Munjagan島

 クタから約3時間,車に揺られ,そこから少しボートに乗ってダイビングポイントに着く。私は,今回2日目のダイビングでここを訪れた。もちろん,初めてのボートダイブである。

ダイビングポイントに向かう途中,イルカの群れに出会った。一緒のボートに白人の若者がおり,後から考えると,それぞれ別のバディがついていたので,別に彼の後を追いかける必要はなかったのだが,そこは良く分からない悲しさ,必死に彼の後を追いかけて行ってしまったのだった。

 今回,7日間ダイビングをやったが,正直行ってこのときほどダイビングがつまらないと感じたことはなかった。流れはやや速い。おまけに40m近く,急角度に落ちるドロップオフ(礁斜面に沿ってダイビングするポイントらしい),そこを彼はスイスイと,泳いで行く。こちらは初心者マークつき,おまけに,自分のダイバーウォッチはおろか,BCDもオクトパスもレンタルなのに,なぜか手には高価なハウジング機材に包んだSonyの3CCDのデジタルビデオを持っている。ちょっと面白そうなものを見つけて,ビデオを回していると,すぐに遅れを取る,あわてて追いかける,沈み込みそうになるのでBCDに空気を入れると,なぜか急浮上しそうになり,あわててBCDから空気を抜く,その繰り返しでへとへとになった。驚くなかれ,30分も経たずにエアー切れである。

 後で知ったことだが,私の借りていたBCDは塩ガミをしている,つまり,一度ボタンを押すと,そのまま押し込まれた状態になってしまうものだった。実にこのときは私は「塩ガミ」という言葉はおろか,そういう現象があることさえ知らず,なんて自分は下手なのだろうと,深く反省していたのだった。

 そんな状態の私の前に,突然現れたのが2枚目の写真のナポレオン(メガネモチウオ)である(と,一緒に潜ったダイブマスターが言っていたが,どうも,ナンヨウブダイのようにも見える。だれか教えてください)である。もともと,利口そうな顔の魚ではないが,超初心者に写真を撮られるくらいである。こいつは特に頭が悪いのだろう。

 さて,ポイントそのものについて説明すると,流れはややあるとはいえ,危険というほどではない。礁斜面だけあってさすがにサンゴやそこに棲む魚の種類の豊富さもかなりなものである。全くの初心者にはどうかと思うが,ある程度経験があれば,良い場所だろう。

 最後に一緒に潜った外人さんに一言。

「もう二度と一緒に潜ることはないと思うけどさ,あんたのやり方はただのウィンドウショッピングだよ。走り去る景色を眺めるだけで良く飽きないね。お店に入らなくちゃ。じっくり見ようよ」

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