夏休みの星空案内
オンライン版
(適宜改変のうえ、ご利用ください)
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星見のキホン

「どこで見たらいいの?」
・ 地上の明かりが少ないところ
 ・少なくとも、近くの街灯などの光が直接目に入らないところにしましょう。
 ・できれば人里離れたところが、空が暗くて星が見やすくなります。
 ・高い山の上は、空気が澄んでいてなおよろしい。雲の上に出られる場合もあります。
・ 空が広いところ
・ 急に雨が降ってきたときなど、逃げ込める場所があるところ(↓)


こんな場所はよそう(最重要!!)

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「いつ見たらいいの?」
・ まず第一に、夜です。星は、昼はまず見えません。(^^)b
・ 晴れていることも必要です。星は、曇っているとまず見えません。(^^)b
・ できれば、月が明るいときを避け、新月前後の夜や、月が出る前・沈んだ後の時間をねらいましょう。今年は7月17日、8月16日が新月です。

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「どんな支度をしたらいいの?」

・ 寒くないようにしよう
 ・ 真夏でも夜は意外と冷えます。特に山の夜は、冬の平地と同じと思っておきましょう。富士山頂は0〜5℃!五合目(2000m)でも10℃ぐらいまで下がります。


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  しっかり着込むとか、毛布をかぶるとか、寝袋に入るとか。
・ 星座早見があるといい
 大きな書店の、宇宙の本のコーナーにあるはずです。1000円ぐらい〜。
・ 双眼鏡があるといいかも
 わざわざ買うほどのことはない…と思います。ぶれさせないように注意して、星雲や星団を見てみましょう。木星の衛星も見えるかも。(土星の輪は望遠鏡が必要です)

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さあ、いよいよ見てみよう(見どころカイド)
(クリックすると別ウインドウに図が出ます)

0・ 最初に、暗さに目を慣らそう。
・ 明るい光を見ないように。
・ 懐中電灯は赤いセロハンなどかぶせておく。近くで星を見ている他の人への配慮でもある。(ただし、発光ダイオード(LED)の赤はかえって刺激が強いのでよくない)

1・まず、方角を確認しよう。
・ 北斗七星かカシオペヤ座をみつけて、北極星を探そう。

2・北の空の星座から。(図1)
@ 北斗七星はおおぐま座の一部。クマの全身の姿をつくってみよう。
A 北極星はこぐま座の尾の先。ひしゃく型を見つけてみよう。
B カシオペヤ座は椅子に座った人の形。「頭」と「左肩」の星を探そう。
C こぐまを半ば囲むようにうねるりゅう座。暗い星ばかりだけど見えるかなあ。
D 北斗七星の下に星がひとつ輝くあたりがりょうけん座
E うしかい座。空が暗いところなら、ネクタイかソーナンスのような形が見えるはず。

3・南の空には夏の星座が。(図2)
@ 南の空低いところにさそり座。はさみ・胴体・しっぽ、そのさきに針までついてる全身像が見えるはず。赤い星アンタレスは、直径が太陽の500倍以上もある赤色巨星。
A 南斗六星を擁するいて座。天の川はこのあたりが一番太く、明るい。
B 夏の大三角形、その1。9時ごろほぼ頭上に来るのがこと座。平行四辺形に小さな三角形がついた形。明るい星はベガで、七夕の織り姫星。
C その2。南にあるのがわし座。アルタイル(彦星)と「助さん・格さん」のあたりが頭で、翼を広げた鷲の形。
D その3。天の川の真ん中にはくちょう座。「北十字」とも呼ばれる。
深夜、沈む姿も見もの。
(ところで、夏の大三角形は内角の和が185°あるそうな)
E さそりの「上」に「将棋の駒」型のへびつかい座・へび座。頭の星の名は「ラス・アルハゲ(蛇を持つ者の頭)」
F へびつかいのさらに上にヘルクレス座。頭の星の名は「ラス・アルゲチ(ひざまづく者の頭)」。ふたつを比べると、ハゲのほうが明るく、ケチのほうが暗い。
G や(矢)座、Hいるか座。わかりやすい形のラブリーな星座たち。(^^)

4・大三角形から、天の川沿いに北へ見て行こう。(ふたたび図1)
FG 白鳥の尾「デネブ」とカシオペヤの間に、天の川をはさんで「なが五角形」のケフェウス座と、なんとなくゲンコツ型のとかげ座
H カシオペヤのさらに先にペルセウス座。夜遅くなると、「皮をむいたバナナ」型に星がチョロチョロっと並んだ全体像が見えてくる。

5・夜遅くなると、秋の星座が見えてくる。(図3)
@ ほぼ正方形の胴体に前足と首で、背中を下にしたウマの形ペガスス座。胴体の中に、いくつ星が見える?空と目がよければ18個見えるらしい。
A ペガススに引きずられるように、アンドロメダ座。M31(アンドロメダ銀河)は200万光年の彼方にある星の大集団で、わが銀河系の「隣村」。
B ペガススの首の「下」の、「三ツ矢」型のあたりがみずがめ座
C みずがめの下にぽつんと光る明るい星はみなみのうお座のフォーマルハウト。日本名「みなみのひとつぼし」。
D やぎ座。暗い星をつないでつくる大きな歪んだ三角形。
E うお座。見えるかなぁ。
F おひつじ座。「へ」の字を裏返した形。

夜遅くなりましたが、まだ見ますか?(^^)
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そうですか。まだがんばるんですね。(^-^)

