_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 第二幕 一章 九話 おいでませ、当主 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 今でも見るあの頃の夢。もう何年も前のことなのに明確に夢に出てくる。 あの時の惨劇を。好きだったあの人達の事、そして本当の自分を。 忘れてしまいたいあの記憶。でも全ては忘れたくない。育ててくれたあの人達の事を。 外の光りの一部が洞窟の中に侵食してきて狼は目を開ける。 狼の下にはどこかから拾ってきたのか、毛布が敷かれてあった。 岩に囲まれたその部屋にいるのは自分一人。他の二人はもう外に出ているのだろう。 狼はゆっくりと立ちあがると、洞窟の外に向かって歩き出した。 「う〜」 外に出た少女は木漏れ日を体に受けながら背伸びをする。 辺りは鮮やかな緑に覆われていて、とても空気がすんでいる。 その空気を思いきり吸うとそのまま吐き出す。 その少女に近づいてくる者がニ体。巨大な熊と牙の鋭いトラだった。 「み〜」 少女は無防備にその二匹に近づく。襲いかかると思った二匹は少女を受け入れる。 いつもと変わらない日常の始まり。今日は誰が来るのだろうか。 守らないといけない。ここを。あの人達が眠る場所を……………。 「どうだ?聞いて損はないと思うぜ」 無精ひげを伸ばした男はにやりと笑う。 『…………』 ファシーたちは顔を見合わせる。 「でさぁ、この辺りを自由にしてもいいって言われてもどうすればいいのかな?」 「そうだよね。ボクたちこの辺りの事全然知らないし。タンバさんは?」 「ワシはほとんどここから出たことないからの」 「まあなるようになるんじゃないの?」 『アッハッハッハ』 意味もなく笑い出す四人。 「こらこらこら、激しく無視をするんじゃない。人の話は最後まで聞けと習っただろう」 男はファシーたちに間に分けて入る。ミークはジト目でその男を見る。 「怪しい人と気軽に会話したらダメって言われたけど」 「だぁ、そんな事言わないで相手してくれ…」 「……誰よ、あなた」 しょうがないといった感じでフェンリースが男に話し掛ける。 男はほっとしたのか、顔を緩ませる。 「俺はファース。ファース・グランドルだ。ジャーナリスト…というか情報屋だ。  今お前たちが興味深い話してたんで面白そうだったから混ぜて欲しかったんだ」 ファースはファシーとフェンリースの間に座ってコーヒーを注文する。 タバコに火をつけようとしてウェイトレスに注意もされ、しぶしぶ諦める。 「お前たち、ここの当主に会いに行ったんだってな。ここの当主は極度の人嫌いだからなぁ」 「どうでもいいけど、用件は何?」 放っておくといつまでも話しつづけそうな気がしたため、フェンリースが止める。 「せっかちだな。…まあ用件に入ろう」 そういうとファースはファシー達をじっくりと見る。 「お前らは少なくとも見た目は女だが、話を聞いてるとなんか大変なことをしてるみたいだな」 (ねえ、ミークちゃん。初対面の人に女の子に見られてるみたいよ) (だからボクは女だって…) 「そういえばクラジアとミランドルがミナレインに協力を要請しているって聞いたな。  お前らがそうだろう。で、断られてどうしようって事だな。ホントわかりやすい話だ」 「何が言いたいの?」 「お前らが欲しいのは戦力。もしくはそれに代わる物。俺はその場所を教えてやれるって事さ」 「話に脈略がないよ…」 「気にするな」 ファースは出されたコーヒーに砂糖も何もいれずに飲み、一息つく。 「教えれるって、ここの人は教えてくれないの?」 「知ってるのは一部だけさ。地元に住んでいる位の高い奴しか知らないだろう。