国際大会の憂鬱


通常5-6話程度にまとめて紹介する内容ですが、
手元に写真がなく、全て絵で描くだけの根性もないため

今回は日記で紹介した部分の抜粋を中心としたテクストです。

国際大会の憂鬱 2003/07/02(水)

明日から7月11日開催予定の学生の内外の美を競う美男美女コンテスト世界大会のスタッフとして主張しなくてはなりません。
この大会、企画運営はアメリカなのですが、もともと日本で始まった経緯があり、主要スタッフは日本人が占めていて、私も過去のコンサートスタッフの経験を買われたのか数年前からお手伝いさせて頂いております。



毎年いろんな国で開催するため、2年前はN.Y.で仕事してきました。




経費でな(つまりタダ)




で、今回は韓国なのですが、韓国と言えば
計画的準備が無理なお国柄。









既にさまざまな
不安要素が乱発しております(泣)




各国の代表者はプロの芸人ではないため当然ステージリハが必要。そのため会場は最低当日と前日リハの2日は確保が定石。
国が違えば食文化も違います。


当然
イスラム教の方は豚肉はダメですし

勿論
ヒンドゥー教の方は牛肉がダメ。

ベジタリアンだっています。






まがりなりにも国の代表として来る学生。




間違っても
ウリナラ方式で待遇しないよう念を押さなくてはなりません(死活問題)。
(実は3年前も韓国で開催、惨憺たる大会となり今も当時のスタッフのトラウマとなっています。)




今回は当時の苦い経験を知る方が韓国サイドにもいるためなんとか最悪のシナリオは回避できるかと思いきや、そこは韓国




不安を裏切りません(泣)





早くも日本から来た総合監督




ブチ切れ状態です(痛)





今から今回の問題を討議する反省会の日取りを提案しています。




韓国には
ディプリと言って、終わったことは飲んで忘れて心機一転再出発を図るという飲み会があります。

だから、




失敗の教訓もみんな忘れてまた同じ失敗をします(終)





総合監督には韓国の特徴を
身をもって学んで頂くしかありません。



次はフィリピンとかタイとか第三国でやりたいもんですな。(まだ始まってもいないのに次の大会に逃避行)




実は会議の後、総合監督と大学路のスタバでクールダウンしてたのですが、突然私の履いていたサンダルのベルトが切れてしまい、その後私は東大門で新しいサンダルを購入。帰路につきました。

まる一年履きつぶしたサンダルだったので気にも止めなかったのですが、

これって――







下駄の鼻緒が切れるくらい不吉なこと


なんじゃないでしょうか?







明日から更新お休みします。経過は時間があればBBSかわら版で逐次ご報告できるかも....

事の顛末(疲れてるので明日書き直すかも) 2003/07/13(日)
これまでの経験上、過去5本の指に入る痛い大会も終わり、現地解散でカミさんと久しぶりのマッタリデートを満喫するはずが、この期間の緊張が一気にほぐれ助手席で爆睡してしまい、カミさんの機嫌を損ねてしまった石橋たたく。です。

どうjも。帰ってきましたイムンドン。



かわら版BBSで合間を見てカキコした内容をここでもう一度整理します。


牙山(アサン)の大会合宿所... 投稿者:石橋たたく。 投稿日:2003/07/04(Fri) 00:54


夕べの冷え込みで風邪引いたらしく喉枯れ状態の石橋たたく。です。

現在大会合宿所になる牙山(アサン)からカキコしてますが、
各国の出場者達のフライトが大ボケかましてて大変なことになってます。


インドのフライトレポートが6日出国で韓国に5日入国予定になっておりまして−−








日付変更線超えても前日には来れないだろう
と思いますが、はて...





それに
コートジボアール大会当日の夜8時韓国到着予定で、その時間すでに...







大会終わってます。(爆)






さらにここにきて
アメリカの出場者、行き違いがあったらしくドタキャンの可能性浮上






別の意味で大会終わってます。(泣)








どうやら今年は例年になく痛い大会になりそうです。(寂笑)

でも、最後にはなんだかんだと大会らしい形に持っていけるのが韓国なので...

計画性の日本ととっさの機動力の韓国
両方合わさると理想的なのだがなぁ...