6・やがて、東の空に冬の星座が見えてくる。(図4)
@ おうし座。V字型の「ヒアデス星団」が顔。M45「プレアデス星団」は肩のあたり。M45の日本名は「すばる」「むつらぼし(六連星)」「羽子板星」など。肉眼でいくつ見える?それとも羽子板にしか見えない?
A おうしの角の先の五角形はぎょしゃ座。明るい星は「カペラ」。黄色い色をしているのがわかるだろうか。
B オリオン座。右手でこん棒をふりかざし、左手には獲物を持った姿が見える。「三ツ星」をはさんで向かい合う赤いベテルギウスと青いリゲルの対照的な色。「小三ツ星」の真ん中は普通の星ではなくM42(オリオン大星雲)。肉眼でも、ぼやっと見えるはず。双眼鏡があれば見てみよう。ここは新しい星がまさにできつつある現場。
C ふたご座。仲の良い兄弟が肩を組んで立っている姿。
D こいぬ座のプロキオン、Eおおいぬ座のシリウスと、オリオン座のベテルギウスで「冬の大三角形」。シリウスは全天でもっとも明るい星。でも大三角形が全部出る前に朝になってしまうカモ。

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「最新情報はどこで仕入れたらいい?」

・ 天文雑誌
 月刊天文ガイド(誠文堂新光社)      
 (http://www.temmon.net/)
 月刊星ナビ(アストロアーツ・発行/アスキー・発売)
 (http://www.hoshibnavi.com/)
 (iモード用「星ナビi」(http://www.astroarts.co.jp/i/)、J−Sky用「星ナビJ」(http://www.astroarts.co.jp/j/)というのもあるらしい)

 (「月刊天文」は、専門知識のある人向け)
・ ネット上で
 国立天文台ほしぞら情報
 (http://www.nao.ac.jp/index_J.html)
 五島プラネタリウム
 (http://www.f-space.co.jp/goto-planet/)
 Niftyスペースフォーラム
 (http://www.nifty.ne.jp/forum/fspace/fspaceo/)
 …など

「星空の連帯」
 大阪市立科学館の渡部義弥先生(*)発の情報をもとに、各自勝手に、かつ同時に星を見ようという企画です。渡部先生の個人ページ(http://member.nifty.ne.jp/science/)を参照のこと。
(*) ご本人は「先生」と呼ばれるのを好まれないのだけど。

「本を読んでみようか」
 ・星に関する本はいろいろ出ていますが玉石混淆です。「誠文堂新光社」から出ているものはとりあえず安心です。
 ・神話や伝説に関しては、野尻抱影(のじり・ほうえい)氏の本が評判がよいようです。

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プラネタリウムを見に行こう

東京西部〜神奈川東部の主なプラネタリウム
天文博物館五島プラネタリウム
 渋谷駅東口。映画館のビルの上。東京で一番古いプラネタリウム。
 …なんですが、2001年3月で閉館してしまいました
・サンシャインプラネタリウム
 池袋東口。東急ハンズの横から地下に下り、標示にしたがって歩く。
・ベネッセスタードーム(http://www.star-dome.com)
 多摩センター駅南口。イトーヨーカ堂の先を左へ。
・まちだ東急百貨店スターホール
 東急デパート屋上。
・多摩六都科学館(http://www.tamarokuto.or.jp/)
 新青梅街道沿い 田無タワーの下の大きなドーム。
・川崎市青少年科学館
 向ヶ丘遊園下車 生田緑地内。安い!(小人50円、大人100円)
・府中市郷土の森博物館
 分倍河原からバス もしくは府中本町から下河原緑道を徒歩20分ぐらい。
・神奈川県立青少年センター(http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/02/0230/)
 桜木町駅から線路沿いを横浜駅方面へ5分歩いて左折。紅葉坂。
・相模原市立博物館
 淵野辺駅下車。国道16号に出て左(相模大野方面)へ少し歩くと案内標示あり。徒歩15分。
 またはバス(相模大野駅〜相模原駅)「宇宙科学研究所入口」。
・藤沢市湘南台文化センター(http://www.kodomokan.fujisawa.kanawaga.jp/)
 湘南台駅東口。国道467号沿いの大きな地球儀。

・料金は中学生\300〜\500、高校生\500〜\1000ぐらい。
・このほかのプラネタリウムやページのないところについては、
 「日本プラネタリウム協会」(http://www.star-dome.com/jps/)
 「WNN・星と友達になろう!」(http://www.wnn.or.jp/wnn-u/)
 などに情報があります。

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こんなことにも注目!

・流星群
 昨年の秋、「しし座流星群」が話題になりましたが、夏休みにも流星群があります。
 8月12日ごろを中心に前後数日間の「ペルセウス座流星群」と、7月29日ごろを中心に前後数日間の「みずがめ座流星群」です。それぞれペルセウス座、みずがめ座あたりから飛び出すように、1時間あたり10個程度(たぶん)の流星が飛ぶのが見られるはずです。
・月
 そういえば、月をじっくり見たことはありますか?
 ・街の明かりがないところでは、月の輝きはまぶしいほどです。地面に影ができます(本当です。本当ですってば)。
 ・何日か続けて夜空を見る機会があったら、月と星との位置関係を覚えておいて、翌日見比べてみましょう。月がぐいぐい移動していることがわかるはずです。
 ・三日月のとき、欠けている部分もうっすら見えることがあります。なぜでしょう。
・薄明
  夜7時ごろには一応空は暗くなり、星が見えてきます。その後もどんどん星は増え、夜9時頃まで増え続けます。つまり、8時頃の空はまだうっすら明るいのです。
 逆に明け方には、日常の感覚では「まだ真夜中」という時間に空がどんどん明るくなって行きます。