_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 第二幕 一章 十三話 戦え、ミランドル戦隊 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 一度だけ……一度だけここに来た事がある。 じぃじとばぁばを驚かせようと思ってここに隠れようとした。 その時見つけたおっきな人形。なんかとても懐かしかった。 でもすぐに見つかって怒られた。 すっごく怒られたけど、とても大切なことを言ってたような気がした。 これは絶対に遊びに使っちゃダメって言ってた。 だけど確か知り合いに会いに行くのにお土産っていう物がいるって教えられた。 これ、お土産になるかな………。 そうして少女の見上げた先には、かなり大きな物が存在していた。 ―――ミナレイン――― 「!!」 突然スクリーンが暗くなったかと思うと体が大きく揺れた。 倒れはしなかったようが、衝撃で頭が麻痺してしまったようで意識が薄れそうになった。 「オートザム君!」 クレイの無線からの声で薄らいだ意識がはっきりとする。 「だ、大丈夫です!」 コクピットの中で頭を振って意識を明確にしているのはオートザム・レスファインだった。 レードのウェポン数体が港に上陸し、その場にいたクレイが迎撃に出るのととほぼ同時に 海が裂け、高々とファンファーレがなった。 その裂け目からりりしい姿で現れたのがオートザムのウェポンだったのである。 ちなみに出現の仕方は店のおやっさんの趣味らしい。 レイはすぐさま体制を立て直すと、何事もなかったように相手の前に立ちふさがる。 「そんなのでおやっさんのウェポン、オーガストが沈むわけないでしょ!」 背面から何かを取り出すと、レイはそれを十字に広げ、構える。 「クレイさん。相手もタフですね。あれだけやって二体しか……」 「うーん、そうだねぇ。考えられるとしたらオートパイロット機能かな。  目標をうちの船にセットして、その途中の障害物を排除するように」 「このままじゃ防ぎきれませんよ」 クレイは、自分を障害物と判断した相手のウェポンの攻撃を下がって空振りさせ、 その隙になんとか後方に弾き飛ばす。 当然下がった分ほど相手とミランドルの船との距離が短くなる。それの繰り返し。 「勘違いしたらダメだよ、オートザム君。  僕たちはあくまでファシーさん達が帰ってくるまでの時間稼ぎ。  相手をやっつけることじゃなくて、進行速度を少しでも遅くすることが仕事だよ。  だから深追いは絶対にしないで、こっちのダメージを最小限に抑えないと」 「わかっています。来るのを信じるしかないですよね」 そういうとレイはさらに気合いを入れて構えた。 (………それにしても行動が少し単純すぎかも。  オートパイロットでももっと複雑な処理ができるはず。  機体性能も関係してるかも知れないけど、  それをあえてしない敵さんの目的は一体なんだろうね…) クレイは横目で、全く動きを見せないレードの戦艦を見た。 エンジンすら起動させていない不気味な戦艦を。 そのレードの戦艦のブリッジ。 ブリッジの中央にはどこかから持ってきたような、 おおよそ、そのブリッジには不釣合いなテーブルと椅子が置いてあった。 テーブルの上には未処理のルービックキューブとすでに完成済みの物が置いてある。 椅子にはバンダナをつけた青い髪の女が座っていた。 手の中にはルービックキューブがあり、その手はせわしく動いていた。 「ん〜〜、っほいっと。三つ目出来上がり。オート能力にワンランクプラスな〜」 そういって出来上がったルービックキューブを処理済みの場所に投げ置く。 「やっぱやり慣れたモンってのはつまんねぇな。別のもの持ってきた方がよかったか。  ……ところでどうだ?例のウェポンは出てきたか?」 