その他の蝶

ナガサキアゲハ,モンキアゲハなどを採集したい場合,場所を選ぶ必要はない。カラスアゲハと同じ場所で十分である。ミカン畑とハイビスカスがある場所,つまり集落の周辺ならどこでも見られるだろう。ハイビスカスの花にはツマベニチョウも飛来するが,屋久島ほど多くはない。

 トリッキーなのがスミナガシで,普段はあまり見かけないが,時折大発生する。このような場合,一カ所だけで大発生するというよりも,島のどこでも多いので,普段はあまりスミナガシが多くない場所,例えば浦上でスミナガシを見かけたら,知名瀬の奥などに行ってみれば大きな成果を挙げられるかもしれない。

 スミナガシの採集にはトラップが有効である。日本のスミナガシで試みたことはないが,ブラジルでモルフォチョウを集めるのに大きな成果を挙げたものに「紙おむつトラップ」がある。紙おむつには,極めて吸水性の高いゼオライトが含まれており,ここに,バナナなどを腐らせて強烈な匂いを発するものに焼酎をかけて染み込ませる。要は,短時間で急激に発散させず,長時間でゆっくりと発散させるためのしくみであるから,相当熟成した材料を用いる必要がある。飛行機の手荷物検査で引っ掛かったり(現地についてから熟成させるようでは遅すぎる),山の中で木に紙おむつをぶら下げている様子を不審に思われても,すべて自分で責任を取れる人は試みたらよかろう。当たり前のことだが,使用済みのトラップはすべて回収する。

 

 

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