以上かかることもしばしばある。その点自転車は渋滞関係なし。北京には車道と歩道の間に自転車専用の道路が設けられている場所も多く、とても快適。しかし、その自転車専用道路に突っ込んでくるタクシー、小公共(シャオゴンゴン・ミニバス)等も多いので注意。
 自転車の値段は百数十元から。あまり高価なものを買っても却って盗まれやすいので、できるだけ普通のタイプのほうが安全。もし、友達に中古の自転車を譲ってもらえたらベスト。入学後、大学や寮の掲示板に「求む中古自転車」の張り紙をすればすぐに見つかるはず。留学を終えた学生たちは今まで使ったものを処分するのに困っているので、安くても買ってくれる人がいれば大喜び間違いなし。その他、生活必需品、スタンド、テープレコーダー、冷蔵庫なども探せる。張り紙は中国語で書けばもちろんすべての留学生を対象にできるが、中国に来たばかりでうまくかけない人は、日本語で書いても日本人の留学生だけでも相当の数がいるのでほとんど問題はない。

  旅行

 中国留学の一番の醍醐味といってもいいのが、休みを利用しての旅行。汽車の切符も以前のように買いにくいということはなく、今はインターネット上でも予約ができる。大学内や街にも汽車や飛行機の切符を取り扱う店があって、数十元の手数料を払えば問題なく予約できる。直接駅へ行って買えば手数料はいらない。インターネットの利用については、下記のインターネット事情を参照。
 さて、旅行につき物が記念撮影。そこで一つアドバイス。北京でもそこらじゅうに写真を現像する店があるので、現像、プリント、焼き増しは心配ないが、ただフィルムは日本で買ったほうがいい。中国にもあるが値段は日本より高いし、旅行先では偽物も多くせっかくの記念が台無しになりかねない。安さを求めるなら日本でも安売り店でかなり安く売っているので、買いだめしてくるほうが安上がり。現像代は一枚0.5元から0.8元くらい。APSはあまり普及していないので、旧型のほうがお勧め。

  パソコン、インターネット事情

 中国に行ったことのない人なら「中国でインターネットってできるの?」と誰でも疑問を持つはず。自前のノートパソコンを持って行こうかどうか迷う人も少なくないと思う。しかし、ある程度の大きな都市なら既にたくさんのプロバイダーがあり、サービスもさまざま。プロバイダーに加入するだけで、モデムを無料でくれるという会社もある。自分のノートパソコンがある人は持って行かない手はない。留学生であっても関係なくプロバイダーに加入できて、インターネットもメールもできる。税関も自分で使用するために携帯して入国するのは問題ない。ただ、日本から国際郵便で送ると、中国の郵便局で止められてしまうこともしばしばあるので注意。パソコンに関税がかけられてしまう。自分で使用するためだということを証明することができれば、関税はかからないはずだが、取り合ってくれない人も多い。実際にカメラやノートパソコンの外付けCD‐ROMを日本から送ってもらい、関税をとられた例もある。
 ノートパソコンを持っていないという人もわざわざ留学のために買う必要はない。最近日本で格安のパソコンが発売されているが、中国ではさらに安い。5000元くらいから純分に使えるディスクトップパソコンが買える。もちろんプリンターもある。日本からわざわざ持っていくくらいなら、中国で買ったほうがいい。変圧器を通す手間も省ける。だが、OSはもちろん中国語版なので、日本語ウインドウズを日本から持っていく必要がある。また、留学先でパソコンを持ってきている人に借りても罰は当たらないでしょう。あるいは、この機会に中国語ウインドウズを勉強してみるのも悪くないかも。日本語入力はマイクロソフトからソフトをダウンロードすればOK。
 そんなに予算がないという人は、大学内、あるいは街角のインターネットカフェを利用することをお勧めする。ただ、ウインドウズは中国語版で、日本語表示をサポートしていないものがほとんどなので、わざわざ日本語を表示、入力するためのソフトをダウンロードする必要がある。その店の老板(ラオバン・オーナー)がひとがよくて許してくれた場合はいいが、普通はソフトをダウンロードさせてもらえない。中国語のGBコードを使って入力できないことはないが、とても面倒。日本語を書くのにローマ字を使って表現するしかない。

