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FLY FISHING in 鳴瀬川上流部・U沢(宮城県)

今回の釣行は久しぶりに一人である。 当然身重の妻も家に置いてきた。 本釣行のテーマは「理想の流れを求めて」。 少しクサイが、当たらずも遠からずと言ったところだ。 現状で私の考える「理想の流れ」とは家族のことも考慮に入れたものだ。 魚影が濃いのに越したことはないが、まずは妻と生まれ来る子供を一緒に連れて行けるような河原のある流れがいい。 さらにはテントを張れるような敷地があり、温泉なんかも近くにあれば申し分ない。 しかしターゲットを渓流魚に絞ると、幼い子供を連れていき、妻が遊ばせることのできるような河原のある河川というのは今のところ見つかっていない。  実際のところ、妻を置いて釣りに出かける理由として、都合良く使っている部分も多い。

漆沢上流部の渓相
漆沢上流
今回訪れた漆沢は、ホームページ(リンク| 菊池工房)で見つけた釣り場である。 図々しくもホームページの作者・菊池さんにアクセス法などをメールで問い合わせて準備万端の釣行のはずだった。 本当に行きたかった場所はさらに上流部にある朝日沢・夕日沢なのだが、なにを勘違いしたのか漆沢を遡上してしまった。
 天候は霧雨で時折雨足が強くなる。これで3週連続して雨または雨後の釣行となった。 いつもより少し遅れて8:30に家を出た。 もちろん参院選の投票は済ませた後だ(この時点で妻は20:00前の帰宅はないことを悟っていた)。

 漆沢ダムを過ぎ,岩谷橋を越え,バックウォーター沿いの林道を上流部に向かってひた走る。路面はグラベルだったが,愛車グランドワゴンは車高200mmの優位を生かしグングン進んでいく。 この車はこういう道を走るために生まれてきたのだ,と勝手に思ってしまう。 時折車から降りて,渓相をチェックしたが,落ち込み,プール,堰堤などが続いていておもしろそうな所だ。今度入渓してみよう。 公衆トイレも過ぎて道幅もかなり細くなってきた。 菊池さんのいう車止めに位置が確認できていない。 目の前には3段になった浅めの堰堤?が広がった。 地図で確認するが載ってない。朝日沢・夕日沢への道は大きくオーバーハングしてるはずだがそれもない。 これ以上進むと道が沢から離れてしまうと勝手に思いこんで,この地点から入渓した。
 結局,これは漆沢だったのだが・・・
 雨にも関わらず,水量があまり多くなく,濁りもわずかだ。 水温は15℃と若干低いが影響はさほどないだろう。

今日の獲物 <体長約20cmの岩魚>
今日の獲物
夏の定番,パラシュートアントを最初に結ぶ。 最初のアタリは大石の側流の流心だった。バラしはしたが反応はいいようだ。 この沢は上が開けていてキャスティングしやすい。非常に私好みである。 その後も反応はあるもののフッキングできない。(もしかしてすごく下手なのかも) フックサイズを#14に下げ,沈み石にある流心へフライを落とす,と一発でヒット。 20cm程度のイワナである。 天然物らしく,色がきれいでピンひれだ。 サイズ的には先週つり上げた養殖ヤマメの方が大きかったが,「天然物」は優越感が違う。
 この後上流の堰堤まで釣り上がり,アベレージ20cmのイワナを6匹つり上げた18:00に納竿した。 本当はこれからがいい時間帯なのだが,妻も放ってはおけない。 途中に薬來温泉もあるがパスして帰宅した。
「間違って入渓した漆沢」ではあったが,十分楽しむことができた。

帰宅後,本当の目的地で釣りができなかったことを話すと心が完全に読まれたようだ。 「今度はいつそこに行くの?」少しあきれ顔で問いかける。 とりあえず心にもなく「もう行かない」と言っておいたが,案の定,妻は疑いのまなざしを私に向ける。 「理想の流れを探してるんだよ・・・」というのも今の妻には言い訳にしか聞こえないだろう。
 今回訪れた漆沢は理想の流れに少し近いような気がする。 とりあえず次の釣行では朝日沢・夕日沢を目指そう。


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