「いえ、先ほどのタイプ不明の物以外、新たに出てきたウェポンはありません」 「ふ〜ん……」 その女は、レイとクレイが必死こいて前進を食い止めようとする姿に 全く興味がないような視線をスクリーンに送る。 「折角最低レベルから始めてるってのに。…お、そういやメソの方は〜?」 椅子の背に乗りかかり、触れてもいないのに浮いているグラスの飲み物を一口ぶん口に入れる。 レイ達以上にやる気がなさそうにオペレータの一人に声をかける。 「こっちも変わりありません」 「あ〜、暇だ暇。出番が欲しいからってこんなの引き受けんじゃなかったなぁ。  そう思わねぇか?や〜ぱラリサの間抜けに任しといたほうがよかったぜ」 「はぁ……」 「ま、どうせこれが全部終わるまでの安らぎだけどな、にひひひひ」 おかしな笑いをしながら、未だ苦戦している二人には目もくれず、 未処理のルービックキューブに手を伸ばし、またせわしく手を動かし始めた。 こんなことがあっているのだが、クレイ達とは別のところで別の戦いがミナレインにはあった。 レードが襲ってきたことにより、多少なりとも町に被害が出てしまっている。 そしてやらなければならないのは住民の避難だった。 しかし、メソポタミア関係者は相手のウェポンのことで精一杯である。 となると誰かが、一般市民がしなければならなかった。 こういうとき変に正義感に目覚める少年がいたりするのはまさに王道。 「皆さんこっちに!道場にどうじょぅ!」 ぴたりと走っていた住民の脚が止まる。 『…………』 「あぁ、そんな目で見ないで。沈んだ気を盛り上げようとね…」 村人の冷ややかな目から逃げるように、金髪の少年、ハレは顔をそらす。 「あ、そんなことより、さぁみんな逃げて逃げて」 気まずさを隠すように住民の背中を押すハレ……。 しばらくして近所の住民をすべて移動させたハレは、ほっと肩を撫で下ろす。 「あ〜、びびった。少しくらいは受けてくれると思ったのに……。誰も笑ってくれなかった…」 それどころではなかったのか、はたまたただ面白くないだけだったのかは周知の事実である。 ハレは町の大通りをくるりと見渡す。 近くの住民は皆非難してしまったため、辺りは昼間なのに随分と静かだった。 ただウェポン同士の戦いあう音が鳴り響くだけ。 「さて、ボクも避難しなきゃ」 その場を去ろうとしたハレの耳に聞きなれた音が入ってくる。 「にゃぁ、にゃぁ」 「ん?この鳴き声は……」 声の元をたどっていくと、建物の影にひっそりと隠れるように猫が一匹いた。 猫は震えていたらしく、ハレの姿を見ると飛びついてきた。 ハレは向かってきた猫を抱くと、優しく頭をなでた。 「やっぱりジャジャか。また逃げ出してきたのか?」 ふさふさした銀色の、目を隠すくらいの長い毛が魅力的な血統書つきの猫。それがジャジャ。 ハレの家で飼われている動物の一匹だった。 室内猫の癖に家を脱走してしまうのである。さらに気が弱いく臆病なので困りもの。 「さあ、ここは危ないから離れるぞ」 そして、その場から離れようとした……ら、ハレの目にチラリと何かが映った。 「……アレって確か………ウェポンのアーム…」 紛れもなくウェポンのアーム部分だけがハレの方に向かって飛んできている。 クレイとレイとの抗争状態にあるレードのウェポンのものであるのに間違いはない。 「ってアーム!?」 ハレは慌てて全力でその場から走り去る。 急いでその場を離れたおかげでハレとは少し距離をおいたところにアームは落ちた。 しかし落ちたときの振動に驚いたジャジャがハレの腕から飛び降りた。 「あ、ジャジャ!」 腕から離れたジャジャは、運の悪いことに民家の破片が激しく飛び交っている辺りで止まる。 破片が飛び交う中、特に大きいものがジャジャを襲いかかった。 「ジャジャ危ない、逃げろ〜」 それは気が弱く、臆病なジャジャにそれは無理というもの。 脅えうずくまって震えることがジャジャにできる唯一の行動だった。 