  マッサージ、気功等の講座

 大学の授業は、基本的に午前中だけで月曜から金曜まで。もちろん学校によっては違うが、基本的には余暇の時間が多い。その時間を利用して、学校で留学生向きに開講している太極拳や書道等の講座に参加できる。それでも物足りないという人は、中国の一般の人向けに開講している講座に参加してみよう。種類も、按摩、灸、気功等の伝統的なものから、コンピューターや株の売買等新しいものまでさまざま。最初は専門用語に戸惑うかもしれないけれど、慣れてしまえばそう気にすることはない。要はやる気。講座の先生も基本的には外国人だからといって差別はせず、とても親切。普段は留学生どうしで固まってしまうため、どうしても中国語を使う機会は少なくなってしまう。こういった学外での活動に参加することは、自分の中国語を生きたものにするためにも非常に有効。また、せっかく中国へ来たのだから、語学以外にも中国でなければできないことにも挑戦してみよう。

  換金

 多くの留学生は初めはトラベラーズチェックを持ってきて、それを銀行で直接両替する。もちろんそれでもいいのだが、半年や一年の留学で使う金額は少なくはない。一度に持ってきてお金を部屋の金庫に置いておくのも心配。やはり銀行に貯金して、必要なときにおろして使うという方法が一番安全で便利だと思う。そこで一つ覚えておくといいことは、日本でトラベラーズチェックを買うときにドル建てで買うこと。そして、中国にきたらそれをドルのまま中国で貯金するのである。人民元で貯金するよりもはるかに利子が高い。日本円のまま貯金しても利子はほとんどつかないが、アメリカドルなら1ヶ月の定期で年利4パーセント以上つく。また、人民元とドルの相場はほとんど変動しないので、為替相場を気にする必要もない。ただ、日本円が強くてこの先も円高が見込まれる場合は、円で貯金したほうが得かもしれない。為替の先行きを見るあなたの目にかかっている。為替相場を馬鹿にしてはならない。円が1ドル80円台のときは元との換金率が一万円で1000元を超えていたが、98年の夏、円が140円台まで暴落した時には一万円で600元を切っていた。留学する前に準備したお金が為替相場のために足らなくなってしまうなんてことも十分にありえる。
 換金率なんて別に気にしない、ただ部屋に大金を置いておきたくない、また、中国の銀行なんて信用できないなんていう人は、クレジットカードでOK。数はそう多くないが、中国銀行等のキャッシュディスペンサーでそのまま元を引き出せる。
 どうしても元で貯金したいというひとなら、中国工商銀行がお勧め。数が多く、カードを作ればわざわざ銀行で並ばなくてもキャッシュディスペンサーで下ろせる。中国にはたくさんの銀行があるが、そのどれもが国営で利子等も統一されている。どうせなら、数が多く便利な銀行を選んだほうがいい。
 外貨と元の換金は黒市場(ヘイシーチャン・ヤミ)でもできるが、ニセ金が多く気をつけないとだまされる。見てすぐにわかるようなニセ金もあれば、素人ではわからないものまである。商店や銀行では100元札や50元札を受け取ったあと、必ず青い光に当ててニセ金かどうか調べる。数十元の交換率の差でヤミで両替したためにニセの100元札をつかまされたらたまったもんじゃない。やはり、銀行で両替するのが無難。

  携帯電話事情

 中国にも日本と同じように携帯電話はあふれている。料金形態や電話の価格に日本と差はあるものの誰にでも買うことができ、留学生で携帯電話やポケットベルを契約して使っている人もいる。料金形態で、日本と大きく違うのが、電話を受けた側にも通話料がかかるということ。もちろん普通の電話はかけた方が払うのみ。大体の留学生宿舎には各部屋に電話が取り付けられているか、共同の電話があるので、よっぽどのことがない限り携帯電話やポケットベルの必要性はないだろう。

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