ティーチャーズガイド・天文の部
1・新学習指導要領における位置
  (省略)

2・学習指導案
1時限目(太陽系の概観と太陽)

流れ

授業内容

指導のポイント

使用できるコンテンツ

導入・太陽系とは
(15分)

太陽系全体像のアニメを見せ、気づいたことを発表させる

1)空間の広さに比し、天体がきわめて小さいこと
2)太陽だけが光を発していること
3)太陽を中心に惑星が周囲を公転していること
4)惑星の軌道がほぼ円形であること
5)惑星の軌道面と公転方向がよく揃っていること

太陽系の全体像

太陽系の構成
(10分)

太陽系の構成要素を整理する

1)太陽…太陽系唯一の恒星
2)惑星…(内側から)水・金・地・火・木・土・天・海・冥
3)衛星
4)その他…彗星、小惑星(詳細は2時限目)
5)天体を結びつける力は重力であること

太陽系の全体像
太陽系探査(家族の肖像)
ワークシート「太陽系の構成」

太陽
(15分)

太陽について説明し、要点をまとめる

1)直径は地球の100倍強
2)表面温度は6000K
3)中心部は1600万K
4)熱源は核反応
5)核反応とはどういうことか(原子が別の原子にかわる反応。化学反応とは違うことを確認。)

太陽、太陽の核反応、化学反応

太陽と地球
(10分)

地球に及ぼす太陽の影響を考えさせる

1)地球の温度を保つエネルギー
2)光合成のエネルギー
(もしも太陽がなかったら地球は?)


2時限目(太陽系の惑星)

流れ

授業内容

指導のポイント

使用できるコンテンツ

導入・各惑星のようす
(10分)

各惑星の様子を見せる

太陽系の中でもその様子が多様であることに気づかせる

各惑星

各惑星の特徴
(15分)

ワークシートにまとめさせる

1)地球と比較した大きさ
2)太陽からの距離(天文単位)
3)表面の様子(岩石かガスか)
4)大気の有無、大気の成分
5)表面温度 など

ワークシート「太陽系の惑星」

惑星の分類
(15分)

惑星を地球型と木星型に分類する

分類の観点
1)大きさ
2)密度
3)構成物質
4)衛星・輪

地球型と木星型

その他の天体
(10分)

小惑星・彗星について説明する

1)小惑星は岩石の小天体
2)彗星は氷の小天体
(これらの小天体は太陽系の起源を考える上で重要→4時限目以降に関係)

小惑星、彗星、流星と隕石、カイパーベルトとオールトの雲


3時限目(生命の星・地球)

流れ

授業内容

指導のポイント

使用できるコンテンツ

導入・生命存在の条件
(5分)

生命の存在する条件を考えさせる

生物体の基本…水(液体)と有機物

ワークシート「生命の惑星」

液体の水
(15分)

液体の水が存在する条件を考えさせる

1)適当な温度…太陽からの距離、適度な温室効果
2)ある程度の重力

火星・金星との比較

地球以外に生命はあるか
(20分)

他の惑星に生命が存在する可能性を考えさせる

1)水は存在するか
2)表面温度はどうか
3)大気はあるか(温室効果、日較差・年較差の緩衝)

ワークシート「生命の惑星」

生命存在の可能性がある場所
(10分)

生命の存在する可能性があると考えられている天体について説明する

1)火星(過去に液体の水、隕石中の化石(?)、地下に水があるかも)
2)エウロパ(表面は氷、その下に液体の水?)
3)ティタン(窒素の大気)

火星、木星、土星


4時限目(地球の材料はどこから来たか)

流れ

授業内容

指導のポイント

使用できるコンテンツ

導入・地球の構成物質
(10分)

地球は何でできているか考えさせる

固体部分は金属と岩石、大気の主成分は窒素と酸素。それから水。

地球型惑星と木星型惑星

地球の誕生
(10分)

地球はどのようにしてできたか説明する

1)宇宙のチリやガスが集まって太陽系が誕生した。
2)円盤の塵が小惑星になり、惑星になった。
3)惑星のひとつとして地球が誕生した。

星の卵、星の誕生(M42のちりの円盤)、太陽系の誕生、地球の誕生

星の一生と元素の生成
(20分)