なんてボヤキながら、今日のご報告を終了いたします。

これからドンドン修羅場って来る模様。
時間はないけど心に余裕があれば随時カキコする予定(死)




【 No.86 】 大会日程中間報告 投稿者:石橋たたく。 投稿日:2003/07/08(Tue) 18:37


現在までに10ヶ国の代表者と面接を終えました。
インドや中国、フィリピン、ロシアなどは語学留学生仲間のお陰で挨拶言葉くらいは話せるため、とてもいい雰囲気で話を進める事が出来ました。(もちろん具体的な内容は通訳のコに全面的に頼りっぱなしですが)
みんなとても気さくな感じで、いい雰囲気です。


大会出場者も大体揃い、昨日から具体的なプログラムが進行しております。
午前のオリエンテーションに始まり夜はWelcome Party。

やはり各国の民族衣装を纏った美男美女というのは絵になります。
出場者同士も打ち溶け合い、いい雰囲気です。

ところがココに来てこのいい雰囲気を全てぶち壊しかねない
重要な問題発覚




今年の会場。








大学の体育館(爆)






−−世界大会なんですが...
各国の
大学生の美男美女を集めての大会だからって、それはないでしょう!




さらに本日現地視察して
驚愕の事実発覚










トイレ一個所しかありません(重爆)



しかもステージと反対の客席側。








2時間はかかる大会で出場者と観客が同じトイレを使用することになるだけでなく、ステージ上で華麗な姿を披露していた出演者が次の瞬間にはドレスまくって客席の横をトイレに向かって全力疾走−−てなシーンが今から目に浮かびます。







さらに












冷房ありません(核爆)







体育館ですから。
700人以上の観客とステージライトの熱気で吹き出す汗が
出場者のメイクを容赦泣く落としそうです。


なんとか冷房機をレンタルする方向で検討中ですが、それにより新たな問題発覚。











電源足りません(死)



華麗なステージの裏でスタッフ総出で自転車漕ぐなんてイヤ過ぎです。

そこでみなさんに緊急提議。














世界から集った出場者達の晴れやかな舞台が幻想で終わらない方法緊急募集(泣)





大会日程中間報告-02 投稿者:石橋たたく。 投稿日:2003/07/09(Wed) 21:07


本日は全出場者のタレント部門の予備審査。

さすが各国の代表者!
実力者ぞろいです。



民族舞踊を優雅に踊りこなす者
パントマイムでメッセージを伝える者
トークショースタイルで場を湧かせる者




各自の持ち味を生かしたステージが展開される事必至


いやぁ、本番が楽しみです。








――体育館でだがな(泣)




実は体育館に設営部隊が到着。
建設状況を視察しました。


かなりいいカンジです。
照明や音響など、搬入される器材は一流どころ。

予想外にいいステージが期待されます











客席部分に

大量の大型扇風機が並んで
はいましたが(泣)










PS.明日、ソウルから仮設トイレが到着するそうです(号泣)






大会本番報告


なんとか最低限の環境を整えて望んだ本番当日。

満員御礼の会場は、案の定人の体温で熱気に溢れ蒸し暑さ最大。
客席を包囲するようにして首を振る巨大扇風機の健闘も空しく蒸し風呂我慢対決開始です。

当然照明をまともに浴びるステージ上はその華やかさの裏で客席以上の熱との戦いです。


ステージ横の機材倉庫を改装しての臨時更衣室は通気性が悪く扇風機と家庭用室内エアコンフル稼働でなんとか凌ぐありさま。
本当に世界大会なのだろうかというこれまでに何度も自問自答してきた問いも始まった以上、最後までやり通すしかありません。


――がそこへ、お約束のトラブル発生!









ブレーカーが落ちました








照明は外部バッテリーで、音響は体育館の電装を使用。これらは問題なかった。
壁コン使用の客席扇風機と控え室に使用していた倉庫の電源がパンク。


すなわち大会の進行事態に何ら支障なし。

――がしかしその裏では....











空調の止まった蒸し風呂状態の控え室で
懐中電灯の明かりを頼りに着替えつづける出演者たち。



舞台裏の修羅場を観客は誰一人知らなかっただろう。


インカムを通して飛び交う罵声。

電源復旧に走るスタッフ。

舞台上手の責任者だった私に半ば修羅のごとく現状を報告してくるスタッフたち。




電源問題は想定していた。
そのために照明用のキャンプライトを4つ買い置きしてあったのだが







所在不明








親切にも誰かが撤去したらしく舞台裏どこを探しても見つからない。




必ずあるはずだ!探し出せ!

出場者たちにタオルを!

メイクスタッフが戻って来ません!

懐中電灯一つじゃ無理です!





…………


その様子はまさに海底で
沈没に危機にある潜水艦のクルーの如し




落ち着け!

