44・銀河


(内容)
 M31アンドロメダ銀河
 M31アンドロメダ銀河
 M104ソンブレロ銀河
 M101銀河
 M83銀河
 M51子持ち銀河
 衝突する銀河
 車輪銀河
 銀河系の中心方向
 天の川と流星群
 深宇宙の銀河群
 星座の中のM31

(ナレーション)
 「我々の太陽系は、銀河系と呼ばれる星の大集団の中にあります。宇宙には同じような大集団がたくさんあり、それらは銀河と呼ばれています。」

(解説)
 我々は、約2000億の恒星が直径約10万光年の範囲に円盤状に集まった星の集団の中にいます。この集団は「銀河系」と呼ばれます。銀河系は、中心部は分厚く、周縁部は薄く、ちょうどドラ焼き、または目玉焼きを背中合わせにしたもののような形になっています。太陽系は、銀河系の中心から3万光年ほど離れた薄い部分にあります。円盤を内側から見ているのが「天の川」です。
 同じような集団はたくさんあり、それらは「銀河」と呼ばれます。(すなわち、「銀河系」は固有名詞、「銀河」は一般名詞です)
 M31銀河はアンドロメダ座の方向に見えるため「アンドロメダ銀河」とも呼ばれます。銀河系から約200万光年の距離にある隣の銀河で、銀河系より少し大きく、形はよく似ていると考えられています。条件のよいところ(空気がきれいで、町の明かりなどにじゃまされないところ)では肉眼でも見えますので、機会があったら探してみてください。周囲の星と違って、少しぼやけたように見えます。
 M104は同様な銀河を「真横」からみる位置関係になっているもの、M101、M83、M51はほぼ「真上」から見る位置関係になっているものです。よく見ると周縁部は渦巻き状になっていることがわかります。そこで、(我々の銀河系を含めて)これらの銀河は「渦巻き銀河」と呼ばれます。
 渦巻き銀河のほかに、腕を持たない「楕円銀河」、腕が長く伸びたような「棒渦巻き銀河」、不規則な形をした「不規則銀河」などがあります。


 銀河系の中心は、いて座の方向にあります。夏の夜空で、天の川がひときわ太く濃い部分です。銀河面(ドラ焼きの合わせ目に当たる部分)にはチリや低温のガスなど光を吸収する物質も多いため、天の川は2すじに分かれて見えます。
 銀河は恒星やチリ、ガスなどが重力で引き合ってまとまっているものですが、銀河どうしも重力で引き合い、「銀河団」と呼ばれる集団を作っています。我々は「局所銀河団」と呼ばれる集団にいます。
 銀河と銀河の衝突も珍しいことではないようです。銀河は天体の集団とはいえ「隙間」が多いので互いにすり抜けて行くのですが、それぞれの天体の重力によって形が大きく乱れます。「車輪銀河」はそのような衝突の結果としてできたものと考えられています。我々の銀河系も、今から数十億年後にM31と衝突すると予測されています。
「深宇宙の銀河群」は、ハッブル宇宙望遠鏡が10日ほどかけて撮影したもので、この中には約100億光年彼方の銀河も写っているものと考えられています。このことは、宇宙にはたくさん銀河があることのほか、かなり早い時期(おそらく宇宙が始まって10億年ぐらい後)にはすでに銀河が存在したことを示しています。
 「M××」は「メシエ番号」と呼ばれるものです。18世紀フランスの天文学者メシエがつけた整理番号ですが、彼の目的は彗星発見でした。彗星は銀河や散光星雲と同様にぼやけて見えるため、まぎらわしい天体をあらかじめリストアップしたのです。


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 銀河、銀河系、恒星、光年、銀河団、ハッブル宇宙望遠鏡、メシエ