そのジャジャの抵抗することも出来ないまま、家の破片が雪崩のように覆い被さった。 地面から砂埃が立ち、ジャジャどころかあたり一面を包み込む。 「ジャジャーーーー!」 ハレの叫び声はその砂埃に吸い込まれるように消える。 「うそだろジャジャ……。ジャジャーーー」 ハレはジャジャのいた瓦礫の山となった場所へ駆け寄る。 ハレ一人では無駄なのだが、一つずつ取り払っていく。 が、ひときわ大きな物はハレの力ではびくともしなかった。 「そんな…。そんなことって……。ジャジャーーーーーっ」 ハレの声が大通りに響き渡る。 「ジャジャって言うのはこの猫ちゃんのことかな〜、少年」 ハレの振り返った先には、ジャジャを抱いた一人の少女が立っていた。 レイは襲い掛かってきているのウェポンのアームをバックステップしてかわす。 そしてそのままレイは反撃をしようとしたが、レイの思ったようにウェポンは動かない。 「え?動きが鈍い」 続けて正面横のウェポンがハレに向かってショートサーベルを振り下ろす。 その瞬間クレイのハンドガンの助け舟でひるんだ隙にレイが武器で強く弾き飛ばす。 「助かりました。でもこっちはエネルギーがもうないです。補給しないと……」 クレイはそばにあるエネルギーセンサーに目を向ける。 「……ボクもだよ。困ったねぇ。今の状態で片方が欠けたら防ぎきれないよ」 「え、また速度が上がった!?」 再び正面のウェポンが先ほどより早く、鋭く腕回ししながら近づいてくる。 度々相手の性能が段階的に上がっていっている。 原因はレードのブリッジにいた女がルービックキューブを完成させているという クレイたちには全く判るはずのない理由だったが。 レイはスピードの上がった相手の攻撃を手にした武器で受け止める。 しかし完全に受け止めれず、片ヒザをついてしまう。 「パ、パワーも上がってる……。というよりこっちの出力が上がらない………」 レイは立ち上がる時に急速にパワーを上げ、それに押し上げる力をプラスして 受け止めてあったアームを跳ね上げる。それによって、空いたボディを蹴り飛ばす。 「よしっ」 しかし喜びも一瞬の間だけで、コクピットが赤く点滅し始める。 「な、なんだ?」 ウェポンの良好状態を示すゲージが最低ラインを指し、 正面のディスプレイには、『オーバーヒート:システム一時停止』と書かれていた。 今しがたの行動は残りのエネルギーでは少し負担が大きかったようである。 「一時停止!?あ、システムエラー対処をイージーにしてた!」 復旧のためのわずかな機能停止だが、今この状態では致命的だった。 レイの視線の先にはショートサーベルを今にも振り下ろそうとしているウェポンの姿があった。 何も出来ないレイはぐっと両目を閉じた。 (あぁ、このまま何も出来ないままだなんて………) そんな考えの次の瞬間には自分はもう考えることも出来なくなっているのではないか、 そう信じてやまなかった。 次の瞬間、予想通り、レイの耳にウェポンが破壊される音が入ってきた。 が、全く痛みを感じなかったレイは、不思議に思って目を開けてみる。 確かにウェポンが破壊された跡がある。 ただ違ったのは、その対象が自分ではなかった事だった。 目の前の、自分に襲いかかろうとしていたウェポンのボディには何かが突き刺さっていた。 その部分が漏電したかと思うと倒れたウェポンは動かなくなる。 「ほらほらリース、きちんと当たったでしょ?」 「当たり前でしょ。当たらない方がおかしいのよ」 「ぶー、素直にすごいとか言えないわけ?」 「はいはい、ファシーはすごいわね。ところで少年、そんなところに寝てると踏むわよ?」 後方から二体のうちの一体がレイの乗るウェポンのスクリーンに映る。 フェンリースの専用機体、震電だった。 コクピット内はいつのまにか落ち着きを取り戻していた。ゲージも通常になっている。 