生命科学とは。 生物学ではなく、「総合の学問」である。 「われわれヒトとは何なのか」を調べる学問である。 今日のテーマは「生命の起源」。 そもそも、「生命」って何?を決めておかないと話にならない。 ・というか、これは生命科学の課題そのものとも言える。 ・文明が始まって以来の課題でもある。 ・現代の科学では、生命を「進化する分子情報機械」とみなす。 (分子を部品とし、コンピューターのように情報を扱う機械。しかも進化する。ということ。) 「進化する」は物理学など斉一説に基づく科学との大きな違い。「いつ、どこで」を意識しないといけない。 …その答えはまだ誰も知らない。「今、こう考えられています」
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生命起源の研究、3つの方法 合成的な方法 まず、地球の歴史の話。 ・ちりが収縮して太陽系ができた ・マグマオーシャン(1500〜2000℃?) ・一次大気(水素主体)…すぐ散逸 ・原始大気(火山ガス類似) ・温度低下→雨→海の誕生(46〜40億年前。詳細な年代は不明) 海ができたぞ、と。生命の話はこれ以降のこと。 オパーリン(1894〜) 1922年、生命の起源学説(「化学進化過程」)
でも実験はできない、とみんな思っていた。 ユーリー、ミラー(師弟コンビ) → 実験 ユーリーは「安定同位元素」を発見した人でもある。 ミラーは当時21歳の学生 (ミラーの考えた原始大気は偶然オパーリン説と同じだった) 1週間でアミノ酸ができた! 他の人もまねしてやったら、核酸やコアセルベートもできることがわかった。 コアセルベート、ミクロスフィア、マリグラヌール … 細胞に似た構造体 分析的な方法 化石の研究 微化石micro fossils 最古の化石 35億年前、ノースポール 現生のらん藻(シアノバクテリアともいう)にそっくり。 シアノバクテリア …アオミドロの仲間。なので光合成していただろう ↓ もっと単純なのが、もっと前にいたに違いない 生物炭素(「化学化石」ともいう) 39億年前のイスア(グリーンランド)の堆積岩 生物は13Cが嫌いなので、13C/12C比を調べてみる。 生命地球史 (同時期) 海 → 生 → イ → 酸 真 → → → 文 命 ス 素 核 明 誕 ア 蓄 生 生 積 物 (40億 (20億 年前?) 年前) ← 化学進化 →|← 生 物 進 化 → 「酸素の蓄積」と「真核生物の登場」は同時期。なにか必然性があってそうなったのだろう。 酸素の利用 エネルギーの効率がよい 真核生物 分業(遺伝の場とエネルギーの場) ↓ 性(進化の速度アップ) … 十数億年前? 性ができて多細胞生物ができた。 真核生物ができたことで性の下地ができた 原生生物の研究 分子進化学 木村資生(もとお) 1968年「中立説」 「タンパク質、核酸の進化は自然選択がかからない」 =分子進化は時間にのみ比例する ↓ 逆に、ATGCの並び方の違いから時間が計れる ↓ 化石の残りにくい生物についても系統関係がたどれる すべての生物がもっている「リボソーム」にある核酸(RNA)とタンパク質を調べる 核酸は3〜4種、タンパク質は55種。特にRNAの中の「サブユニット」のRNAがよく使われる 分子進化学的系統樹 真核生物 (ユーカレア) \ \|/ / \_|/ / ̄ / |_/ 真正細菌 | / 古細菌 (バクテリア)\| |____/ ̄ (アーキア) ___| / \_/ // \ / \\ / \/ | (こんなかんじ) | ・地球上の生物は3つに大分類される … 現代の分類の常識 ・系統樹の下の方は「超高熱菌」ばっかり =原始生命も熱いところにいたに違いない!!(生命の熱水起源説) これからの生命科学 宇宙時代 宇宙ステーションで実験 火星や木星での生命の可能性の研究 等 岩石中の微生物 日本とアメリカが中心でやってます |