- RESEARCH 8-
考証 8

 この物語《クライム・オブ・デイスキャナー》は言わずと知れた、
原作《アーマード・コア》をベースとした非公式アフターストーリーです。

 これらの設定は二次創作作品ARMORED-CORE『CRIME OF DAY SCANNER 』におけるものであります。
作品描写の為に多少、オリジナルのAC設定とは一部は逸脱したものである事をご理解くださいませ。
逆に可能な限りACのゲーム内の表現にも合わせる方向で努力しており、実際の物とは違う機器名称の変更や事象の曲解も行っております。
これらの設定が現用兵器や機器、他のロボット作品にも当てはまらないフィクションでもあります。
本考証解説は特に機構などの説明において専門用語のみの記載を避け、可能な限りで『分かりやすく』を主眼としています。
それ故に長い説明や、かなり強引な例えなども行っている事もお分かり頂きたく存じます。
尚、「アーマード・コア マスターオブアリーナ公式ガイドブック」より後年発行の書籍の設定は参考程度に留め、前発行物との相違や矛盾点がある為 に統合が困難で、完全な遵守の方向性には無い事も、どうかご理解賜りたく存じます。
一応、意識はしていますがARMORED-CORE2とは直結する様にも、この作品をリリースした時期等の理由により残念ながら設定はしておりません。
また個人の好みも多分に含んではおりますが、これら設定のコンセプトは「AC世界の解像度を上げる」「この世界観を楽しむ」といった方向で誠意製作 しております。
世界、機構の設定等、オリジナルであるACを損なう目的の物では決してありません。
世界設定などは一部、都市設定募集の企画投稿にお寄せ下さった読者様方の設定も、当作品なりに解釈して使用させて頂いています。
それらの全てをご留意願って長い前置きとなりましたが、本作品をこれからもお楽しみ下されば何よりも幸いと存じます。



《リガ・セントラル ・ユニバーシティ》

 リガ・シティ市民地区、中央ブロックにある大学。通称、連立都市大学。
 連立都市の中では最も偏差値の他会大学で、同時に多額の献金を入学に必要とする。
 四年制の大学で入学は春期に行われる点が他都市と異なる。
 留学生はまれではあるが受け入れを行っており、環境も連立都市では最高を誇る。
 サカキの所属する機械生体科学は強化人間の専門分野であり、そのほかには身障者に対する義手や義足といった研究も含まれる。
 構内の敷地は広大で、様々な研究機関も集中しており最高学府としての人気は高い。


《ドクター・ストラット・ランベル》

 ジルコニアの元ゴンドラ開発責任者。
 発掘されたデータを元に約90%ゴンドラを完成させていた。
 組織の壊滅後、他の組織へと移っておりここでもゴンドラの研究に明け暮れる。
 途切れ途切れの資料を基にロストテクノロジーを再現するのは一種の天才でないと不可能であり、彼はその才能があった。


《ハンターとハリアー》

 無人ACとしてクロームが開発した特殊な機体。
 クローム壊滅後はバージュ社などが開発を継続しており、現在では他の都市でも作成されている。
 年々、搭載される人工知能であるAIは進化しており、近い将来には人間のレイヴンをあらゆる面で凌ぐ事が予想されている。
 しかしながら、この時代の物はまだまだ不完全でありレイヴンには数が揃わないと歯が立たない。
 作中ではゴディバが遠隔操作を補助的に行っているが、これでもまだ経験を積んだレイヴンに単機では役不足である。
 しかしながら生死を省みない行動や機動は侮れず、並以下のレイヴンならば単機で沈める力は持っている。
 ハリアーと数の揃ったハンターにもなるとランカークラスのレイヴンとも戦う事を可能とする為、油断はならないマシンである。