まあ知ってても言わないだろうが」 三人はハッとしてタンバに視線を注ぐ。 しかしあくまで表情を崩さない。 「でも、なんで誰も教えてくれないの?」 「それはそこの神官に聞いてみろよ。暗いが高い奴なんだろう?」 また三人はタンバに視線を注ぐ。 「……手が出したくても出せんのだ、あの森には」 タンバは諦めた感じに白状し始めた。 タンバの話によると、ミナレインのある大陸は現在も開発中であるが、 その開発は事実上停止しているそうだ。 原因は大陸の東半分の森林には入ってくるものを問答無用に排除する者がいるからだと言う。 見た目は齢12、13の少女なのだが、戦闘能力が大人をはるかに上回っていて、 亜人を親に持つ子供が、親を人間に殺された恨みだと言われている。 更につれて歩く月輪熊とサーベルタイガーも脅威な対象であるらしい。 「あの辺りは数百年以上前の戦いの名残が残っている場所であるから、  プロトタイプウェポンもあるじゃろう。より激しくなっている現在、他国の侵略を阻止するためには必要なのじゃが…」 「つまり、当主は『さっさと家に帰ってろ』って言ってるのと同じなんだよ」 場が一気に静かになる。いくら戦力が乏しいとわいえあくまで他国と比べてであって戦力はある。 それでも手が出せないと言う事は個人では絶対に無理なのである。 そして長いような短い沈黙を解いたのはファシーだった。 「なんか嫌味な感じ。そこまで言われたらこっちも黙って引き下がるわけにはいかないよね」 「私たちの仕事は協力要請および戦力の増強。虎穴に入らば虎子を得ずって言うわね」 「ボクその女の子見てみたいな」 その言葉に驚いたのは当然ファースとタンバの二人だった。 「お、お前ら人の話聞いてたのか!?」 あまりの大声に回りの注目を受ける。 「どうせこのまま帰っても暇だし、ねぇ…」 ホントに暇そうな顔をしてフェンリースとミークに同意を求めるファシー。 それにうなずく二人と間の抜けた顔をする二人。 ファースは説得する気もなくなったのか、あきれた顔で席につく。 「もう何もいわねぇよ。言う気にもならん……」 「まあどうでもいいけど場所教えてもらえない?」 「口で言ってもわからないだろ。俺が途中まで一緒に行ってやるよ」 そういうとファースは残ったコーヒーを一気に飲み干した。 そして席を立つと、準備ができたら東門に来いといって店を出て行った。 その場に残されたファシー達はその後すぐに出て行って欲しいものを散々買った挙句 船長にそれを渡して、東門についたのは数時間後のことだった。 その時タンバはここを離れるわけには行かないといってメソポタミア内に戻った。 東門はファシー達が入港してきた方向と逆方向で、 モンスターの侵入を阻止するためか頑丈な作りの門がある。 東門辺りは人がすんでいる気配がなく、建物も寂れて、人がいることが逆に不自然みたいだった。 門の左には門を開けるスイッチと長いこと待たされて少々キレ気味のファースがいた。 彼の足元にはかなりの量のタバコの吸殻がそれを物語っていた。 「今まで何やってたんだ、オ・マ・エ・ラ・ワ!」 「あ、キレてるキレてる」 「ったく、場所まで遠いんだぞ。暗くなったら困るのはお前たちなんだぞ」 門を出るとおいてあった車に乗りこみ、しばらくしてその所在場所であろう森の前にファースは車を止めた。 「ちょうどこの先をずっと行くとそのうち洞窟が見つかるだろう。モノはその中だ」 ファースは東に指を指しながら言った。 「だが気をつけろよ。その洞窟の付近になると例の娘が出てくる。どう対処するかはそっちに任せるしかない。  まあ、無事に戻ってくればいいさ。たまには引く事も大事だ。それから帰る時は前もって連絡しろよ」 そう言うとファースは元来た道を戻っていった。 そこに残されたファシー達は迷うことなく言われた方向に向かって歩き出した。 