4月15日(土)、私の地元福島のM川に行ってきた。
このM川は私の実家から30分と釣り場としては非常に近い場所に位置しているにも関わらず、釣行で訪れるのは初めての浜通りの河川だ。
10:00に家を出発し、最初の目的ポイントであるM川上流部に着いたのは20分後の10:20。
魚が付いている川でこの近さは、最近出足の遅い私としては何者にも代え難い魅力だ。
途中、関東からの先行フライフィッシャーがいたので状況を聞いてみた。
この川はよく来るが、今年は魚影が薄いとのことだ。
大物は少ないが、そこそこの型のヤマメは釣れるそうだ。
どうやら今年は昨年の大雨の影響で河川改修工事が行われているので、漁協が放流量を減らしているのではないかと言うことだ。
今シーズンは訪れる川どこへ行っても河川改修工事が行われている。
魚に負けると言うよりは濁りに負ける釣りが多い。
たぶんどこに行っても状況は変わらないのだろう。
この日は時折雨が落ちるあいにくの天候だったが、上流部は気温、水温とも比較的高くコンディションはまあまあといったところだ。
少し下流に下り、プールの見える路肩に車を止めて入渓の準備をした。
ベストを着ながらプールをのぞき込むとなにやら水中で揺らめいている。
「でっ、でかい!」明らかに尺オーバーの魚が悠々と泳いでいるではないか!
こんな場所でと思いつつもう一度よく見ると、そいつはコイだった。
仮に鱒族だとしても、そんな大物は釣れるはずもないのに「こんな大物釣れたらどうしよう、ネットの入りきらないな」なんて考えてしまう身の程知らずのフライ馬鹿です、私(^_^;)
気を取り直して入渓、とりあえず底石の裏側を確認、ナミヒラタとフタオニンフ、ヒゲナガラーバが目立つ。
ハッチは確認できなかったが、パイロットのエルクヘア・カディス#14を結んでプールへの流れ込みへキャストするも反応なし。
ポイントを上流に移し流心脇を観察しているとライズを発見できたので#16のパラダンをキャストすると一発でヒット、最高の気分にさせてくれる。
それから上流は水深約30cmの底石の多い両脇に葦の生い茂る渓相で岸際にフライを流してやるとちゃんと反応するといった感じで、20cm前後のヤマメが相手をしてくれた。
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が、やはりと言うか何と言うか徐々に濁りが入ってきた。
濁りは10分ほどでコーヒー牛乳色に変わり、もはやニンフでもどうしようもない状態になってしまった。
しばらく待っても全く濁りが取れる気配がないので諦めて下流部へ向かった。
向かう途中も時々川に降りて渓相をチェックしたが、落差あり、平瀬あり、ナメありと変化に富んだ渓相でキャスティングもしやすそうだ。
しかし、魚が走るのはほとんど確認できなかった。
やはり魚影が薄いのか・・・
さらに中流部へ行くと結構大きな河川改修工事が行われている。
普段は通行止めになっていて通れないらしいがこの日は工事が休みだったようでその位置よりも下流部へ向かうことができた。
中流域はナメの渓相で中小規模の落ち込みが連続するポイントが続く。
濁りの方も支流を数本越してきたのでドライの釣りにならないほどではない。
そしてあるプールへの流込み流心脇でで見てはいけないものを見てしまった。
フライフィッシャーを魅了するライズ、それも物陰に身を隠し、流下物に対して鼻先をちょっとしか出さずに獲物を捕食、背びれを少しだけ水面上に見せて定位置に引き返すようなベテランヤマメのライズだ。
たぶん尺は越えているだろうこのヤマメが悠然と流下物にライズを繰り返していた。
目立ったハッチもななかったので水面直下を流れてくる何かを捕食しているようだ。
表層で何を食っているか判別できないとき、こういうときはソフトハックルをイマージャ的に少し沈めて使うのが私の常套手段だ。
勝負は1投目、慎重にヤツのフェーディングレーンにフライを送り込む。
「来い!来い!」
そしてヤツはゆっくりと姿を現し、フライは静かに水中に消えた。
「よし!!」軽く合わせるとパワーのあるORVISのPM10-844にかなりの重さを感じることができた。
と次の瞬間、ラインのテンションが消え、フライが虚しく中を舞った。
痛恨の大バラシだ。
獲物が大きいのが分かっていただけにその悔しさも相当なものだ。
それからしばらくしてから再びその姿を見せたが、フライには見向きもせず、いや避けるように捕食行動を繰り返していた。
それから手を変え品を換え3時間ほどアタックしたが結局ヤツには勝てなかった。
教訓「見える魚はやっぱり釣れない(^_^;)」
最下流部は平瀬の渓相で護岸されている箇所もあるが、水深もあり底石も多く結構いいポイントがあった。
時間がなかったので竿は出せなかったが「いそうなにおいプンプン」と言った感じだ。
それにしても今回の釣行は悔しい思いをした。
まだまだ自分の未熟さを痛感した釣行だった。
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