四月になれば彼女は(再演)/演劇集団キャラメルボックス
観劇日 2002.5.25 19:00 補助席 松 8番 東京・池袋サンシャイン劇場
キャラメルボックスの女優兼脚本家の真柴あずきさん執筆作品の初めての再演
初演の出来が結構よく,超えるには相当な努力が必要ではないかと思っていました
また脚本に関して相当改訂したと聞いていたのでどのようになったのかも楽しみだった
あらすじ
のぞみ(前田綾さん),あきら(岡内美喜子さん)の母親麻子(大森美紀子さん)はメーキャップの仕事のためあきらが5歳のときから約15年日本へ帰っていなかった
その麻子が,麻子の妹結子(中村恵子さん)の夫が危篤であるという手紙をのぞみからもらったことでしばらくぶりに帰ってきたが,のぞみ,あきらとも麻子を相手にしない
のぞみが密かに恋焦がれている堀口(首藤健祐さん)と,その息子健太郎(藤岡宏美さん)は堀口が起こした暴力事件により窮地に追い込まれていた
その中で健太郎の母カンナ(岡田さつきさん)が健太郎を引き取りたいということで堀口に直談判するが拒否される
のぞみは堀口の暴力沙汰が明るみになった後を心配して,健太郎を一時預かることになったのだが・・・
今回相当な覚悟の上で観劇に行きました
その理由は初演がホントに好きで坂口さんが主役じゃない点がネックになっていたのです
今まで再演で変わったケースではなかなか初演を上回る内容というのが無かった(初演に対する思いを超えたものが少なかった)ので,特に心配だったのです
その点に関して言うと初演と比較してのぞみの比重が減って,あきらと麻子も含めての親子物語という色彩が強くなったためか同じ物語なのに違うものに感じました(と書きましたが台本によると設定自体を変えています)
共同の作・演出の成井さんの意向が強くなったのかな・・・
親子という視点にはジンジンと感じてしまって,泣きはらしてしまった
演出的にはもう少し,のぞみの気持ちを浮き彫りにできたのでは?と感じます
のぞみがシーンの中でいるの?と思われる時もあったし,ちょっと存在が薄い・・・印象があります
次に音楽なのですが,これは初演を超えることは難しかったみたい・・・
特に悪いわけじゃないのだけれど,シーン的にはオープニング&エンディングにはやはりいい・・・(^^)と感じますし,そこそこかな・・・
まあ今まではCDなど手に入れるのが大変だったからその点では越えています(^^)
役者さんではやはり特筆すべきなのは,藤岡さん!
これから彼女には少年役は間違いなく任せられます
次にがんばれ〜〜〜といいたいのが主役の二人の前田さん&岡内さん
特に岡内さん
悪くはないけど耕平役の細見大輔さんへ気持ちが少し引いている印象があってもっと気持ちを前面に出してもいいのでは?
次の『嵐になるまで待って』は簡単にはいかないからホントにがんばってください!
全体的には初演とは全く違う物語=改訂版といっていいと思います
だから初演と比較するのがホントにいけなかったと感じます(2002.6.8記)