そしてその頃、少女とクマとトラはというと……。 少女は木の枝に登って、羽を休めに同じ枝に止まった鳥と戯れていた。 鳥達は別段飼いならされているわけではなかったが、その少女とは全くの同種と同じように馴れ合っていた。 その木の下ではクマとトラが森にすんでいる小動物と一緒に穏やかに寝ていた。 その光景はまさに幻想的という言葉が似合っていた。 そしてその瞬間、少女とクマとトラはある気配に気がついた。 少女は鳥の言葉であろうか、必死に何かを言い鳥達を散らせ、下にいた小動物にも同じようにしてその場を去らせた。 さっきまでとは大違いに辺りは静かになった。そこにいるのは一人と二匹。 「ここすっごいね。こんなに緑が残ってる所なんてはじめてみたよ」 ミークは辺りを走ったり飛んだりして楽しんでいる。 「そうね。この地上で緑があるといったらグラジアとミランドル、レードとミランドルの境界にある森くらいだから」 「うぅ。ボクはグラジアとの境界の森には行きたくないよ……」 このファシー達が住んでいる大地は、昔から各国の戦いがやまなかったため緑というものはほぼ消滅し、 荒れ果てた砂漠と化している。近年ではその砂漠化が広がって非常に問題になっている。 それに引き替えミナレインの東部にある森は手がつけられてないため自然がそのまま残っている。 「でも、こんなキレイな所にすむ襲ってくる子ってどういう子だろうね」 「住む所は直接的じゃないけどその生き物の性格を現すからね。何か理由があるんじゃないかな?」 「そうだけど私達は急がないとダメなの。辺に気を効かせない方がいいわよ」 歩く。三人は。目的の物を探して歩く。歩く。歩く。歩く………。 「だぁ、一体いつになったらつくのよ!」 「ファシー、落ちついくのよ。ちょっとここいらで休む?」 「と、当然……」 ファシーはすぐそばにあった気の根元に腰を落とす。 「あっはっはっは」 ミークは元気よく走ったり飛んだりして楽しんでいる。 亞人は元々体力が人間より優れているのだが、ミークはそれに加えて世界を回っているため更に体力がついてるそうだ。 そろそろ辺りは日が傾いてき始めており、森の中にいる三人には普通より暗く感じる。 「……………」 フェンリースは森に入ったときから感じていた奇妙な感じが気になっていた。 (なんか不自然なのよね。何かが足りない。さっきから感じてる違和感が抜けない。  見られているというより全くそれが感じられない…………) 「それにしても寂しいよね」 急にミークが立ち止まってつぶやく。 「何が?」 「だってこんなに青々と緑が茂ってるのに、誰もいないんだもん」 (あ、それだわ。なにか足りないと思ったら私達以外の声が全くしない) どこぞの小説に出てくるゾンビのみ住む森ならいざ知らず、 普通の森にしかも純度の高い森に他の森に住む動物の声がしないのはおかしかった。 (生き物の住んでいない森なんて存在するはずがない。という事はその動物にも影響力のある者がいる?  多分それが言ってた子なのかしら。行ってみないとわからないわね) 「ファシー、疲れてるところ申し訳ないけど急ぐわよ」 「でもどこに行けばいいかわからないし……」 「これ以上時間は延ばせないわ。原因がわかった以上奥の手を使うわ」 フェンリースは自分の銃を取り出すと、銃口を空に向ける。 「ミーク、別の音がないか耳を澄ましてて。ちょっとうるさいけど」 「う、うん」 「ファシー、耳を塞いでないとまた驚くわよ」 ファシーが耳を塞いだのを確認すると、フェンリースは空に向けて発砲した。 森にその銃声が鳴り響く。フェンリースは続けて三発ほど撃つ。 「ミーク、他に音は聞こえなかった?」 「えっと、向こうの方から鳥の羽ばたきが聞こえたよ〜〜。