クラブファイター

今日のゼノ小学校はいい天気であった。
雲一つないいい天気であった。これを世間では快晴というらしい。
いい天気、それはこの学校にとって悩み事を持っている人がいないと言う事を示していた。

いつものように朝早く学校に来たフェイだった。
そしていつものように授業を受けて、いつものように先生に当てられて、
いつものように答えられずに授業中ずっと立たされて、
いつものようにバルトとエリィに昼の弁当を取られて、しょうがなく学食を食べて、
いつものように一人で掃除を任され、いつものように一人で学校を去ろうとした放課後。
彼に少しばかりの変化があった。

いつものように真面目に教科書をカバンに詰め込んでいた時だった。
突然バルトがやって来たのだ。
額には少しばかり汗が浮き出ており、服装は征服ではなくスポーツウェアだった。
「やっぱまだ掃除してたか」
余計なお世話だ、そう思わざるをえなかった。
いつも掃除を押し付けているのがバルトだったからだ。
バルトはフェイの前の席に座って椅子ごと後ろを向いた。
そして、景気よくフェイに話しかけた。

「お前、サッカーやる気ないか?」
「はぁ?サッカー?」
突然の事でフェイは戸惑いを隠せない。
「そう、サッカー。聞いた事あるだろ?まさかないとか?」
「いや、そりゃあるけど…」
「じゃあ、決まりだ!」
「ちょっと待った。一体どういう事なんだ?まず説明してくれよ」
そういうと、バルトはいきなり黙ってしまった。しかも目をそらして…
フェイは悟った。今のは聞いてはいけない事だったのだ…と。
なんの事はない。フェイはただのアマちゃんだったのだ。
まあ、一度見てみるくらいなら。そういう条件でついていくことにしたフェイ。
(まさかエリィに、連れて来いって脅されたなんて言えるかよ…ま、いるにこしたことはないな)
その前に、小学校には少年団でなく、クラブって言うのがあるのか?
まあ、少なくとも私の小学校にはクラブはなかったが…

始めてフェイは放課後の学校をうろついた。
各教室の中を部室にしているとこも少なくはなかった。
ステップ部、アメリカンドリーム部、アイドリングストップ部などとどんな活動をしているか
興味をそそられる部活も存在した。
稼動部、作動部、などと漢字の間違いとしか思えないクラブもあった。
とりあえず中からは機械音はしていたが…

「よかったよ。フェイがサッカー部に入ってくれるなんてな」
「お、おい。まだ入ると決めてないって」
「問答無用。すでに昨日から入部届けは出してある。心配するな」
「そうか。ならいいか……って誰がだ!そんなものは書いてないぞ!」
「きにすんなって。エリィがちゃんと処理してるから」
あのアマァ…フェイはそれはもう地震が起きようかというくらい震えていた。
それに引き換えバルトはホントに嬉しそうだった。

そのまま黙ってバルトについていく。
途中下履きに履き替えた。
そして、連れてこられたのは学校の裏側にあるグランドだった。
いつも来る事がないフェイにはなんとなく斬新な景色だった。
そこにはフェイの見知った顔がいくつもあったからだ。
まあ、そこまで見知った顔はないわけだが…

そしてそこで、フェイは下級生と話しているエリィの顔を見つけた。
ズンズンと足音が聞こえるくらいの勢いでエリィに近づいた。
「エリィ!なんで勝手書いたんだ!」
突然いきり立った声で言われて、エリィはビクリとした。
間髪をいれずにフェイはどんどん言葉を放っていった。
「かくかくしかじか!えんやわんや!どんどんぱんぱんどんぱんぱん!」(フェイ)
そして、話し終わった時フェイは肩で息をしていた。
エリィに方はというと、少し涙を浮かべながら少しずつ言葉を出していった。

「ご、ごめんな…さい。いつも…いつもあなたは悲しい顔を…してるから、
 クラブに…入ったら元気になるかな?って思って…
 ホントは、ホントは悪い事だとは思ってたの…でもあなたを思うと…」
とうとうエリィは泣き伏せてしまった。
どう言っていいか戸惑うフェイ。
そして、すぐ後何を思ったか、泣き伏せているエリィに近づいていった。
「ご、ごめんよエリィ。まさかそんなにエリィが俺のこと思ってくれてるとは思わなかった。
 俺、サッカー部に入るよ。だから、だからもう泣くのはやめてくれ」
その前にすでに入部届け出てるんだから、入るも何もないっつうの。
ゆっくりとエリィが立ちあがる。
そして流れていた涙を拭うとにっこり微笑んだ。
微笑み?いや、それはちょっとちがうだろう。微笑には似ても似つかない。

「よっしゃ!これで人数そろったわね。これからはみんな一丸となってがんばるわよ!
 まさか、いきなり退部者が出るとは思ってなかったし。丁度いいところに暇人がいて助かったわ」
気合いを入れてガッツポーズをするエリィ。
それに合わせて、他の部員達もガッツポーズをした。
「あ、あの、エリィ?」
フェイの言葉は空しく空気に溶けていた。
エリィを筆頭にみんなさっさとボールを蹴っていたのだから…
彼ら、彼女らの気合いは入りまくっていた。
ひしひしと気持ちが伝わってくる、そんな感じだった。
そして、いまだにボケっとしているフェイをエリィが見つけた。
「なにぼさっとしてんの!?試合も近いんだからきびきび行動しないといけないでしょ!
 いくら新人でも容赦しないからね!こら、そこ。歩かずにダァァッシュ!グランド10週!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今回はまたよくわからないもの書きました。
多分シリアス重視のゼノ2小説書いてたための、副作用だと思います。
これから終りまでサッカーネタになると思います。
これ以降に書くもの(ゼノ2小説以外)は、全てめちゃくちゃになると思います。
たまに暴走してしまうでしょうが、気にしてもなにも解決しないので
しないほうがいいでしょう。(普通、しないって…)