転校生、ウォン・フェイウォン

(はぁ、また転校か・・・。いったい何回目なんだ。俺の安住の地はどこに・・・)
(俺がいったい何をしたんだ。ただ、いつも何かに悩まされているだけなのに)

このどこにでもいそうないじめられっこである。
この手のタイプはけして自分の悪い所を探そうとはしない。
・・・とまあ、こんな情けない話は置いておこう。
彼の名前はフェイ。過去25回転校している。ちなみに小学校六年生。
世界中を渡り歩いている、ある意味すごいアホなのだが・・・
最後の転校先と決めたのがココ、ゼノギアス付属小学校。
いまいち意味のわからない名前だが、作者がさらにアホなので勘弁してもらいたい。

『き〜んこ〜んか〜んこ〜〜〜〜〜〜〜ん』
「あれ、チャイムが鳴っちゃった。急がなきゃ」
栗色をした髪の長い少女だ。

ドン!

あまりに急いでいたために近くにいる人をよけることができず、
肩がぶつかってしまったらしい。
「ご、ごめんなさい。急いで・・・ってあれ?あなたここの生徒?
はじめてみる顔みたいだけど」
彼女はぶつかった生徒の顔を見てそういった。
小学生の分際で学校の生徒のすべてを覚えている。
「う、うん、転校してきたんだ」
力なく答える。
それを見た少女は『こいつはいじめられっこだ。この学校にこんな奴が来たら 学校の雰囲気が悪くなる』と、思った。直感である。いいカンをしている。
「校長室、場所わかる?」
「いや、今から探そうと思ってるんだけど・・・」
「じゃあ、私がそこまで案内してあげる」
「あ、ありがとう・・・」
当たり前よ、あなたみたいのを放し飼いにしてたら何が起こるかわかりゃしない。
・・・これが親切心かどうかは読者の考えによるであろう。

(外から見たから大きいとはわかってたけど、中に入ると実感できるな)
付属という名は伊達じゃない。そう思うフェイだった。

「はい、ここが校長室。校長先生は多分いると思うわよ」
そう言って彼女は教室に帰っていった。

ドキドキ、この学校は大丈夫かな。前の校長は思いっきり体育会系だったからなぁ。 意を決してドアを叩く。

「開いてますよ」
やさしそうな声が中からする。あくまで「そう」である。
フェイはそう思いながらも中に入っていく。
「お、おはようございます」
「あなたがフェイさんですね?私はこの学校の校長をしているゼファーです」
きれいな人だ。それでいてどこかにさびしさがある。
「そう緊張しなくてもいいですよ。よくここがわかりましたね」
フェイはここに来るまでのいきさつを説明した。
「ああ、それはエレハイムさんですね。・・・そうですね、クラスも決めてませんからエレハイムさんと同じクラスにしましょう」
いいのだろうか、そんな決め方しても。
「それじゃあ、早速案内しますね。着いて来てください」
そういって校長室をあとにする・・・

「それではよろしくお願いしますね、シタン先生」
「わかりました、責任もって受け持ちますよ、はっはっは」
話が簡単に進んでいく。授業の途中なのに・・・
「それでは自己紹介してもらいましょうか」

「それじゃあ、フェイくんはあの一番奥の席に座ってください」
そういえばなんでいつもこういう話のときには教室に開き机があるんだろう。
そんな疑問を抱きながらフェイは席につく。
「はじめまして、二回目ね」
そう声をかけてきたのは先ほど案内してくれた少女だった。
「あの校長のことだから来るとは思ってたけど、ほんとに来るとはね」
「・・・・・・」
「私、エレハイム・ヴァンホーテン。みんなはエリィって呼んでるわ。クラス委員だからわからないことがあったらなんでも聞いていいから」
「ありがとう」
まだ教科書は持っていないからボーっとしていた。
『き〜んこ〜んか〜んこ〜〜〜〜〜〜ん』
一時限目の授業を終えるチャイムが鳴る。

これからのフェイのこの学校での生活はいったいどういうものになるのであろうか。 また前の学校みたいにいじめられて去るのか、それともなじめるのか。
作品的に前者は間違いなくない。しかし後者になるとしてもこの作者あってこの作品。
先は長いぞ、ミロク隊長は一体いつ出てくるのだろうか。謎が謎を呼ぶこの小説。出来は悪いかもしれないが、乞うご期待。
次回は『前世が王子のバルト様』をお送りします。