○ACの各脚部について

 ACの脚部は大別して軽量、重量と、その中間である中量級にその重量で分かれます。
 更にそれぞれ二脚、逆間接、四脚、タンク、ホバータンクの形態があります。
 二脚タイプは最も普及したタイプの脚であり、その理由としてパイロットであるレイヴンの扱いやすさが大きな理由となっています。
 更にMТには二脚が多く、その進化タイプであるACもまた大半を二脚が占めている経緯もあります。
 ただL-SSVRのみ、ネストが関与せず企業が独自に開発、その後に認可申請を受けてしまった為に一部の兵器が使えないといった極 めて異例のパーツになっています。ちなみに企業独自で開発するパーツメーカとしてはクロームとムラクモの他にはプログテック社が有名です。
 同じ理由で重量型アームパーツのANKS−1A46Jも、また一部のパーツと干渉します。
 これらは物理的に兵装が干渉してしまうのと、動作プログラムが武装と連動しないという欠点(仕様とも言われる)があります。
 二脚型の利点としては重心位置が他より高いために、重心移動などを利用しての不規則な行動が可能であり高い回避能力が挙げられます。
 特に在来のミサイルなどは耐久性と発射速度が速すぎる割にはラダーが小さい為に急激な方向転換には追いつけませんでした。
 二脚は全体的に、やや安定性に欠ける欠点を持ち、特殊な弾頭などにより接地や接触センサーを容易に麻痺されられてしまいます。
 しかし、レイヴンが隠語で『ウィンド』と呼ぶセンサーのシステムエラーによる強制解除が一部に見られ、接触センサーを狂わせてACを足止 めした後にブレードの斬撃などを連携させる戦術を回避する事が出来るパーツの組み合わせも発見されました。
 その行動を可能とするパーツは製造地域や時期などにもより、全てが可能という訳ではなく該当するロットのパーツはレイヴンの間では個人 的な非合法取引では数倍の値段で取引されている程で、普通はパーツ・ショップに並ぶ事は殆どありえません。
 逆間接はその形状から、上方へと持ち上げる力が強く重量積載は物理的にも、またネストの重量ポイントも緩い脚部です。
 ダッシュ時に低姿勢になる為に被弾面積が良好な事と安定性能の良好さ、更にジャンプ力がある為に強襲を得意とするレイヴンや特殊部隊 が主に好んで使用します。価格が全体的に安い為に中堅のレイヴンも使用するケースが連立都市では多く見られます。
 余談ではありますが本作品のACはジャンプの際にもブースターを負担にならない程度に使用しています。
 これにより重量の他にブースターの推力性能によりジャンプの高さが変わる事も本作品では設定しています。
 更に安定性についても被弾安定性と武器発射安定性の2種類の安定性能が脚部で違います。
 逆間接は被弾安定性は良いものの、武器発射に関しては二脚とさほど変わらない物として設定しています。
 一応、これは動作プログラムによる物が大きな理由です。
 四脚はゲームでのホバー装甲とは別に、その脚を本作品では接地させて普通は歩いています。
 その為にゲーム表現とは若干違い非常に上半身が安定している為に、地上ではキャノンなどの兵器を構えずに撃てるとしています。
 逆に飛行時は他の脚部よりも遥かに制御が難しく、キャノンの発射はプラスでさえ難題であるともしています。
 ホバーによる高速走行を可能としており、高速形態ではホバーを最大限生かすべく地面に張り付いた様になる為に被弾面積が小さくなり、 二脚などよりも正面での撃ち合いやブレード戦闘が有利になる為に、主に一対一の戦いを得意とする決戦型レイヴンや、キャノンが撃てる強み から支援や遠距離砲撃を得意とするレイヴンが好んで連立都市では使用しています。
 ホバーは各脚部に数機装備されていますが、超高圧コンプレッサーを作動させる為に高速歩行モードでは燃費、エネルギー消費は全脚部のカテ ゴリーの中でも最大であり、脚部の一本、一本に専用の燃料電池を有しています。
 連立都市の四脚は完全にホバーの推力で走る事はまれであり、ホバーの下方への推進により自重をカバーして高速で歩行する移動方法がメ インとなっておりブーストダッシュもこれと併用して行うのが普通です。
 またKARASAWAは一部の二脚と同じく動作プログラムが武装と連動しません。
 タンク型は最も機構としては古く、その技術も安定していますが砲塔がACの上半身を使用している為に、通常の物よりも遥かに巨大で鈍重に なってしまっています。無限軌道により走行しますが大きな特徴として超信地旋回(左右のクローラーに前後別の回転をさせ急速に旋回を行う事) を本作品のACは行います。通常のタンク・タイプの脚部には下面にブースターを数機内臓しており、その推力で自重をカバーしている為に素 早く振り返る事が出来ます。更に脚部に専用のサブ・ジェネレーターと燃料タンクを有し、全脚部で最も燃料スペースが多く行動時間が最長です。
 因みに『キャタピラ』という呼称は某メーカーの登録商標である為に一応、本作品では無限軌道、或いはクロウラーと表記しています。
 タンク型は非常に重く、全てが安定しており、高度が低く短い飛行時間の変わりに機体の姿勢管理も容易なのでキャノンを飛行中でも発射する 事が可能です。ただ一部の脚部は二脚と同じく企業が単独開発でリリースしている為に武装が使用出来ません。
 更にタンク・タイプは対人用のグレネードランチャーや煙幕であるスモークディスチャージャーも多く装備しています。
 ホバータンクはタンク型の脚部にジェットエンジン式のブースターとは別に高圧コンプレッサー技術を応用した、四脚と同じ機構のホバーを有 するタンクレッグの一形態です。
 この時代の通常戦車はジェットではなくホバーのみとなっていますから、どちらかと言えば本来はこちらのタイ プの方が一般的には主流と言った感もあります。ただACの場合はクローラーを装備していない物が仕様されています。
 通常のタンクレッグよりもやや高速で移動が可能です。本作品では四脚と同じくホバーにより自重をカバーするタイプの物と設定しております。
 起伏があまりに激しい場合、ジェットエンジンでの強引な前進を行いますので速度以外の全体的な移動効率はややタンクに劣ります。
 またタンクもKARASAWAとのみならず、殆どのレーダーと動作干渉してしまい使えません。
 因みにメンテナンス・リグや地上戦艦などは無限軌道とホバーを併用して走行しています。
 コンバット・リグやその他のリグも、転輪などを使用しての同じ推進システムです。
 ただ軽い物や強力なジェット・エンジンの物は、ACと同じくかなりの高度で飛行する事が出来ます。
 また基本的にACはコアへの防水がなされていない事と、インテークによる外気を吸い込む関係から腰より高い位置の水中には対応していません。
 通常は防水対策も施されておらず、そういったケースのミッションなどの場合に限りシーリングなどの防水を施します。
 ちなみにコクピットは機密性が高く浸水する様な事はありません。(毒ガスの中でも行動は可能です) また無重力下ではオイルや水の使用は不可能である事を始めに(水などが宇宙では玉になる事はご存知かと思います)使用する事も出来ません。
 その際にはそれ専用に作られたパーツが必須となりますし、そういったACは殆ど作成されません。
 以上で基本的な脚部の説明は終わりたく存じます。


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