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掌(て)の中の小鳥/加納 朋子   創元推理文庫

この小説も加納朋子さんお得意の連作形式の短編集です
但し今回は伏線がたくさん張ってあって,登場人物が何人になるのか,がキーワードになります
 桜月夜 ☆  自転車泥棒 ☆  できない相談 ☆  エッグ・スタンド

1.掌の中の小鳥

物語自体はとても切ない…


あらすじ
主人公冬城圭介が大学時代の佐々木先輩に出会う
佐々木先輩とは大学時代容子という圭介から見て絵について才能があった女性を巡って争っていた
ある日容子の描いた絵が非常に醜い形に変化してしまったのだが…



これは青春時代の苦い1コマになるのかな?
人は誰でも夢を持つものですし,また諦めるものでもある
夢がそのままかなえた人はまた幸福かもしれないが,また叶えなかったからといって不幸なわけではない
そう感じずにはいられませんでした

2.桜月夜

この体験はした人が多いはず


あらすじ
圭介があるバーで待ち合わせをしている
その店の女バーテンが桜に捧げるといって話をはじめるのだが,若いころの話のようであるのだが・・・



登場人物が少ないにもかかわらず,ここまで伏線を張っているとは読めなかった(^^)
うまいと膝を打ちたくなる(^^)
でもこんなことが現実に起こりそうで怖い・・・<事件が
たまたま似ていたという話しも聞いたこともあるし・・・

3.自転車泥棒

何故こんなことが起こったのか?


あらすじ
主人公穂村紗英は愛用の自転車が盗まれて探していた
バックミラーがついている赤い自転車
ところがあるとき高校生2人が乗っているのを見かけて呼び止め,住所等聞き自分の自転車だと思っていたのだが・・・・



この結末には非常に驚かされました
でも動機がほほえましいというか,現実感があるというかこんなこともありそうだなあと切に思いました

4.できない相談

これは読めました


あらすじ
紗英に幼馴染武史からある女性を消してみせようと言われる
そんなことはできないと紗英は武史に言うが・・・・



消し方についてはありがちな手段をとっておりそれ自体は驚きが無いのですが,動機には非常に驚かされました
私にはそんな度胸は多分無いでしょう・・・と思ってしまったのですが,できればこんな人になりたいです

5.エッグ・スタンド

こんな人にはどうしても偏見を持ってしまうでしょう


あらすじ
圭介は紗英に会う前,ある女性と別れ,あるうそつき少女を思い出す
その後従妹の礼子に本家筋の従兄の晃一の婚約者の品定めをしてほしいと頼まれ,お茶会に参加するのだが・・・



タイトルは泉さんが開いているお店の名前ですが,タイトルがそのままこの短編を象徴する言葉になっています
うそつきというのは基本的には傷つけるものでありますが,このような場合もあったのを思い出しました
そう嘘というのも方便ですものね・・・(2001.4.8記)
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