ピルグリム/作・演出 鴻上尚史
観劇日 2003.1.18 13:00 S席1階18列38番 東京・新国立劇場中劇場
当初は前売りが取れなかったら観ないつもりでいたのですが前日TELしたら偶然取れてびっくり
あまりお客さんの入りがよくなかったのかなあ・・・
あらすじ
六本木実篤(市川右近さん)は売れない作家
曲がりなりにも連載を持っていたのであるが,編集者朝霧悦子(富田靖子さん)と,その上司の原隆三郎(佐藤正宏さん)が突然訪れ,書生の直太郎(山本耕史さん)が引き止めるのも聞かずに入ってきて,その場で朝霧より連載の打ち切りを宣告される
六本木はせめて連載をきちんと終わらせたいと朝霧に話すが,朝霧は連載を打ち切った代わりに編集長から書き下ろしの約束を取り付けたから書いてほしいと六本木に話す
六本木は朝霧の懇願を最初ははねつけ,朝霧が持ってきたネタ帳を見ようとしなかったのであるが・・・
この作品は第三舞台において1989年上演されたものだそうですが,私はビデオでも観たことがありません
鴻上さんの舞台を観るのが1年半ぶり(天保12年のシェークスピアが間に挟まっていますが)で,鴻上さんとはどんな感じかということをまだ理解できていません
今回この公演を再演したのかを理解するうえでびっくりしたのが,14年前最初に書かれたものにかかわらず,同時代性を感じることです
台詞の些細な点を変更してあるのは普通だと思う(伝言ダイヤルがメールに替わったとか)のですが,生きるということを真剣に問われていることが,その当時から変わらないなあということを改めて認識したことです
現代はあまり夢がなくなり,夢を語るにもそれだけの余裕がないと感じます
その中で,この作品の意義を感じるのは生きなければどうしようもない,生きることが重要なんだということを大きく扱っているなあと思います
音響がとてもよくてうれしい(^^)
赤坂のある劇場みたいな音の反射がなくてホントにきれい・・・
あんな音響で新感線はやってほしいなあとつくづく思いました
演出面では舞台だけでなく客席の中に役者が飛び回っているのが,昔の第三舞台に通じる点なのかなあと思いました
とても観ていてドキドキする感じでした
役者さんをみてみると一番驚いたのはやはり山本さんと富田さん(^^)
山本さんはおかま役でしつこく市川さんに迫るのですが,とてもイメージできない感じで,いままでのニヒルな感じが全くない
また富田さんは往年の第三舞台を思いおこさせる着ぐるみシーンが多くてまるで長野里美さん(元第三舞台)みたい(^^)
唯一市川さんなのですが乗り遅れた汽車みたいでいまいちしっくり来ない
悪いとはいえないのですが,台本どおりにやり過ぎて市川さんカラーというものを感じなかったのがその理由かもしれない
そんなに悪い芝居とは思えないのですが・・・(2003.1.18記)
お勧め度・・・水準以上である事実は間違いないのですがチケット代と比較すると☆☆☆