レイは少しゆっくりめに立ち上がると、目の前に立ってライフルを構えているウェポンを見る。 「フェンリースさん、ですか?」 「正解。それと機体整理はどんなときでもしてないと後悔するわよ」 「す、すみません。……あ、それと助かりました」 ガガガガガ………。 フェンリースの右アームのガトリング砲が勢いよく火を吹く。 中距離からの攻撃によける間もなく全弾うけ、勢いが止まるウェポン。 それを見たフェンリースはすばやく左アームのライフルを持ち直すと、ボディを打ち抜く。 そして相手のウェポンは少し動く素振りをしたかと思うと、機能を停止した。 「まだ終わってないでしょ。そういう台詞は終わってからときに言うこと。  もう少しなんだからがんばりなさい」 「はい!」 レイは武器を持ち直すと、残った相手と向かい合った。 その頃のレードの戦艦の中。 急遽ミランドルの船から出てきた二体のウェポンをきちんと捕らえていた。 それに伴ない、艦内があわただしくなる。 「シャロン様……」 「いい。いわなくても感じている……」 シャロンの手はルービックキューブが処理途中であるにもかかわらず止まっていた。 「なんだ、このエーテルは…。完全にオレ達と質が違うじゃねぇか」 手に力が入っているようで、手の中のものはギシギシと悲鳴をあげている。 「戦況激変。オートパイロットレベル最大にします」 するとオートパイロット機能で動いているウェポンはさらに運動性能が増す。 だが、スクリーンにはそれに構わず次々と倒れ動かなくなる映像が映し出されていた。 ほとんどがフェンリースの一撃で機能停止になっているようであった。 「完全に自律回路部分を打ち抜くなんてな。あれじゃいくらやっても同じだ」 シャロンはその光景に苛立つどころか、逆に喜んでいた。 「……おい、オレのギアを準備しろ」 シャロンは持っていたすでにぼろぼろのルービックキューブを台に放り投げ、 スクリーンに映っている光景をじっと見上げた。 「ですが、ロキ様から出撃は控えろと………。  それに先ほどのフィルタテストで出力が三割出せればいいほうなんですよ」 「はん、これだけ我慢したんだ。あんな相手を目の前にしてこれ以上我慢できるかよ。  それとも何か、オレを止める気か?」 シャロンはオペレータの一人に視線を送る。 そのオペレータは体が引き裂かれるかのような感じを受け、体が震えだす。 息をするのも辛い状態だが、何とか口から言葉を発する。 「わ、かりました……」 「わかりゃいいんだよ。っし、上の奴以来に手ごたえありそうな奴らだな。  んじゃ準備よろしくな。待ってるから早くしろよ」 そういうとシャロンはブリッジを坦々と歩いて出て行った。 「それにしても助かったよファシーさん。危ないところだったんでね」 「いや〜、正義のヒーローはいいところで登場するものなのよ」 ファシーの乗る薄赤いウェポンは、手にしたロッドで精一杯の力で相手を弾き飛ばす。 そしてはじき飛んだところをフェンリースが狙い打つような形になっていた。 「ところでファシーさんは初めての操縦だよね」 「そうよ。まあほとんど自動でやってるみたいだけどね」 ファシーはクレイをかばうように立ち、相手の攻撃を受け止め、反撃を繰り返す。 初操縦ということもあり、うまく動かせないので文字通り体で止めているというわけである。 「でもこれ痛いね………」 (自動操縦といっても知らないうちにそれを制御してるみたいだ。  ただの才能か、それともやっぱりファシーさんは……参ったね、これは) クレイは深くため息をついた。 ズガァン。一番重要な部分を破壊されたウェポンはあっけなく倒れる。 その場所を打ち抜いた震電はライフル持っていた左アームを下ろす。 「これで全部かしらね。RNW1002型でよかったわ。RH型だとこうも行かなかったわ」 「よく自律回路のある場所がわかりましたね、フェンリースさん」 「自律回路は何か行動起こすときに他とは違う電磁波を出すのよ。  