いちばん初めにあった海/加納 朋子 角川文庫
この本も加納さんの得意の短編小説なのですが少しまた違うという感じです
主題は2人の女性の心の傷のお話です
いちばん初めにあった海
あらすじ
主人公堀井千波は周囲の雑音に悩み,引越しを考えようとしていたとき,ある1冊の見たことがない本を見つける
タイトルは「いちばん初めにあった海」
その本から手紙が落ちて・・・
心の傷というのはなかなか修復するのは難しいと思っている私ですが,そのことを少し示しています
記憶を一部失っている千波
手紙をくれた人が誰なのか探すことをはじめますがなかなか見つからない
意外なところにヒントがあるのですが・・・
化石の樹
あらすじ
少年時代主人公はあるビルに大理石になっていた化石の樹を見つける
同じようにその樹に興味を示した少女に出会う
そしてその少女から主人公へ「その木は君が好きだよ」といわれて・・・
その後主人公はある金木犀の樹を治療する仕事を請け負う
その樹の中にノートを見つける
その樹はあるところに植えられていたのだが・・・・・
この物語は不思議な感じ
あらすじでは全く触れていませんが,少女と主人公の関係がこの話の謎を解くカギになっています
化石(この場合は事実という意味ですが)はあせずに残っていく
ところが人の印象は消えてしまう
そのギャップがこの物語の主軸になっています
でも解決されても少女の傷は消えない
現在を見れば幸せになれる