そんなに遠くないかも〜」 ミークはよろよろしながら北西を指差す。銃声四発が耳に来たらしい。 「って逆方向じゃない。行き過ぎたわ。さ、二人とも行くわよ!」 フェンリースはミークの指差した方向に走り出した。 その銃声は少女の耳にも当然届いていた。少女は銃声のした方を向く。 「うーっ!」 今まで穏やかだった目は一瞬にして狩る者の目に変わる。 見回りに行ったクマとトラはまだ帰ってきてない。 少女の耳は、走る足音を確実に捕らえていた。 それは確かにこっちに向かってくる。数は多くない。 少女は人とは思えないジャンプ力で木に登ると、葉と枝に身を隠す。 「見て、あそこに岩があるわ」 それを見つけたフェンリースは更にスピードを上げた。 少し遅れてミークとファシーが辿り着く。 「これは空から見てもわからないわね。木がこの岩を取り囲むようになってる」 フェンリースは岩を見上げて感心したように頷く。 「ねー、こっちに奥へ続いてる穴があるよー」 ミークが手を振って呼ぶ。が、そのミークの上から何かが落ちてくるのがフェンリースの目に見えた。 「ミーク、右に飛んで!」 フェンリースの声と同時にミークは右に飛ぶ。そしてそのすぐあとにミークの左側に何かが落ちた。 「うーっ!」 その落ちた場所から鈴の音を鳴らして姿を現したのは一二、三歳くらいの少女だった。 少し古めの可愛い服を着て、プラチナの髪を後ろで一本に束ねた服同様に可愛い少女だった。 この場所が森でなかったら、それですんでいただろう。 しかし、この少女の瞳は獲物を追う動物のようだった。 ヘアバンドの隙間から狼のような耳と、長い爪が目に映った。 洞窟の前にいる少女は今にも飛びかかってきそうな勢いだった。 「ミークちゃん、大丈夫?」 ファシーが倒れているミークに近づく。 ミークはファシーの手を掴んで立ちあがる。フェンリースのとっさの一声で傷一つなかった。 「ねえ、もしかしてこの子があの子なんじゃない?」 ミークは服についた泥を払い落としながらその少女の方を見る。 「そうでしょうね。ここに私達以外の人間がいるとは思えないから」 そう言ってまた銃を取り出すフェンリース。 「ちょ、ちょっとリース。いきなりそれはまずいんじゃないの?」 フェンリースの行動を見てファシーが制止する。 「どうして?この子があの子という事は別に排除しても問題はないはずよ」 「で、でもこんな小さな子なのに……」 「姿に惑わされたらだめよ。姿を利用するのは人間でもするわ。邪魔するの?」 「邪魔…って訳じゃないけど、話したら絶対にわかってくれるわよ!」 「どきなさい。どかないと……」 フェンリースはファシーに銃口を向ける。 「ちょちょちょちょっと二人とも落ちついてよ」 ミークの問いかけに全く耳を貸さない二人。 ファシーは一時俯いたが、意を決して手にしていたミスリル製のロッドを構える。 「この子の必死な思いは全部じゃないけど少しはわかる。  何に対してそんな思いがあるのかはわからないけど、この子を見捨てたら私、絶対に後悔する」 「人に見えてもこの子は亞人なのよ」 「種族が問題じゃない。それが亞人であっても何であっても同じ生きてるもの同士だから絶対に分かり合えるよ!」 構えたままじっとしない二人。 先に構えを解いたのはフェンリースだった。 「えっ?」 フェンリースの行動に気が抜けるファシー。 「ほんっとヘンなところで頑固ね。まるでケインみたい。仕方がないわね。諦めて帰るわよ…」 フェンリースが振り返ったその直後、銃声が辺りを包みこむ。 そしてフェンリースでもファシーでもミークでもないうめき声が聞こえる。少女の声だった。 少女は腹部を押さえる感じでうずくまっていた。腹部からは赤い血が流れたいた。 「困りますよ。その子を何とかしていただかないと」 三人は声のした方に目をやる。 