ポルノ/阿佐ヶ谷スパイダース
観劇日 2002.8.14 19:00 G列13番 東京FMホール
今年になってから初観劇の劇団は片手を超えました
先日NHK−BSの深夜劇場へようこそで流れて以来ますます行きたくなっていた劇団でこれまで行きそびれていました
あらすじ
国旗耕二(中山祐一朗さん)は坂上町の町議会議員候補で選挙運動の真っ最中
国旗の妻美和子(岩橋道子さん)は子供が産まれないということで,国旗が嫌いな犬や猫をこれまで拾ってきては,捨てられてきたが,ある日木村新二(伊達暁さん)という青年を拘束して無理やり赤ん坊にする
国旗はこの行為に困惑するが美和子に何も言えずにその場をやり過ごしてしまう
岡林抹子(村岡希美さん)と山本千衿(小島聖さん)は着ぐるみ命の新海くん(長塚圭史さん)について話し込んでいた
その中で千衿は今度テレビに出るという話になりそのため千衿が着ていたペポポくんが出来なくなることに危惧していた
そして国旗が新海くんに選挙チラシの配布を依頼するも新海くんはきちんと仕事をしなかったのだが・・・
ちょっと本筋と異なるエピソードと思わせるような書き方(演出)が結構入っていて話の筋を追うのが容易じゃないのだけれど,とても楽しく時間の流れが速かった・・・
全体の印象としてはナイロン100℃の一般向けという感じかな
台本の本筋としては国旗の選挙活動が進んでいくにつれて異常さがわかる(たとえば高齢者・身障者の気持ちになるために足を折るとか,美和子の異常な行動は国旗の虐待が原因とか)状況と,新海くんの破荒天さと木村の馴れ馴れしさが徐々に出てくることによってますます国旗夫婦の異常さも浮き彫りになるという印象
で,話の後半は千衿と男(富岡晃一郎さん)との話し
男に関しては全く話の筋とほんとに関係がないキャラだと思っていたのですが徐々に何者かわかっていく形
脚本では放送コード(ナイロン100℃も多いのですが)に引っかかることが多く,演出でその点を強調しないようにしているのが印象的
あと東京FMホールへ私自身が来たのが初めてだったのですが,段差が少なく見づらい劇場であると思った点を舞台の上下で演出でうまくカバーしているのは感心しました(まあそれでも見づらかったのですが)
役者さんでは皆さんうまくてちょっと悪い点を見つけようにもないのですが,だたひとつさすがと思ったのが小島聖さん
最初たいした役どころじゃないのか・・・と思わせるような台詞が続き,単なる付けあわせなのかなあ・・・と思っていたら最後にかけて舞台全体に存在感を与える感じでうまい・・・と素直に思います
今回阿佐ヶ谷スパイダースを観て,台詞の意味のない様であるといった言葉のやり取りの劇団だと思います
面白い・・・
なので地方公演もありますのでおすすめ!(2002.8.15記)