星の一生を説明し、恒星内部で重元素が生成されることを説明する

1)宇宙に圧倒的に多い元素は水素
2)ガス(主に水素)やチリがあつまって恒星(系)ができる
3)恒星内部の核反応で重元素ができる
4)超新星爆発でまき散らされる
5)まき散らされた物質が集まって新しい恒星系ができる

星の一生、水素の核反応、ヘリウム以後の核反応、超新星爆発

地球の材料はどこから来たか
(10分)

地球も生物も、過去に恒星内部で作られた物質でできていることを説明する

1)宇宙の始まりは水素とヘリウム
2)恒星内部で重元素が作られる
3)まき散らされた物質で太陽系ができた
4)地球上のすべての物質は、もとをたどればそのような「星の灰」である



ワークシート・太陽系の構成

太陽系にはどのような天体があるか
 ・    … 太陽系唯一の恒星  (恒星 …                  )

 ・    … 太陽のまわりを    する天体



 ・衛星 …     のまわりを   する天体

       (地球の衛星は   )

 ・その他 … 小惑星、彗星

太陽はどのような天体か
 ・直径 … 地球の約   倍

 ・表面温度 … 約      ℃

 ・主成分 …

 ・エネルギー源 …

  (核反応とは …        が        に変わる反応)


ワークシート

ワークシート・太陽系の惑星

惑星名

水星

金星

地球

火星

木星

土星

天王星

海王星

冥王星

直径(地球の○倍)

1.0

密度
(g/cm3)

5.4

5.2

5.5

3.9

1.3

0.7

1.2

1.6

1.8

重力の大きさ(地球の○倍)

0.4

0.9

1.0

0.4

2.3

0.9

0.9

1.1

0.06

太陽からの平均距離(地球の○倍)

0.4

0.7

1.0

1.5

5.2

9.5

19.2

30.1

39.5

表面の様子

大気の有無

大気のおもな成分

平均表面温度

167

464

15

-65

-110

-140

-195

-200

-225

衛星の数

0

0

1

2

39

30

21

8

1

輪の有無

分類


小惑星とはどのような天体か。
 ・大きさ …      〜      ぐらい

 ・何でできているか …

彗星とはどのような天体か
 ・大きさ …      〜      ぐらい

 ・何でできているか …


ワークシート・生命の惑星

我々の体をつくっている物質は何か



液体の水が存在する条件は




  そのためには




太陽系で、地球以外の天体に生命が存在する可能性はあるか
 ・水星



 ・金星



 ・火星



 ・木星・土星・天王星・海王星


 ・衛星など


ワークシート・地球の誕生

地球はどのような物質でできているか


新しい星は、どのような場所でできるか


太陽系はどのようにしてできたか
 ・星間雲の中で、    や    が重力で集まる
          ↓
 ・    や    が円盤状になる
          ↓
 ・中心に     ができる。
          ↓
 ・円盤のチリが集まって     になる
          ↓
 ・微惑星が     し、合体して惑星になる
          ↓
 ・重力が強い惑星は、ガスを集めて       になる

現在の太陽系で、惑星の材料物質の残りと考えられているものは何か


星間雲の材料物質はどのようにしてできたのか
 ・   を主成分とするガスがあつまって恒星ができる
          ↓
 ・恒星の内部で     がすすみ、重い元素ができる
          ↓
 ・恒星は寿命の最後に       を起こし、物質をまきちらす
          ↓
 ・       のときに、さらに重い元素ができる



記入例

ワークシート・太陽系の構成

太陽系にはどのような天体があるか
 ・太陽 … 太陽系唯一の恒星  (恒星 … 自分で光を出す天体   )

 ・惑星 … 太陽のまわりを 公転 する天体

       水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星

 ・衛星 …  惑星 のまわりを 公転 する天体

       (地球の衛星は  )