その場所を探しただけよ。衝撃に弱い自律回路ならではの破壊の仕方よ」 「でも僕たちも機体に衝撃与えてましたけど」 「あのね、そこが一番重要だってわかってるんだから、衝撃を吸収する装置をつけてるの。  ただ私は自律回路部分に垂直に当ててるだけ」 「すごいですね。勉強になるなぁ」 「勉強家だ〜」 「ウェポン改良、射撃させたらリースさんはトップクラスだからね」 すでに和みモード驀進中の四人。 すっかりメソポタミアの方を忘れているようだが………。 「さて、とりあえず戻ろう。後のことはそれからだよ。  この調子だとメソポタミアの方も大丈夫だと思うよ。戦力は向こうが多いしね」 「そうね」 そして四つの機体がミランドルの船に戻ろうと背を向けたときだった。 今まで完全に沈黙していたレードの戦艦がエンジン起動させた。 「え、どうしたの?」 「引き上げるんじゃないかな」 クレイの予想は大きく外れていた。 戦艦の甲板が開くと、そこから青色のウェポンが姿を現した。 先ほどのウェポンと全く形が違っている。 「な、なんなの、あの機体は。見たことがないわ」 フェンリースの頭にはこの世界で製造されているすべての機体の情報が入っている。 そのフェンリースが見たことがないということは、 どこかで極秘に開発されたものだとすぐに予想はついた。 「まさか……あの機体は……」 「え?クレイ、知ってるの?」 「い、いやわからない。見間違えかも……  (間違いない。あれはマテリアルの専用機体だ。一体どういうことだ)」 「とにかく敵なんでしょ。友情の力でなんとかしよーよ」 「おいおい、そりゃただの数の暴力じゃねぇのか?」 「聞こえてたの?」 「とーぜんだ。周りからは地獄耳のシャロンと呼ばれてるしな」 「いやな呼び方されてるね」 「……ファシー、やめなさい」 「どしたの、リース」 「(なんでこっちの声が聞こえるの。直結無線だから聞こえるはずないのに)」 直結無線はごく限られた範囲内のみに通用する無線である。 地獄耳のシャロンとの距離は随分とあるのにファシーの声が届いているのが不思議だった。 「そっちの緑色の奴は気がついてんだな。だからいったろ、地獄耳だってな」 「あなた、一体何者なの」 「オレか?オレはシャロン。どこにでもいる地獄耳スキル所持者だ。わははは」 「馬鹿にしてっ!」 フェンリースは左アームのライフルを構え、先にいる青いウェポンめがけて撃つ。 しかし、それはウェポンに当たる直前で破裂する。 「な!?」 「あまいあまい。そんなのでオレとやるだなんてなぁ。接近戦しかけてこいよ」 そういうと青いウェポンは甲板をジャンプすると倉庫手前に降りる。 「これだけ待たされたんだ。楽しませてくれるんだろうな」 「……リースさん、ファシーさん。後をお願いできますか?  僕たちの機体はただの足手まといにしかなりません。  十五分、いや十分ほど耐えてください。そうすればきっと……」 「クレイさん、僕もまだ戦えます」 「レイ、いいから下がっておいて。  エネルギーの切れかけたあなたじゃクレイの言うとおり足手まといよ」 「リース、それはきつんじゃない?」 「あれは今までと格が違うわ。悔しいけど私たちでも歯が立たないくらいに」 「…わかりました。後を…たのみます」 レイは口惜しそうにクレイについて下がっていった。 そして残ったファシーとフェンリースがシャロンの前に立つ。 「さて、そっちの準備はいいか?  まあそんなに硬くなるな。オレにとって国取りとか全く関係ないしな」 「じゃあ見逃してくれない?」 「あ、それだめ。オレが楽しくない。言っとくが、逃げようとしたらここら一体を消滅させるぜ」 「……あ、そう、それはよかったわね。……しかたがない。ファシー行くわよ」 「おっけ〜。がんばってねリース」 「あんたもやるのよ!」 続く………。