東京のSF/ナイロン100℃

観劇日 2002.12.21 13:00 1列29番 東京・新宿シアターアプル 

この観劇は思いつきで3日前に決めてしまったのですが,これ以外の劇団よりもチケットをたまたま取れたのが大きかった
この劇団はいつものことながら一癖も二癖もあるところ
SFということからおそらくサイエンス・フィクションの頭文字と予測していきました
ただ予測できなかったのが最初通路席ということだったのですが行ったら最前列で,自分の経験から言うと後ろのほうがよかった・・・



あらすじ

東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年
倒産寸前である文芸専門のあけぼの出版に隕石が飛び込んでくる
編集長(三宅弘城さん)は社長からの命令でSF(サイエンス・フィクション)を扱うことになった
ところが編集員たちはSFといわれてもどんなものなのか全く理解しておらず,かつ当の編集長もあまり乗り気ではない
社の方針転換のため編集者たちは大多数辞めてしまい,残ったのが木村(松永玲子さん),南沢(喜安浩平さん),蛇皮(中村まことさん)の3人であった

作家海野十三郎(大倉孝二さん)は今まで作品を書きあげるがいつもその作品に書かれていることが事実として起こってしまい発表が出来ない・・・
そのことをうすうす妻釘江(安澤千草さん)や息子十四郎(新谷真弓さん)は気づいているが止めることが出来ない
同じような能力を十四郎も持っており,夜トイレに起きたときには必ず見てしまい,そのことを神の言葉としてノートに書きとめていることを雲井(みのすけさん)に話す・・・




この日はビデオ収録ということで前回の観劇時もその日でずいぶん当たる確率が高い!と感じております
今回冒頭のあらすじでなんとまだ登場していない人物(アイゴール役の犬山犬子さんなど・・・)が多数いるという珍しい作品なのですが上演時間が3時間を超え,かつ出ている役者さんが20名を超えております・・・
そのうえ同じ役者さんが別な役で出てくることもしばしばで話を把握するにもちょっと時間がかかる
さて本題ですが,この物語はSFに引っ掛けたナンセンス・コメディ
時代背景を知っていると笑えるネタも多く,またしても危険な台詞,動きもあってはらはらさせられる
脚本では,こんなに登場人物が多くて整理できるのか・・・とパンフレットを見て思いながら観劇していたのですが,その点はしっくりしていて必要でかつ無駄の無い構成でうまいと感じました・・・
演出面では,わかりやすくというということを重視した感じで観ていてホントにわかりやすい・・・
セットが大掛かりで映像は相変わらずうまく,かつ舞台セットが2箇所でまわしていることに驚き
但し高台にて演じているシーンについて観にくい席を生んでしまい,全くわからない(後になればわかることも多少あるが)ことも合ったので少し考慮のしがいがあったのではと思います
ただ役者がたくさん出演しているためとても贅沢な使い方はもったいないなあと思ったこともあるのですが
アメリカ役の渡辺えり子さんの使い方は全く予想できず,あんなことをさせたこと自体がビックリがいくつあっても足りない・・・
今回☆を5つ付けてあげたいという役者では松永さんとインガ・ヒグラシ役の峯村リエさん,三宅さんです
特に松永さんは主役と言ってもいいくらい重要な役回りで観ていてドキドキな感じでした
今回も反則的なキャラがたくさん出ているのでその点でも楽しめるかも知れない(2002.12.22記)