ルネッサンス/ 演劇ユニット トレランス
観劇日 2003.1.25 19:00 E列4番 新宿・紀伊国屋ホール
このトレランスなのですが旗揚げ公演の『神経衰弱』に行きたいなあと思っていたのですが
どうしても仕事の都合で行けず泣く泣く諦めたのです
今回は演劇集団キャラメルボックスの細見大輔さん,立身出世劇場の井之上チャルさんと元遊機械◎全自動シアターの蔭山泰さんが出演されるということもありどんなルネッサンスを観せてくれるのか・・・
あらすじ
主人公秦理佐(長野里美さん)はミッキーマウスやドナルドダックなどを描くシガナイ漫画家
友人の(女性)がルネッサンスを舞台にした映画を撮るということで,イタリアへ来てみないかと誘われる
早速イタリアで彼女と合流するが,泊まったホテルにある絵葉書が投げ込まれる
その絵葉書はレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』であった
その葉書を理佐は観ているうちに線遠近法で描かれている中心であるキリストの右目にピンを刺してしまった
そうしたところ,理佐は16世紀のフィレンツェに飛び,レオナルド・ダ・ヴィンチ(蔭山さん)に出会う・・・
最初にこの公演を観る際にはできれば公演パンフレットを読んだ上で観るといいかもしれません
特にラファエロ(細見さん),ミケランジェロ(上杉祥三さん),レオナルド(蔭山さん)の歴史上の関係がわかった上で物語が進行していくので意外なところで笑えるおまけがつきます(^^)
私はそれ以外に歴史的な素養があると笑えることもあって,たとえば,昔ヘブライ人が迫害されて流れ流れて日本に来て秦氏になったとか,レオナルドが男色だったとか・・・
役者さんは皆さん達者な方が多くて,他の出演も行きたくなってしまいまして,特に立身出世劇場については同劇団に所属している関秀人さんも以前にMOTHERの『プラシーボ・デパート』で観ていたのですが,今回次は・・・と思えるものだったので必ず行きたいと思います
あと長野さんはやはり反則だ・・・(笑)
かわいいということをわき目も振らず前面に出されるとこちらが少し恥ずかしい(^^)
今回ハプニングとしては途中にネックレスが切れてしまい玉が転がったことかなあ(笑)
脚本・演出的には説明の部分が多いのはこの物語の性質から言ってもしょうがないと思うのですが,ただ照明の必要な部分が結構あるのでは・・・思えるシーンが多くてちょっと失敗しています(ライトが切れていた可能性も考えられるのですが)
あと場面の重要なシーンが左袖に偏っていたのは右側に座った人にはかわいそう・・・
音楽はうまく場面の盛り上げに使われていて,音響がうまくない紀伊国屋ホールですがさすが・・・と感じました
全体的にみた感想ですが部分部分まだ詰め切れていない・・・と感じるところはあるのですが,それを役者のパワーで押し切らせている演出面のよさはあると思います
その証拠に声が枯れているにもかかわらず気持ちが心に響いてきましたので
まだ作・演出の上杉さんが長野さんとやりたいことが明確になっていないだけかもしれませんが
イタリアへ行きたくなるということだけはいえると思います(2003.1.25記)
お勧め度・・・まだ発展途中かなと思えるところもあるので☆☆☆ 井之上チャルさんを観るだけでも☆の半分の価値あり
