お前は一体何者だ?
@前回までのあらすじ@
様々な理由によって転校を繰り返したフェイは最後の学校としてゼノギアス付属小学校を選んだ。
この学校は世界でも珍しい学校で、『生徒の気分によって学校の天気が変わる』という不思議な現象が起こるのである。そこにやって来た転校が生活の一部になっているフェイは、こういう学校にとっては迷惑極まりない存在。
そこでクラス委員のエリィと、風紀委員のバルトが何とかして更正させようとしているのである。
そこでバルトが何か一計仕掛けるために教頭室にフェイを呼び出したのだ。
そしてそこでフェイはバルトが何者なのか知ることになる・・・
「なんだって?」
ここがどこかのギャグ漫画ならフェイの目は飛び出てるであろう。
それほどフェイは驚いていた・・・
「そうだ、俺はいく年か前に存在したファティマ家の祖先だ!」
ファティマ家・・・この名家を知らないものはいないだろう。
え?知らない?・・・じゃあ、教えてあげよう。
ファティマ・・・これは古代の文字で『片目』もしくは『眼帯』を意味する。
その家に住む者は皆、片目だったという・・・
片目を甘く見るなかれ。この者達は生まれた時から片目なのだ。
その先祖は閉ざされた目に秘密を持っており、それの力でゼノギアス付属小学校を作ったといわれている。
どうやって作ったかはその祖先にしか伝わっていない・・・
わかった?簡単に言うと学校の設立者と言うことです。
そして、バルトはその設立者の祖先なのである。
「う、噂では聞いていたが、まさか、本当にここがその学校だったなんて・・・」
・・・学校の名前で気付けよ、フェイ。
「・・・で、だからなんなんだ?」
「いや、なんだと言われても・・・そもそもお前が自分で納得してんだろ?俺に言われてもわかんねえよ」
あたりがし〜〜〜んと静まりかえる。
「それはそうと何しに来たんでしたか?若・・・」
その空気を裂いたのは教頭の言葉だった。
「お、そうそう、こいつの根暗を治してほしいんだ。こいつがこういう性格してると俺達が迷惑になるんだ。何とかしてくれよ」
「ほっといてくれ!俺にこれ以上関わるな!」
それは叫び声のように、フェイは声をあげる。
「俺に関わった人がどうなったのか知ってるのか!?俺が挨拶すれば、その相手は不良に絡まれる。授業で手を上げれば天井が落ちてくる、メシを食えば食堂が炎上する。俺は不幸の塊なんだよ!こうしてる間にも教頭や、お前に何か災難が訪れるぞ!」
途中息を吸わずに言葉を発したため、フェイは大きく息を付く。
「俺が行動したら誰かが傷つく。俺はもうこんなのはいやなんだ!」
フェイの頬にツーっと一筋の涙が流れる・・・
じっくり考えると学校にこなければいいじゃないかと思うのだが・・・
とにかくよくわからないが、凄い経歴を持ってるらしい。
そして、これがフェイをこんなにさせてる原因になっていることはバルトにも理解が出来たらしい。
バルトはゆっくりとフェイの前まで歩いてくる。そして、フェイの肩を軽くたたく。
そしてやさしく言葉をかける。
「いいじゃねえか、それだったらなおさらほかの奴らに頼るしかねえよ。特にここではな。それにな、こういうときこそ友達ってのが必要なんだよ。お前がそういうことして、友人はなんて言ってた?誰もお前を責めてないんだ。お前はただ逃げてるだけなんだ。自分がいた所為でこういう事になったってな。自分の殻にこもって、面倒事から目をそらしただけで、何もしようとはしなかった。・・・でもな、そうなったのはフェイ、お前の所為じゃない。自分をそんなに責めるな。お前の居場所はここにあるんだ・・・」
「バルト・・・・」
何も言わずにバルトは頷く。
わけわからん・・・
「俺、今までなんのために生きてきたかわからなかった。こんなおかしな性質を持って、人を傷つけてまでなんで生きてるんだって思ってた。
もしかして、俺は寄り所を見つけたかったのかもしれない。この力を物ともしない場所を。
・・・バルト、もう一度やり直してみるよ、俺。ここで、みんなのいるこの学校で。
改めてよろしく頼む、バルト。負けない、俺は。いつか、この力をコントロールしてみせる」
フェイの目はもう死んではいない。むしろ生きがいを感じる目になっている。
明日から、いや、この瞬間からフェイは本当にこの学校の仲間なのだ。
「バルト〜〜!!」
「フェイ〜〜!!」
二人は友情を確かめる行動として、抱き合った。
これこそ真の友情である。
忘れ去られている教頭は後ろで涙を流していた。
「若、立派になって・・・」
感動話のように思えるが、バルトの心の中では違った事が渡り歩いていた。
(やった、これで俺の点数もアップだ。しかもこれでこれからの学校の気候が暖かくなるぜ。・・・面倒かけるな、この転校生は)
友情とはこんなものなのかもしれない・・・
その光景を窓の外からじ〜〜っと見ている人がいた。
クラス委員のエリィだった。
「何やってるのかしら、あの二人。男が抱き合って何してんだか。写真でもとってみんなに公表してみようかしら。『美青年と悲しい過去を持つ転校生の禁断の愛』なんて題名で新聞部にでも売ったほうがいいかしら」
なんとも恐ろしいことを考えてる奴であろうか。
せっかくフェイがやる気になってたのに、これじゃあ意味ないではないか。
なんて一介の解説人が思っても何ともないんだが・・・
「それにしてもバルト、まさか教頭室に連れて行くとはね。
恐らくメイソン教頭にでもなんか案でも出してもらおうと思ってたんでしょうね」
「エレハイム〜何してるの〜。早く帰ろうよ〜」
エリィのクラスメイトであろうか。やや後方からエリィを呼んでいる。
そういえば今は放課後だった。
関係ないが放課後と言うと必ず放火後と言う奴がいたなぁ。
「ふふ、明日から楽しめそうね。覚悟してなさいよ、フェイ・・・」
なんとも悪役のセリフなのだが・・・気のせいだろう。
そうしてエリィはその場所を後にする。
今まさに聖戦が始まろうとしている・・・
フェイを囲むようにして、それは始まる・・・
いつ始まるかはと〜〜〜〜っても後になるようだが・・・
さて、次回は「登場、生意気ガキ大将ダン」をお送りします。
今回の題名はなんの意味があったんだろうか・・・
しかも書いてて笑いが出たぞ、今回(笑)