今ある状況で何とかするしかないんだよ!(泣)

ステージ再入場までのわずかな時間に全員の着替えを済ますだけでも大変なのに、汗でメイクは落ちるわ暗くて着付けもままならない最悪の状況。

我々がそんな死闘を繰り広げていることなど夢にも思わず、華やかなステージに酔いしれる観客とこの会場を最終決定したお偉いさん方。

事件は客席で起こっているんじゃない。

舞台裏で起こっているのだ(力説)





教訓












二度と体育館ではやらん。


――ていうか、ストしてやる。

事の顛末(追加補足) 2003/07/15(火)
昨日は丸一日惰眠をむさぼってしまいました。
いやぁ、マジでバテましたね。

大会はなんだかんだ言いつつも大成功に終わりました













表面的には(泣)




舞台裏の停電で修羅場を経験した出場者たちも、舞台に光が漏れないように照明を消したと誤解してくれてたり、韓国はこういう国なんだと前向きに受け止めてくださったりと、満足してくださっているようです。


大会終了後の打ち上げも興奮醒め止まず、みんなで歌うや踊るわの大盛り上がり。



特に




MrタンザニアとMrケニアの
真のアフリカ王者を賭けた
ダンス対決

見事です。




――ここで大会結果をざっと報告いたしますと

■優勝

 Mr.レバノン
 Miss.台湾


■準優勝

 Mr.タンザニア
 Miss.アメリカ


■タレント賞

 Mr.タイ
 Miss.ベラルーシ


■フレンドシップ賞

 Mr.日本
 Miss.インド



といった具合になりました。


■優勝準優勝は説明するまでもありませんね。


■タレント賞とは、スピーチ以外の手段を用いて自己を表現する審査で、私はこの部門の責任者してました。
毎年流すBGMの編集や照明効果について無理なリクエストが多くて大変だったのですが、今回はみんな洗練されており、まさに実力勝負という姿勢で素晴らしかったです。(面倒な作業は全部舞台監督と音響監督に振っちゃいましたし^^)


■フレンドシップ賞は、出場者同士で投票・選出する最もいい奴賞で、内外の美を競う本大会において、外面だけ良くても絶対取れない、ライバルから認められた最も栄誉ある賞だと個人的に思ってる賞です。(本大会コンセプトから言うと、この賞の受賞者が優勝すべきではないかとも思うのだが)


そういう意味ではMr.日本は本当に優勝候補でしたね。英語あまりできなくてもみんなの輪に自然と溶け込み、天然のいい奴っぷり発揮してました。(優勝できなかったのは英語力がネックだった模様)
同時にスタッフの中で最も腑に落ちなかったのが
Miss台湾が優勝したことなのですが....


大会翌日の12日、出場者たちは韓国民族村観光。
舞台スタッフは別行動で温泉めぐり。
ピョンジョンスンデとアヒル料理そしてサウナでマッサージを堪能してきました。

←マジ美味かったピョンジョンスンデ

13日には空港アクセスの都合からソウル観光をしてそのままソウル市内のホテルに移動。
この日、日本から来たスタッフは全員帰国。

ケニアやタンザニアは飛行機が週に1便しかなかったりして17日くらいまで滞在するとか。
シャペロンメンバーそれまで解放されません。
(最後には別れを惜しむどころか、もう早く帰ってくれ状態になるらしい。)


私はカミさんとの久しぶりのデート...のはずが、結果は昨日の日記の冒頭のとおりの顛末(泣)








この仕事が片付いたら溜まった留学レポートUPしようと思ってましたが、再起動までにもうしばらくかかる模様です。


――さぁ、寝直そ




更なる後日談 特別追記
スタッフのコからの後日談が届きました。



最終日のソウルでのホテル滞在中にあったことです。
残ったスタッフ達とのミーティングの時に実は、今回のスタッフ達の考える 「フレンドシップ賞」と「Nice character賞」と「Worst 賞」を選ぶことにしたのです。

意外な結果がでました。

一応面白いので報告しておきます。

■フレンドシップは
Mr. ThailandとMiss Thailand (本選で受賞したMr. JapanとMiss Indeaを抜かして)

■Nice characterは
Mr.Hungary とMiss America

■そして栄光の
Worst ですが 





Mr. LebanonとMiss Taiwan 
(←どっちも本選優勝者)



苦笑−−;

ですよね〜
これからはスタッフの点数も含むべきなのでは、と思いました。









痛すぎる結果に乾杯!(ヤケ)