同学行記

 長期休暇を利用して中国各地を旅行する同学。みなさん行き先も目的も違いますが、ほぼ間違いなく感じる共通のこと「中国は広い!」、そして「This is China!」。ここでは、そんな同学の感動&憤慨の旅行記を紹介します。


小野さんの太原・平遥旅行

2000年国慶節 太原・平遥旅行(2000.10.1〜10.6)

日程10月1日 夜行列車に乗って太原へ
2日 早朝太原着、市内観光、山西大学に宿泊
3日 太原市校外観光、山西大学に宿泊
4・5日 平遥城内観光、城内の旅館に宿泊
6日 長距離バスに乗って、北京へ

 今回の国慶節の旅行先には、山西省の太原・平遥を選択した。山西省の都市なら北京から距離的にも近く、見所も結構あるし、自由旅行もどうにか決行できると判断。日本の大学でお世話になっている村田先生の一押しの地方でもあった。太原へのチケットは、北京師範大学の留学生事務室の老師が代行して取ってくれる(手数料は切符代の1割くらい)。旅行することが決まり、早速村田先生にお話したら、山西大学の馮先生を紹介してくださる。大学の招待所での宿泊を2日間、手配してもらえた。かくして準備も整い、10日1日の晩に北京駅から太原へ出発!
列車&太原観光
 21:15北京駅始発の列車。かなり混んでいて、座席が取れず明け方まで座席の無い人も多かった。ずっと硬座に座るのは楽ではなかったが、私は朝までお尻は痛くならずにすんだ。本を読んでいたのに、夜中に車内が暗くなる。どうにか眠りについた頃、ワゴンで物を売りに来るおばさんがやってきて、その声で何度か起こされる。空がだんだん明るくなるにつれ、周りの席の人達もにわかに元気になり、適当におしゃべりする。
 列車は7時半に太原駅へ着き、タクシーで山西大学へ直行。大学では、馮先生が待っていてくれる。日本語を勉強している2人の学生さんを紹介してくれ、朝食をご一緒する。その中の張さん(山西大4年生)が、午後からの市内観光に付き合ってくれる。双塔寺(永祥寺)と、純陽宮へ。双塔寺は、中に階段があって、最上階(13階)まで息を切らしながら登る。小さな窓が四方にあり、太原市内から遠い黄土平原まで見渡せた。寺の中にはこぎれいな花壇があって、とてもきれい。冬の牡丹が有名らしい。
 この日、他のメンバーが持ってきた唯一のガイドブックの切り抜きを、早速私がタクシーに置き忘れてしまう!これより、にわかに「自力更生」の旅に変容する。それでも、行ったメンバーの寛大さに救われる。ちょっと面倒が増えたけど、行く先々で地図を購入、なんでも人に聞きまくり、実際のところどうにかなった。
 太原2日目は、路線バスに乗って市内からちょっと離れた晋祠へ。行くまでの道で、軍事学校や、発電所や重化学系の工場などを見る。噂には聞いていたけど、郊外の環境の悪さに驚いてしまう…
 晋祠は北魏時代に創建されたもので、建物や祭ってあるものは、北宋時代のもの、元代のものなど時代によって様式が異なって面白い。晋祠公園の中は緑が豊かで、良く晴れており、風が心地よかった…。歩き疲れて休憩すると、木の葉が擦れ合う音が聞こえてきて、良い感じ。公園内で綿菓子売りを発見!かなりおいしい。
 そして太原で印象的だったのもの一つは、「迎澤ビール」という地元のビール!味は薄めでさっぱりとして、なぜかフルーティー。夕食の時レストランで飲んだ後、調子に乗って宿に持ち帰り何本か飲んでしまう。馮先生や張さん達のお陰で、太原で楽しい思いができたことに感謝…

