この画像は、今年の10月12日に撮影したもので、れっきとしたヒラタのメス。「なぜ、秋にクワガタのさなぎが?」と常識あるひとは思うかもしれない。
じつはこのさなぎ、今年の7月4日に初令の幼虫として産卵木から割り出したもので、たった3ヶ月でさなぎになったのだ。
ヒラタのメスが短期間で羽化するというケースは、「月刊むし」でも報告されているようにまれにあるらしい。
自宅には、同じ時期に誕生したと思われるヒラタが20匹ほどいるが、すべて3令の幼虫としてこの秋を迎えている。さなぎの予兆すら伺えない。 |
なぜこの一匹だけが3ヶ月でさなぎになったのか?いまの段階では断定的なことはいえないが、いくつか必須条件が浮かび上がってくる。
まず、その幼虫がメスであること。第二の条件は夏の早い時期に孵化するということ。この2つの条件を満たすグループの中から、まれに短期間で羽化するものが現れるのだろう。
ヒラタは、夏に孵化し、その翌年の秋、ないしは翌々年の春に羽化して、地上に現れるのは翌々年の夏というのが通常のケース。
2年近くかかるところを3ヶ月で済ませる。そこに種としてどういうメリットがあるのだろう? |