- RESEARCH 12-
考証 12

 この物語《クライム・オブ・デイスキャナー》は言わずと知れた、
原作《アーマード・コア》をベースとした非公式アフターストーリーです。

これらの設定は二次創作作品ARMORED-CORE『CRIME OF DAY SCANNER 』におけるものであります。
作品描写の為に多少、オリジナルのAC設定とは一部は逸脱したものである事をご理解くださいませ。
逆に可能な限りACのゲーム内の表現にも合わせる方向で努力しており、実際の物とは違う機器名称の変更や事象の曲解も行っております。
これらの設定が現用兵器や機器、他のロボット作品にも当てはまらないフィクションでもあります。
本考証解説は特に機構などの説明において専門用語のみの記載を避け、可能な限りで『分かりやすく』を主眼としています。
それ故に長い説明や、かなり強引な例えなども行っている事もお分かり頂きたく存じます。
尚、「アーマード・コア マスターオブアリーナ公式ガイドブック」より後年発行の書籍の設定は参考程度に留め、前発行物との相違や矛盾点がある為 に統合が困難で、完全な遵守の方向性には無い事も、どうかご理解賜りたく存じます。
一応、意識はしていますがARMORED-CORE2とは直結する様にも、この作品をリリースした時期等の理由により残念ながら設定はしておりません。
また個人の好みも多分に含んではおりますが、これら設定のコンセプトは「AC世界の解像度を上げる」「この世界観を楽しむ」といった方向で誠意製作 しております。
世界、機構の設定等、オリジナルであるACを損なう目的の物では決してありません。
世界設定などは一部、都市設定募集の企画投稿にお寄せ下さった読者様方の設定も、当作品なりに解釈して使用させて頂いています。
それらの全てをご留意願って長い前置きとなりましたが、本作品をこれからもお楽しみ下されば何よりも幸いと存じます。



《リガ・シティ空港》

 リガ・シティの東の端に位置する航空機用の空港。
 この施設は準市民ブロックと、市民ブロックの間を隔てる様に存在しており、騒音などの問題が発生し易い施設は全て準市民ブロックへと向 けられている。滑走路は地上にあり着陸後は大型のエレベーターにより地下都市へと機体は運ばれる。
 僻地である連立都市で最も利用される空港で一日に20〜25便程度が他都市へと運行している。
 周辺施設は基本的に地下に設置され、航空機には放射線対策などの必要以上の室内環境維持装置が組み込まれている。


《アンプル》

 連立都市で広く普及している注射器の一種。
 ガス圧で浸透性の極めて高い薬品を体内へと注入するタイプが一般的ではあるが、昔ながらの針を使用する物も当然ながら使い続けられている。
 注射針の刺した跡が残り難い、針を消費しない。消毒などが容易などの利点を持ちます。


《学校制度》

 連立都市では初等学部は基本的に毎日の登校が義務とされ、中等学部からナーヴによる自宅学習、及び在宅講習が週に1〜2度行われる制度になる。
 反対に大学部では学部にもよるがナーヴによる通信授業は皆無で、基本的に登校授業が主に行われ実験と実習が行われる。
 基本的に市民は高等学部までを義務教育としているが、準市民には教育の義務は一切無い。
 準市民の学校も存在し、一応は風習として大多数の者は中等部までは通う事になっている。


