■第12回 03/04シーズン前のニックについて■

ということで、日記で書くと長くなりそうなので、こちらで。本当は02-03シーズン後半を振り返るというのも書きたかったのですが、12月以降の私の日記の半分はそんな話題ばっかりだったような気がするので、それをまとめる必要もないかな、ということで(苦笑)。そのうち過去の日記ログを月ごとに一枚のhtmlにして読みやすくしようと思っているので、そちらを見てもらえればいいかもしれません。ということで、シーズン終了から今現在までのニックについて思うことを書こうと思います。

7月の半ばになって、いきなりばんばん情報が入ってきていますが、それ以前に私が最後にニックを見たのは、4月下旬のリバプール戦とかチェルシー戦でサブでベンチに入ってるニックでした。それ以降は5月半ばの「新しい戦力確保のためにお金が欲しいので、50万ポンドでニックを放出?」という感じの当時「ついにきたか!」と大覚悟をした報告以外は、噂はともかく確かな情報が皆無、「何がどうなってるんだ?ニックは今、どこでどうしてるんだ?」と言いつづけた5〜6月だったような気がします。あまりに情報がなくて、過去記事検索に走ったりしてしまった時期でもありました(苦笑)。最も7月まではエバは公式で移籍関係は凍結とも聞いていたので、腹をくくっていたところもありますが。

なので、7月になって「いよいよ動いてくるのかなあ」となかなかどきどきしてた日々の中、エバ公式ではぱらぱらと練習場のベルフィールドに選手が帰ってきてるよという報告が。全くそれでも名前が出てこないニックとトビーはどうなってんだ、オーストリア合宿始まっちゃうし、移籍するならするで、各チームの合宿が始まる前にしないと・・・とやきもきしていた中で、いきなりモイズさんがニックをベタ誉めしてる11日の記事に出くわしました。「何がどうなってこうなってるの?移籍はなしでエバのままなのか?」と正直もう何がなんだかわけがわかんなくなっていたんですが、それはきっとスウェのメディアもそうだったようで、このエバ公式の記事を見て、本人にコメントを求めたかのような記事が出たのが、以下のスウェ語の記事のような気がします。この記事に関しては、スウェ原文は以下のサイトなどで見れますが、日本語訳をお知りあいのsinさんが訳してくださってるので、そちらで見ていただけばいいなと思います(いつも本当にお世話になっています)。

●エバ残留に関してのコメント(ショートバージョン)は<こちら>

●エバ残留の関してのコメント(おそらくフルバージョン)は<こちら>

●sinさんのサッカーのページは<こちら>、SWEっ子NEWSからどうぞ。

さて、このショートとロングを見くらべて思うのは、同じインタビューがもとになっているにもかかわらず、受ける印象が違うなあ?というところ。ちなみに記事の最後にある<TT>とあるものは、日本でいうところの<共同通信>みたいなもので、一つのインタビューをもとに、各メディアが編集をした記事ということな模様です。そんなわけなのでニュアンスが変わってしまってるのですが、端的に言えば、ショートで抜粋のは比較的前向き(というか達観してる?)に見えるのに、ロングで読むとえらい守りに入ってる、というか切羽つまっているようにも見える・・・という感じがします。正直、ロングの方を見た時には「こっち見ない方がよかったかも」とすら思いました。どうしてニックはこう年齢を気にするんだか!02-03シーズンがアレで、そう思ってしまう気持ちはもちろんわかるんだけど、それで自分を過小評価するのはもったいないと思うのでした。もしシーズンスタートしても戻れなかったらそこであきらめるんじゃなくて、今度こそプレミア内で移籍先をまずは探すぐらいの気持ちでいて欲しいと思いました。などと、外野の私は言ってしまうわけですが・・・。

私は最初にこの「エバに確実に残るんだ」というニュアンスのこのスウェ語のニュースを聞いた時は、昨年の成績と扱いがあんまりにもあんまりだったことが頭をよぎり、どうしても心からは喜べませんでした。「本当にそれでいいの?後悔しない?」と私が思ってもしょうがないのに自問自答してしまうぐらい。そうじゃなくて、思いきってリセットして、新天地で一からやった方がいいんじゃないのかなと。本気でその気になれば、どこも行くところがないなんてことはなさそうだったと思うのですが。といいつつ、実際に5/20以降オファーがあったのかなかったのか、それともそれ以前にそこまで話が至っていないのか、今となってはわかんないんですよね。真偽は置いといて、噂のあったクラブはスパーズ・ミドルズブラ・レスター・ポーツマス・WBA・・・ううむ、謎でした。

きっとニックの友人・知人・マスコミ・FANなど恐らく彼を取り巻く人の8〜9割ぐらいは「移籍した方がいい!」って思ってたんじゃないかと思うし、実際にオフ期間に本人にそう助言する人も多々いたんじゃないかなという気がします。とはいっても、契約期間中の移籍というのは、本人が首を縦にふらないかぎりクラブ側からは勧告することはできないものなんでしょうね(そう思うと、フリーじゃない場合の<リリース>がどういう扱いなんだか、やっぱりよくわからないけども)。なので、エバ側が「出たければ、移籍金安くして出て行きやすくしたからどうぞ」的にさくっと言ったのも、もしかしたらエバのフロント側もそれでまずニックの出方というか本心を探りたかったのも少しはあるのかなとか思いました。