 ・その他 … 小惑星、彗星

太陽はどのような天体か
 ・直径 … 地球の約100

 ・表面温度 … 約 6000 ℃

 ・主成分 … 水素(H)

 ・エネルギー源 … 核反応 (中心部は1600万℃)

  (核反応とは … 水素原子 が ヘリウム原子 に変わる反応)


ワークシート・太陽系の惑星

惑星名

水星

金星

地球

火星

木星

土星

天王星

海王星

冥王星

直径(地球の○倍)

0.4

0.9

1.0

0.5

11.3

8.9

4.0

3.9

0.2

密度
(g/cm3)

5.4

5.2

5.5

3.9

1.3

0.7

1.2

1.6

1.8

重力の大きさ(地球の○倍)

0.4

0.9

1.0

0.4

2.3

0.9

0.9

1.1

0.06

太陽からの平均距離(地球の○倍)

0.4

0.7

1.0

1.5

5.2

9.5

19.2

30.1

39.5

表面の様子

岩石・クレーター多い

岩石・雲に覆われる

岩石・水と大気

岩石・赤い

ガス

ガス

ガス

ガス

氷?

大気の有無

なし

あり
(濃い)

あり

あり
(薄い)

あり

あり

あり

あり

大気のおもな成分

 CO2

N2,O2

CO2

H2,He

H2,He

H2,He

H2,He

平均表面温度

167

464

15

-65

-110

-140

-195

-200

-225

衛星の数

0

0

1

2

39

30

21

8

1

輪の有無

なし

なし

なし

なし

あり

あり

あり

あり

なし

分類

地球型惑星

木星型惑星

どちらでもない


小惑星とはどのような天体か。

 ・大きさ …  1km 〜 10km ぐらい

 ・何でできているか … 岩石や金属

彗星とはどのような天体か
 ・大きさ …  1km 〜  10km ぐらい

 ・何でできているか … 氷とちり


ワークシート・生命の惑星

我々の体をつくっている物質は何か

  水と有機物(タンパク質など)
  細胞は有機物の水溶液で満たされている

液体の水が存在する条件は

  適当な温度(0℃〜100℃)
  適当な重力

  そのためには

  太陽からの適当な距離
  大気(温室効果、温度差をやわらげる)


太陽系で、地球以外の天体に生命が存在する可能性はあるか
 ・水星 …可能性なし
  水なし
  表面温度-180〜400℃ (大気なし)


 ・金星 … 可能性なし
  水なし
  表面温度400℃以上 (二酸化炭素の濃い大気の温室効果)


 ・火星 … 可能性低い
  水あり(わずか)
  表面温度-60℃ (薄い大気あり)
  (過去には大量の水、化石?)

 ・木星・土星・天王星・海王星 …可能性なし
  表面温度-100℃以下


 ・衛星など
  エウロパ(木星の衛星) … 氷の下に水?
  ティタン(土星の衛星) … 窒素の大気



ワークシート・地球の誕生

地球はどのような物質でできているか
  岩石、金属など

新しい星は、どのような場所でできるか
  星間雲(散光星雲、暗黒星雲)

太陽系はどのようにしてできたか
 ・星間雲の中で、 チリ や ガス が重力で集まる
          ↓
 ・ チリ や ガス が円盤状になる
          ↓
 ・中心に 太陽 ができる。
          ↓
 ・円盤のチリが集まって 微惑星  になる(1km〜10kmぐらいのかたまり)
          ↓
 ・微惑星が 衝突 し、合体して惑星になる
          ↓
 ・重力が強い惑星は、ガスを集めて 木星型惑星 になる

現在の太陽系で、惑星の材料物質の残りと考えられているものは何か
  小惑星、彗星、流星

星間雲の材料物質はどのようにしてできたのか
 ・水素 を主成分とするガスがあつまって恒星ができる
          ↓
 ・恒星の内部で 核反応 がすすみ、重い元素ができる
          ↓
 ・恒星は寿命の最後に 超新星爆発 を起こし、物質をまきちらす(炭素、酸素など…鉄まで)
          ↓
 ・ 超新星爆発 のときに、さらに重い元素ができる(金、銀、ウランなど)