ボクは彼女を見ていた。

 約束された未来が、そこにあると信じていたから。

 ずっと、彼女を見ていたかったんだ。

 輝く太陽のようなその笑顔を。

 違った未来があるなんて、思いもしていなかった。

 全てが順調にいくと思っていた。

 それは、嵐のような出来事だった。

 信じていたものが、全て壊されてしまった。

 彼女が変わってしまった。

 彼女はボクを見ていない。

 彼女の笑顔を見ることができない。

 ボクは彼女の背中しか見ることがではなくなった。

 彼女の目は、別の誰かを見ていた。

 ボクには見せたことのない、安らいだ表情で。

 でも、いつか振り向いてくれると信じていた。

 彼女の想いが届くはずがないと、分かっていたから。

 許されない恋だったから。

 必ずボクのところに帰ってくると、そう思っていた。

 あの日、全てが終わりを告げるまでは───