○レーザーブレードとプラズマ・トーチについて

 プラズマ・トーチについて以前に説明いたしましたが、今回はACが装備する《レーザー・ブレード》について説明したいと存じます。
 当作品ではACが用いるブレードの刀身にあたる部分はプラズマであるとして描写しております。
 刀身の形状は連立都市では大きく分けて2種類が存在していて、幅広の刀状の物と、細長い筒状の物に分かれます。
 いずれの形状もプラズマをビームとして束ねる技術の応用で電磁波による形状の固定が行われており、これはレイヴン各位が好みと、自 らの戦法に応じて調整、設定する事が可能な物であると解釈しています。また、ブレードの発光色については混入するガスの違いによる物としています。
 ACの指は格闘武器を持つには適しておらず、また実体白兵武器は刃こぼれや破損があり、常に一定の効果は期待出来ません。
 加えてレーザー・ブレードは高熱により物質を焼き斬る効果があり、物理的破壊兵器よりも効率よく、また静粛性にも優れています。
 《レーザー》と名前が着く由来は、プラズマの刀身部分が対象物に命中した際に、刀身プラズマ内部をパルス・レーザー(ミリ秒単位の超短時間に持て る出力を集中するタイプのレーザー)が目標に甚大な破壊を齎す物と解釈しています。
 これが多段ヒットの効果とブレードで斬られた際の反動を受ける理由にもなっています。
 プラズマの刀身によって空間が予め熱せられ、空気中のレーザーが十分な威力を発揮するのに不向きな分子が分解する為、射撃兵器のレーザーよ りも数倍の破壊力を保ったまま敵機へと伝達する為に凄まじい破壊力を実現している訳です。
 またブレードにはゲーム画面上にも形状的に上下に二つのレンズ状の物や噴射口がある事も追記致します。
 このレベルで照射されたレーザーは極めて効率良く対象物へと効果を発揮し、熱による破壊だけに留まらず急加熱による対象物表面の燃焼波や衝撃波 の発生で、通常火薬の炸裂と同様に物理的にも破壊される事となります。この効果は他のレーザーの爆裂するタイプのキャノン系の項目でも説明しま したが、同様の理由で衝撃や反動なども生じるとも解釈致します。
 説明が難解になってしまいますがブレードがヒットした物質や周囲の空気もまた高熱によりプラズマ状になっている事も追記致します。
 分かり易いイメージとして刀身はプラズマトーチであり、ヒットした瞬間に更にレーザーが叩き込まれる。という事です。
 強化人間の使用する《光波》は、このブレードのパルス・レーザー照射をある程度で長距離照射していると考えます。
 分かり易く言えばレーザーブレードを擬似レーザー・ライフルの様に使用している訳です。
 プラズマの刀身部分も、また同様に加速、収束されて放たれています。
 ブレードは限定された距離に高い破壊力を持つ様に製作されていますが、それを最大限にフル稼働させた状態の現象が光波であり、プラズマキャノン とレーザーキャノンを合わせた様な効果が狭い範囲で実現されます。
 同様にそれを機械的に再現した《LS−1000W》も同じ機構となっていますが、この兵器はネストからのリリースではなく、設計、製作がアイザ ック・シティのプログデック社になっている為に威力は低い物になってしまっています。
 特に最強のブレードである《LS−99МООNLIGHT》は過去の大破壊以前のパーツ技術をふんだんに使用している上に、最新のテクノロジー による改造を行っている為、その威力は現存のブレードを大きく上回ります。
 一説にはこの光波攻撃は、ネストも予期しなかった偶然に体現されたブレードの使用方法とも言われています。
 使用電力の問題や、収束のコントロールが通常のブレードで行うにはACの制御系には存在しない為に外部機器であるプラスの能力による高度な操作、 制御でしか収束照射・並びに必要電力を得る事が不可能であると設定致しております。
 ゲーム上では爆裂するタイプとしないタイプが作品によってありますが、本作品では主に爆裂をします。 ただし長射程でACが完全に安定した精度を持つ射撃兵器を使用する事は、動力や発振装置を含むパルス・レーザーの装置自体の小型化とジェネレ ーター出力などの電力供給面で全く不可能であるとも本作品では設定しております。
 ブレードもまた、他のプラズマやパルス兵器などのE兵器群と同様に、ACがレーザーを完全な形で使用出来ない為に、苦肉の策としてプラズマを使 用している折衷兵器の一種であると言えます。
 これを踏まえた上で、前述のプラズマ刀身の形状の説明に入りますが、幅広の刀身タイプは主にゲーム画面で見られるタイプの物で、攻撃力よりも むしろ命中力と腕を含む周辺機器への熱影響を抑えたモードになります。
 常に一定の場所に熱が当たらぬ様に可能な限りでプラズマの噴射口や刀身の電磁固定部位が高速で首振りを行う機構になっています。
 つまり噴射と固定が長い部分と、短い部分を任意に作り出していると言う事です。
 当然ながらプラズマを幾ら電磁固定させても、圧倒的な熱は周囲に伝わって影響を及ぼしてしまいます。
 ACは外見上、腕の左右部分は全くの共通ですが、その構造や材質は全く違う物と当作品では考えております。
 右手には武器を保持し、同時に素早い動きを要求される上にE兵器への電力供給もしなければなりません。