とにかく取り巻く周囲が良かれ悪かれ移籍を前面に押し出しつつあるようなそんな状況で、それでもなお残るっていうのはなんなんだろう・・・と思うと、きっと残留の動機が前向きか保守的か、そんなことはこの際置いておくとして、彼の中では早い時期にとっくに「残留する」という結論そのものは出てたことなのかもしれませんね。なので、オフになって周囲がどんなに騒いでも心配しても、どこ吹く風みたいな感じだったのかも。けれど、一体どれだけの人が、彼ともし同じ立場に置かれた場合に「残留」という結論を出せるのかなと思うと、ちょっと感慨深いです。多分、私だったら周囲に流されて移籍の方向に針がふれていくと思う。動機はどうあれニックが「残留」という決断を下したことそのものに対して、素直に「凄いな」と私は思います。もっともニックにとっては、前シーズンあれだけ出れなくて、それが原因で代表外されたりもして、それでもなお「エバで頑張る」って言い続けてきた気持ちが今でも継続してる、たったそれだけのことで、「残留」という意識ですらないのかもしれません。

それにしても、ニックのオフに関しては「とてもじゃないけど、のんびりバカンス気分じゃないだろうな」とかは思っていたんですが、本当にスウェでトレーニングしてたっていうのを聞いた時にはもう偉い、泣けるよ!と思ってしまいました。あまり早くコンディションが出来てしまって、シーズンインの頃に息切れしてしまったらどうしよう・・・という素人考えの不安が今はあったりするのですが、どうなんでしょう?このあたりはよくわかりません。そんなインタビューで、ニックの口から「少しの間代表でプレーしてなくて」って言葉を聞くと「こんな言葉言わせるなよ、ちくしょー」と誰にあたるでもなく、悔しくもなりますね。逆に言えば、ちゃんとそういうことをきちんと言えるのも凄いなと。とにかく様々なニックのコメントを今まで見てきてると「うわ、繊細すぎ」とか「なんで一歩ひくのかな」とか思うことも多々あったのですが、そういう部分はそういう部分として、根っこの部分はほんと強い人なんだなーと私はしみじみ思いました。そうじゃなきゃ、こんなに長く代表ではいられないでしょうしね。

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ということで、残留決めて晴れやかにオーストリアキャンプにトビーとともに行ってるニックなのですが、あちらで受けてるエバ公式のインタビューの記事を見て、誰もが驚愕したこと。「なんでこんなに髪のびてるんじゃーーーー!!」・・・ああ、びっくり・・・ということで、そんなインタビューは<こちら>から。まるで代表の同僚のアンドレアス・アンデションのW杯時のようです、ああでも、後ろはそんなに長くないのかな?よくわからない。まあ、これも外野がぎゃーぎゃー言っても本人がいいって思ってるならいいかーとも思うのですが、私はやっぱり冬頃のウルフカットもどきぐらいの長さが一番よいと思うのでした。このままのびちゃって、一時のベッカムさんよろしく、試合にヘアバンド(通称、アリスバンド?)をつけてのぞむことになったら、どうしよう。というか既に練習で邪魔じゃないのか・・・って、あああっ、もしかして練習中は4月のアンデシュのようにすでにヘアバンドな予感。ニックがこのまま頑張ってスタメン入って、その試合の中継もあって、久々に見れるー!と歓喜した試合でヘアバンドだったら泣くぞ・・・。なんて、実際はそれでも嬉しいとは思いますけどね。

そんな見た目はそういうこととして、インタビューそのものの内容ですが、スウェ語のものと内容と似てるけど、受ける印象がちょっと違うな、と思いました。ちょっと前向き、というか手ごたえがあるからなんでしょうね。あとは「もしだめだったら?」という仮定の話をしてないせいかもしれませんが、今はもうそういう話はなしで、今とちょっと先の試合のことだけ考えてればいいような気がしました。このインタビュー、音声インタビューもなぜかついてるのですが(なんでなんだろう?)、そちらの口調がいつになく穏やかでびっくり、かなりいい感じでやってるんでしょうね。このインタビュー、MP3で保存できるのが素晴らしいよ、エバ(苦笑)!背後で人の声とか物音がしてるあたりが、いかにもキャンプの朝にその辺でスタッフが捕まえてしゃべらせてるという感じで笑えます。滑り出しは上々なので、どうかこのままで初戦に臨めますように。

さて、このキャンプですが、初日は朝7時半スタートということで、早いなーとびっくり(起床6時半とかそういう世界のような)。エバの公式ではこまめに選手やスタッフが内容を伝えてくれるので、結構ニックが絡まなくても見てて興味深いです。これはいい!と思っているのが、アシスタント・マネージャーさんが綴る日々の日記。どんなメニューをこなしてるのかとかわかって面白いですね。それにしても写真から伝わる景色の綺麗なこと!なんて日差しの強そうなこと!Tシャツじゃなくてノースリーブシャツとかでランニングしていますものね。でもいい環境でキャンプしてるなーと思います。トビーも元気でやっている模様ですが、特に話題に出てこないのでいまだ姿はおがめず。まあ便りがないのはよい知らせということで、こちらも頑張って欲しいところです。しかしトビー、「田舎にきちゃった」って言ってるらしいので、「またこの子はそういう地元の人が怒りそうなことをズバズバと!」と思ってしまいました(でもそんなトビーのそんなとこもとても好きな私ですが)。ちゃんと後に「綺麗だけどね(笑)」とフォローしてるので許してやって下さい。

とにかく今のニックは現状に対して逃げないで正面から「戦っていく」って覚悟がきっちり出来てるので、見ててしなやかで非常にいい感じだと思いました。先のことや代表のことは後で結果でついてくればいいやって感じで、あまり考えないで欲しいところです(考え出すとドツボにはまるタイプな気がするし(笑))。どうなっても悔いのないように、ほんと頑張ってくださいと心から祈ります。ということで、全然まとまりがありませんが、今回はこのあたりで。