7.もしかしたら,ボディーガード兼先兵?

 クマノミが,イソギンチャクを中心になわばりを形成し,そこに近づくものを片っ端から攻撃しているとしたらどうでしょうか。イソギンチャクに対して危害を加えるものを追い払うという意味では,ボディーガード役になっているかも知れません。クマノミに対して反撃しようとして,結果としてイソギンチャクの餌食になってしまうものも出てくるでしょう。その意味では,クマノミがおとりの先兵になっているかも知れません。いずれにせよ,イソギンチャクは,クマノミの存在により,大きな利益を得ている可能性もあります。なにしろ,クマノミには,イソギンチャクにはない,視覚が備わっています。化学物質や物理的刺激に敏感で,刺胞という化学的な武器をもつイソギンチャク,視覚を備え,歯という物理的な攻撃手段を持つクマノミ…。協力し合えば,結構理想的なパートナーのようにも見えるのですがどうでしょうか。

 残念ながら,証拠はありません。情況証拠とも言うべき,ダイバーの手を攻撃する様子を収めた映像があるだけです。イソギンチャク,クマノミが,周囲の魚などとどのように関係し合っているのか,確かめる必要があります。

クマノミ

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