平遥
 3日目、太原市内の「建南汽車駅」から、ミニバスに乗って平遥へ。建南汽車駅からは、各地方へ向かうミニバスがたくさん出ている。平遥までは約1時間半、片道15元。平遥には明朝の時に築かれた城壁が、幾度かの修築を経て現在も残っていて、城壁内の町全体が、世界遺産に登録されている。同行したメンバーの一人、R君の「塀の中で泊まりたい…」という熱い思いを受けて、入城後、まずは宿探し。5軒ぐらい回って、一番賑やかな南大街に面し、値段も手ごろな宿に決定。トイレ・シャワーが共同で、中国人向けの宿である。一応昔ながらの民居を改築した宿で、夜になると紅い燈篭がともり、なかなか素敵! 宿が決まった後は早速町へ。
 平遥城内にはとりあえず「…博物館」と銘打った建物がたくさんある。どれも入場料が10元前後である割に、展示内容はイマイチ。実に平遥は、城壁に囲まれた街並みや建物を満喫するところだと思う。南大街をまたいで立つ市楼から見た平遥の街並みは忘れられない。
 4日目、朝6時前に起きて城壁に上ろうとするが、8時まで門が開かないことがわかり、仕方なく包子を食べながらぶらぶらする。城外に出たところで、エアロビをやっている集団があり、私の同屋も紛れて参加、中年のやや経験のありそうなおじさんから教えを受ける。平遥風エアロビ及び習得中の真剣な彼女の表情といったら、なんとも言えないものがあった。
 8時になって、さっそく城壁の上に登り、自転車を借りて城壁を一周。買った自転車を北京で早々に盗まれ、ただでさえ「自転車乗りたい願望」の強かった私としては、その快適さに感激!城壁は一周6.4km、早朝で人も少なかったので、1時間で良い感じに一周できる。朝の平遥の雰囲気を満喫…。
 午後からは、ミニバスに乗って、かつての金融資本家の邸宅である喬家大院へ。張芸謀の映画『紅夢(原題;大紅燈篭高高掛)』のセットになったことで有名。院内の装飾は全体的に渋く落ち着いており、精緻で、修復後の安っぽさも無い。「民間の故宮」と言われるだけあり、室内の装飾品もかなり豪華。入場料30元とかなり高めで、入場券が絵葉書になっていたり、特製バッチが付いて来たりと、要らぬサービスが…。でも中国人にはかなり人気スポットらしく、団体客で溢れかえっていた。映画『紅夢』では、院内の空間と空間を繋ぐものとして屋上がキーになっており、私も上りたかったが、さらに15元払わなければならず、馬鹿らしいのであきらめる。
 最終日、散歩がてらに城隍に行く。前日行った清虚観と同じく道教系のお廟。どちらも建物そのものや、その配置に魅力を感じた。でもその中に祭ってあるものの修復技術にはかなりの疑問が残る。修復においてオリジナルの極彩色を蘇らせるという発想は、中国のほかの観光名所でも良く見られることだけど、平遥では特に「ペンキ塗り立て」みたいなのが多かった気が…。
 平遥の街並みに名残惜しい気持ちを抱きながら、太原へ。太原から北京行きの長距離バスに乗る。片道120元だけあって、柔らかくて快適なシート。空調、トイレつき!VCDで比較的最近の映画を見れる。しかも小姐が待機しており、お湯や軽食のサービスもある。バスは北京市の中心部から少し南西に離れた麗澤橋に着く。そこから地下鉄とバスを乗り継ぎ、ようやく北京師範大のなつかしい第二公寓へ…。良い出会いがあり、苦労した分貴重な体験もでき、大満足の旅行だった。

 …以上、太原&平遥旅行の旅行記でした。徒然に書き綴ってしまい、読みにくかったかも。最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました!山西省には、まだまだ渋めの観光地がたくさんあるみたい。渋ごのみの方には、ぜひともお勧めしたい地方です。(完)

徳重さんのチベット旅行

 8月13日〜23日の10日間、チベットに旅行して参りました。チベットに行った第一の感想は、やっぱり自然が、語り尽くせないくらいスゴイということでしょうか。写真も綺麗な風景を写しているけれど、本当のはやっぱりこれだなあと思います。360度の世界は、写真ではなかなか伝わらないものですね。しかしこの世界で今もあんなところがあるんだと思って、ちょっと安心しました。でも、正直言うと、あんまり多くの人に足を踏み入れて欲しくないなあって思います(自分は行っていて何ですが)。

 結局私たち外国人が、彼らチベット人に別の世界を見せているわけです。彼らが私たちを見て、「どういう国から来たんだろう?外に出てみたいなあ」と思って、どんどん出ていくようになってしまったら、今のチベットの宗教世界は壊れてしまうんでしょうね、多分。私は今それがとても心配です・・・。  そうそう、チベットでとても不思議な人に会いました。その人は人のオーラが見えるというのです。コワーイ・・・私のオーラは最初見たときちょっと黒ずんでいたみたいです。うーん、中国に来て、普通の日本人よりはちょっとすれたとは思いますが・・・。でも別れるとき、「オーラがとっても綺麗になったわと」っていわれてました。チベットの空気と温かいチベット人によって浄化されたのでしょうか。まあ、それの束の間北京に来てまたドス黒くなったと自分でも実感しています。都会は人間がダメです!
 最近、オーラの色を気にしながら、おおらかに生きようと心がけています。

 ところで今回私は1つの謎を抱えて、それを解決にしにチベットに行きました。「チベット人の遊牧民は一生に二回しかお風呂に入らない」というのは真実か否か?という謎です。現地で友達になったチベット人に直接訪ねると、「差不多」という答えが・・・。本当に二回しか入らないのか?その二回とは、生まれたときの産湯と、結婚する前の二回。でも、都市に住んでいる人は2日か3日に一度はちゃんと入っているのだとか。ちょっとホッとしました(笑)。