■第2回 スウェーデンーセネガルのこと■

ということで、なんだか人生をちょこっと変えそうな状態に陥りつつある原因になったスウェーデンーセネガルについて。詳しい試合の経過とかはとりあえずいいかということで、見てて思ったことを書き残します。A組2位(セネガル)とF組1位(スウェーデン)のこのカード、Fに関してはイングランドかアルゼンチンが来る!と多くの方が思っていたカードだったかと思います。スウェーデンやセネガルが以前から大好きな方には申し訳ないのですが、私もこの組み合わせが決まった時には「まさかこういう組み合わせになるとは」と思ってしまっておりました(思いきり懺悔いたします)。ということで、試合そのものに関しても、始めはテレビをつけてMACに向かいながら観戦していました(さらに懺悔)。妹に至っては、5/25にあった日本との試合を見るにいたって「スウェーデンってW杯出るんだっけ」なんぞと言っていました(妹に代わって土下座)。

そんなこの試合でしたが、実際に始まって暫く見ていたら「・・・これ、真剣に見ないともったいない試合なのでは!?」という気分になり、スウェーデンが先制したあたりから「他のことなんてしてられるか」ということでマジな観戦モードに入りました、後々この試合の感想をあっちこっちで見ると、同じような感覚で途中からめっちゃ集中した方、多数な模様(苦笑)。見ていて目についたのがセネガルのディウフを始めとするセネガル選手の個人技、セネガルは最初のフランス戦でも見ていたはずなのに「こんなすごかったっけ!」と驚くやらなんやら。多分、フランス戦の時は「フランス=強い凄いチーム」という先入観がめっちゃあったので、フランスばかりに目がいっていたことと、まだサッカーを見る目が全然養われていない状態だったからかなあと思います。

この試合、どこがどうよかったのかというのを言葉で伝えるのって何気に難しいですね。ありきたりの言い方をすれば、ともによく攻めて守っている、攻守の切り替えが早くて互いのパスやドリブルでの繋ぎが実に流れるよう、それが見ていてとても気持ちよかったんだと思います(なんて陳腐な言葉なんだ)。この日の気温は30度以上、試合前のピッチに落ちる日差しをテレビ越しにみて「・・・見てるだけでも暑そう」と思ったものです(北欧のスウェーデンの選手にはさぞきつかっただろうなあ)。後半の後半、ともに動きが止まりがちだったと言われますが、それはやむをえまいと思います。しかしセネガルのディウフの個人技には感服、それを2人がかりで無得点に押さえ込んだスウェーデンのDF陣もよかったです(主将のミャルビーはさすがだなあと)。ゾーンディフェンス系の守備のお手本らしいので次回、このチームを見るときにはそこにも注目してみます。

「ああ、なんかどっちににも勝たせてあげたいなあ」と多くの人が思ったに違いない中、1-1のまんま、この大会初のゴールデンゴール方式の延長へ。1次リーグでは引き分けが存在する上、負けても他の試合で勝てばなんとかなる場合も多かったのですが、決勝トーナメントは一発勝負。どっちかが必ず負けてしまうという残酷な事実を誰もが頭では理解していたものの、痛感したのはこの試合の延長に入った時だと思います。双方にチャンスがあって一進一退で進んだこの延長戦、それが延長前半終了間際の14分目にセネガルゴールで決まってしまったときにピッチに崩れ落ちたスウェーデンの選手達を目の当たりにしてしまい、テレビ見ながら思わず泣けてきてしまったのはどうも私だけではなかったもよう。W杯特集などの「ゴールポストを巡る明暗」の場面では、必ずこの延長の2本のシュートシーンが出てくるんですよね、ああ、あれが入っていたらなあ(このシュートについては他のコラムで(苦笑))。なのでNHKがさくっと中継をスタジオに返したのにはちょっと不満が。あの試合はその後の両チームの様子を映しておかないとだめでしょう!泣き崩れてるスウェーデンの選手の映像は実はこの試合の後ではなく、他の番組のハイライトで見ることが多かったのです。GKのヘドマンが立ち尽くして空を呆然と見上げていた映像が印象的でした。その日観戦してきた人がその光景を見て「あの日の大分の空がきれいでよかった」としみじみネットでつぶやかれていたのがなんとも。

サッカーの試合をVTRで撮っておくなんてことは考えもしていなかった私だったので、この日の試合は私はフルでは持っていません。持っているのは夜の民放とNHKのダイジェスト版、NHKなんてハイライトなのに30分ぐらい試合の映像をいれてくれていて嬉しいったら。それを先日、初めて再生して見たのですが、驚いたのがNHK、なんと14分間の延長戦はノーカットで放送したそのまんまの映像(しかも生放送でスロー再生していた部分なども一切カットせず)でハイライトの中にいれていました。それがこの延長戦がどれだけ凄かったものかを物語っているのかな・・とぼんやり思います。結果を知っている状態で見る延長戦は、もしかしたら生で見ていたときより見ててせつない(生で見てるときはせつないというより、はらはらどきどきでした)。多くの選手が泣き崩れた中、この日の中継の感想を見ていた人があっちこっちで残した暖かい書き込みをテキストで手元に残しているんですが、結構これが宝物かもしれない(バックアップとっておこう)。

そんなこの試合後の光景で<こんな写真>があります。 見事に勝者と敗者がくっきり明暗がわかれてる残酷な写真でもありますが、このスウェーデンの選手に声をかけているセネガルの選手(コリーですね)は、この写真だけではなくて他にも何人かの選手に声をかけている写真が数枚あったりします。彼はファウルをした時なども相手の選手を気遣ったりしてたので、思わず声をかけずにいられなかったんだろうなあと。そういう行為が果たして負けた相手にとっては嬉しいことなのか余計なことなのか、私にはわからないけれども、思わずそういう行為に出た彼に心の中で「ありがとう」なのでした。

とりあえずスカパーが間に合ったら今度はフルで録画して、DVDが出るなら必ずゲットする勢いの私。そして、この試合を見ていた私は久々にスポーツ選手に惚れ込むことになってしまうわけですが、それは次のコラムで。