薄暗くなった森の中から出てきたのは真っ白いローブに身を包んだ女性と発砲したであろう複数の兵士だった 「誰よ、あなた。一体いつの間に…」 「私ですか?私はミナレイン当主フィリアと申します、ファスレーン・サシリーズさん」 「どうして私の名前を?」 「まったくあなた達に期待をしたんですけどね。私もそんなに暇ではないのです」 「どういう事よ」 「な、何この子。姿が変わっていく…」 ファシー達の目の前で少女は銀色をした毛皮の狼へと姿を変えた。 「見たでしょう。その子は銀狼なんです。だから殺すのです」 「なんでよ。何でこの子を殺す必要があるの?」 「その子は数年前、ある村を破壊したのです。  今では我がミナレインに移住していますがその恐怖は今もなお拭い切れていません」 フィリアは少女の方を向いていう。 「その憂いを無くそうと……」 「へんだ、どうせその村の人がこの子に何かしようとしたんじゃないの?」 「そこまでは聞いていません。ですがその子は間違いなく村人を数人殺しているのです。育ての親の老人達も」 するといきなり少女は立ちあがる。まだ腹部から血が流れていたが、本人は既に気にしていない様子である。 飛び掛ろうとするところをミークとフェンリースに止められる。 二人の力で押さえるのがやっとな状態である。 「な、なんて力なの、この子……」 「今の状態で動いたら死んじゃうよ〜」 その力はどんどん強くなってくる。二人では押さえきれないほどに。 「うーっ!」 銀狼の少女はフィリアを睨みつける。 「どうしてあなた達はそこまでしてその子を庇うのですか?」 「そんな気分なだけよ」(フェンリース) 「意味なんて必要ないわ」(ファシー) 「かわいいから!」(ミーク) 「そんな理由で。(特に青い髪の方……)」 フィリアは少し考えると兵士の構えていた銃を下ろさせ、振り返る。 「あなた達に免じてその子は見逃してあげます。私も有罪確実の方以外は折檻しませんから。  その代わり、その子が今後何か起こしたらあなた達にも責任と取ってもらいますからそのつもりで……」 フィリアは兵士を引き連れて、来た方へ戻っていった。 姿と気配が消えたとたん、少女は気を失った。 また夢を見た。いつもの夢と違う、忘れていたあの人達との最後の記憶。 「シフォン。はじめて本当のお前を見るものは誰もお前を恐れるだろう。  そしていつまでもお前を恐れる者と仲良くしなくてもいい。  だけど、その姿でもお前を愛してくれる者とは何があってもついて行きなさい」 「あの人達とは違って、あなたを同じ生き物として接してくれる人はあなたを幸せをくれるから」 じぃじ、ばぁば。見つけたよ、その人達…………。 ふとが目を開けると、三人の人間の姿があった。 自分はまだ銀狼の姿だったが、何も恐れずに一緒にいてくれていた。 先ほど撃たれた腹部を見てみると、傷は塞がっていた。 「ミークに感謝しなさいよ。あなたのために精一杯したんだから」 髪の長い黒い服を着た女の人が暗い洞窟の中に明りをつけた状態で本を読みながら言った。 なんか視線が合わせづらそうだった。(あんな事した手前、気軽に話し掛けれる状態ではないのである) 自分を看病してくれたと思われる青い髪の女の子はつかれていたのか、ぐっすりと眠っている。 外は真っ暗だった。 「それにしても驚きだね〜、姿が変わっちゃうなんて。うわーふかふかだぁ」 なにかしら自分をやたら触ってくる緑の髪の女の人。 自分を触ってくれる人は少ないから触って欲しくないけど、この女の人はなんか安心できた。 「ねぇリース。もう暗いから帰るの明日でいいよね」 「外で野宿するより、ここの方がいいし」 そして三人と一匹、もとい四人は仲良く寄り添って寝床についた。 じぃじ、ばぁば。今日の夜はあの時みたいにとても暖かかったよ。