 左手はロックの解除などの精密精度と間近で作動するブレードのプラズマによる高熱に耐える物で無くてはなりません。
 また光波が扇型なのも通常の使用よりも遥かにブレード関連各部を酷使する為、出来るだけ腕や作動する部位を動かしている事になっています。
 棒状の刀身タイプは当然の事ながら、攻撃力のみを考えてのチョイスでMoAのオープニングデモに見られる細長い棒状のブレード形態であります。
 ブレードをACが作動させる為には、強力な電力が必要となる事も追記しておきます。
 故にブレードを作動させる際にはACの装備するジェット・エンジンからの発電・供給も必要不可欠な訳です。
 ジェネレーターのプール電力のみでは瞬間的ではありますが電力が絶対的に不足し、ブレードを即座に形成・固定する事は不可能と言う事になります。
 そこで背部のジェット・エンジンの高出力を利用して瞬時発電を行い、それで補うと言う事となります。 ゲーム中、ブレードとブースターが連動して 作動するのは、これが主な原因です。当然ながら高圧コンプレッサーの使用は行われず、この瞬間のみACのジェットエンジンは発電機としてのみの作動 を行います。発電の際のジェットエンジンの余剰推力が副次効果としていわゆる《ブレードホーミング》を発生させます。
 更に空中でブレードが攻撃力を増すのはACが空中に居ると接地センサーが判断した瞬間、着地の際の反動軽減の為、ジェット・エンジンが即時稼動して おり通常より安定した回転状態で連動するブレードへと充分な量の電力を供給出来るからであると言う事になります。
 この際、ジェット・エンジン並びにジェネレーターは最も凄まじく酷使を強いられます。
 それ故にエンジンは全て通常の常態よりも遥かに高い回転域にあり、この状態で高圧コンプレッサーをACに無理やり作動させた場合、通常では有り得ない 高速前進する事も一部のレイヴン間に知られており、加速のGに耐えられる者はこれを利用した一瞬の無茶な移動や回避技術を体現しています。
 ただし、この無茶を行い続けた場合、ACのジェネレータ、ブースター関連は特に寿命が短くなってしまうデメリットを有します。
 またACはMoAのオープニングの様に停止してもブレードは振れます。ただし、この際には高い攻撃効果までは望めません。
 因みに、敵のACのブレードと自機のブレードが重なった場合、レイヴンの乗るACは可能な限りで広域破壊や、予期せぬ方向への刀身の形勢を防ぐ意味 合いからセーフティとして作動をストップさせます。
 また、棒状の刀身タイプは当然の事ながら攻撃力のみを考えてのブレード刃形体チョイスでMOAのオープニングデモに見られる細長い棒状のブレード形態 であります。どちらのブレードも限られた空間である地下都市を背景にして進化したAC特有の兵器である事からリーチの設定が行われており、一応は安全 基準と称してネストは最長効果範囲を規定しています。
 なお、この規定にはACが広範囲にブレードによる破壊を行わない様にする為、AC本体の障害物センサーと連動する用にネストは規定を行っています。
 基本的にジェット・エンジンとの連動の関係もありACが戦闘用に装甲の施された物体を斬る為には必然的に、ある程度の距離を必要としてしまう事も一つの 要因となっています。ACが使用危険と判断した際にもブレードは作動をストップさせるのです。 (これは、ACが極めて足場の不安定な場所でブレードが充分に振れない事をも意味します。ゲーム中でもよくある現象ですよね?) 更に特殊な衝撃弾による《固め斬り》をされた際にも、障害物センサーの影響からブレードが作動しない物と考えております。
 最後にヴィクセンなどが使用する《プラズマ・トーチ》との比較説明を再度、補足させて頂きます。
 プラズマ・トーチは既に現代でも使用されている工具の一種で一般的にノズル状の狭い間隔に陽極と陰極の大電流を流し、そこへガスを送り込んで高熱化噴射 してやる機構になっています。刀身の形状固定は電磁波の誘導で行うのはレーザー・ブレードの刀身と同じです。
 前述のレーザー・ブレード刀身のプラズマ形成も基本的には、この機構に準じますが、当然ながらレーザーの通過用と純粋な破壊用では全く役目が違う為、使用 するガスも流す電流の量も自ずと違ってきます。
 当作品では機構としてプラズマ・トーチをレーザー・ブレードと比較すると、装置の小型化の面と電力消費が少ない点ではトーチに軍配が上がり、威力と一回の 使用ガスの噴射量が少ない事から来る連続使用、及び使用回数ではレーザー・ブレードが優れています。
 故にプラズマ・トーチは威力を増やす為に二連装にしたり、手持ちの盾へと装着し内部のスペースを利用して容積を増やしたガスのタンクにしたりと欠点を補っ て使用されている設定になっています。その様に欠点をカバーして使用された場合はレーザーブレードを上回る破壊力を持つ事もレイヴンの腕前によっては有り 得ます。
 蛇足ではありますがヴィクセン・タイプの盾には本体とは別にジェネレータ関連一式が内臓されています。
 更に、E兵器対策として塗装や装甲の隙間などに極めて熱伝導率が悪い物を使用して防御効果を高めています。



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