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FLY FISHING in N川(山形県)

5月23日、今年初めてのフライフィッシングに出かけた。場所は友人から聞いた山形県の滑川だ。 今シーズンに入ってからと言うもの、週末という週末に予定が入り、また仕事の関係上フライが巻けなかったので5月のこの時期が初釣行となってしまった。フライフィッシングでもスキーでもそうだが、シーズンインの初日には不安を感じてしまう。ちゃんと釣れるのか、ちゃんと滑れるのか。たいていいつも取り越し苦労に終わるのだが。

前日はカディスパターン、メイフライパターンの色違いを10個ほど巻いた。翌日の釣果を想像しながら・・・
 しかしひとつ気がかりなことがある。それは妻の志津香のことだ。志津香は現在妊娠7ヶ月で腹も大きくなってきている。そんな志津香を一人家の残して釣りに行くのはとても気が引ける。「行ってもいいよ」と言ってくれてはいるものの、本当は一緒に行きたいのだろう。渓相のきれいな、昼寝のできるようなポイントはないのだろうか?今後のことも考えて、ポイント探しをしなければ。

そんなことを考えながら当日を迎えた。少しでも志津香の負担を減らすために洗濯と掃除を済ませた。これで少しは楽になっただろう。ちょっと遅い朝飯を食べた後、11:00に家を出発した。

滑川に着いたのは12:30頃、これからもっとも気温が上がる時間だ。この日は日中の最高気温が26℃で夏日となった。水面ではすでにミッジのハッチが始まっている。しかしライズが全くないところを見ると、まだお休み中らしい。ふと河岸に目をやると、殻から抜け出たばかりのセミが飛び立とうとしている。季節を感じた瞬間だ。でも今はまだ5月なのに・・・

夏の声
セミ

まずは様子見で、淡色のカディス#14を流した。流心の脇に2〜3回キャストしたところで初ヒットしたが、合わせのタイミングが悪くバラしてしまった。最初はこんなものだ自分に言い聞かせながらキャスティングを繰り返す。アシ際の流れの交わるところで再びヒット。今度はキャッチできた。今シーズンの初物は20cmのヤマメだった。この時期は体躯もまだスリムである。あと2ヶ月もするとまるまると太った姿になるだろう。それを期待してそっとリリースした。

それからしばらく遡上し、3匹を釣り上げた。この川は川幅も狭く、枝が覆い被さっているためキャスティングしづらく、ポイントを狙いにくい。一番やっかいなのは蜘蛛の巣だ。ティペットにくっつくととてもたちが悪い。最悪の場合はリーダーごと交換になってしまう。幸いこの日はそんことはなかったが、ある程度川幅のあるところで思いっきりキャスティングしたい。(実は仕事が終わった後、会社の敷地内でキャスティング練習をしている。)

遅い昼食をとった後、再び遡上を開始した。15:00頃からメイフライとカディス、ストーンフライが現れ始めた。ちょうど目の前には適当な大きさのトロ場が広がっている。
 流れの脇ではライズもでてきた。少し様子を見ると、魚体の色からしてイワナのようだ。ライズポイントも定常だったので濃色のカディスを流したらいきなりヒット。やはりイワナだった。それからはライズも多くなり魚もどんどんフライに食いついてくる。入れ食いとまではいかないが、流せばほとんどアタリがくる。初日からこんな状態になるなんてとてもついている。やはり洗濯と掃除が効いているのか(笑)。
 この日上がった一番の大物は流れ込みでライズしていた30cm級のイワナだった。濃色のエルクヘアカディス#12をしっかりくわえ込んでいた。ロッドのしなりの心地よさといつ切れるか分からない7Xのティペットの緊迫感を楽しむことができた。

今日の獲物 <体長約30cmの天然岩魚>
今日の大物

しかしヤマメが全く出てこない。贅沢な話だが、イワナばかりじゃつまらないのでCDCメイフライ・ダンに変えてアシ際に流したがアタリはない。ここには着いていないのかと思いつつもう一度流したらヒット。10cmのヤマメが上がった。まだサビが落ちてないのでイワシを見てるようだ。ここにいると分かったのでどんどんキャストした。

かなり日が傾いてきた。ハッチの減少と同じくライズも減ってきた。この辺で止めておけば楽しい釣りで終われるのだが、いつもあと一匹という気持ちが出てきてしまう。その結果、焦りでティペットを絡ませたり、枝を釣ったりと散々な終わりを迎えてしまう。この日も終わりのきっかけはティペットの絡みだった。
 今シーズンの目標は楽しく釣りを終わること。
 今度の釣行はいつになるだろう?



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